ゼロはどちらかというと動物病院が好きではありません。15年間ほとんど訪れることがなく、一年に一回予防接種と健康診断に来るくらい。
ストレスは出来るだけ少なく
ここのところ数回の病院訪問は、自ら院内に入っていくし、診察台に乗せてもガチガチに固まることはないのですが、動物病院でゼロがどのような印象を受けるかは気をつけるようにしています。これからは頻繁に通うことになるだろうから、出来るだけ嫌なイメージを持ってほしくはありません。
自由に振る舞う
可能な範囲で、できるだけ自由に振る舞えるようにしています。ただでさえ、病院は拘束される(保定)ところなので、診療中以外はゼロに行動制限をかけたくありません。
病院の待合室のはいろんな匂いがあるのでしょう。無理に座らせたりマテをかけたりしません。待合にいるほかの方の迷惑にならいように気をつけながら、好きなだけ匂い嗅ぎをさせています。
コミュニケーションを大切に
匂い嗅ぎを中断して、私を見たり、私の前や横に座ったりしたら、そこでトリーツをあげます。
ここからがコミュニーションのスタート。命令するんじゃない、ゼロが望んだ行動をそんまま受け入れて、「それ、だいすきだよ」と伝える。とってもシンプル。それだけ。
たったこれだけのことですが、自分から進んで私の顔を見たり、私の横に座ったりを自分の意思でしてくれます。こちらが命令してやってもらう行為にはストレスがかかります。自分で好きな行動を選択してもらうのですから、ほとんどストレスはかかりません。ただし、これは普段からどうすればいいかを良く学んでいなければできません。病院に来たからといきなり落ち着きましょうではなく。ふだんから落ち着く練習をするのは、生活全般いろんなことに繋がってきます。
ストレスいっぱいの犬
どんなに自分の犬に気をつけていても、同席する犬が大変な状況にあり、影響を受けてしまう時があります。
この日は、駐車場ですでに悲鳴をあげているボストンテリアと鉢合わせになりました。案の定、待合ではずっと泣き続け、動き回っていました。飼い主はことあるごとに座れや伏せの命令をかけて、健気にもそれに従うんです。ほぼパニックしてるんじゃないかと思われる状況で、それでも飼い主の命令に従おうとする犬。それを忠実な犬で素晴らしいと見るか、飼い主が配慮不足で犬にとてつもない負担をかけていると見るか。それは飼い主の考え方によります。
状況はもっと悪くなります。診察を終えた、これまた興奮マックスなラブラドールが待ち合い室に入ってきて、いきなりストレス満載のボストンテリアに鉢合わせ。2匹は攻撃的に。
この時点でゼロは私を見上げて、助けを求めてきました。私はすぐにゼロを抱き上げ、出来るだけ距離を取りました。争いを好まないゼロは、自分を争い事から遠ざけたいようです。
その後ラブラドールがいなくなてっても、ボストンテリアの興奮はおさまらず、とうとう自分のリードに噛み付いて激しく振りだしました。
何かとリードショックを入れていた飼い主ですが、その時はいきなりボストンテリアを平手打ち 待合室は一気に不穏な雰囲気になりました。
私に出来ることはある?
そのボストンテリアの様子は、見ていて本当に辛くなるものでした。いろんな対策が頭によぎる。でも飼い主さんとお話することもできず、たとえお話ができたとしても、その場で瞬時に出来ることは限られています。
とにかく今その子が受けているストレスとそれ以上増やさない。だから自分の犬を出来るだけ遠ざけて、刺激を与えないようにする。
状況によっては待合から出て、外で待つこともできます。キャシーを診察に連れて来る時は、ほとんど待合で待つことはありません。近くに素敵な遊歩道があるので利用し、待合に居るのは最小限にしています。
ただこの日のように猛暑であれば、あまり外で待つのはしたくない。
飼い主のストレス
飼い主が受けているストレスも軽減できるようにする。
飼い主が受けているストレスとは、自分の犬が場に不適切な行動をとっていることによる他人への迷惑を配慮することから来るもの。泣いても暴れても全然気にしませんよ、大変ですね、と優しくちょっと飼い主さんに声をかけてあげるだけで、飼い主さんの犬への態度は変わるのではないでしょうか。
ストレスで苦しんでいるのは犬の方なので、飼い主がしっかりしろ!と飼い主に対して厳しくなることが多いですが、飼い主さんのストレスを軽減することで、犬への当たり方も少し和らぎ、次のステップが見えてくることがあります。
言語を解さないコミュニケーション
ゼロは私に何かを求めた場合、私が必ずそれに気づくことを知っています。それが動物にとって一番の安心なのでしょう。
いつもご愛読ありがとうございます。
訪問の印にポチッとお願いします!