ドッグランを利用しなくても、お散歩コースにあるので横を通ります。犬たちもフェンス越しに鼻を突き合わせたり、匂いを嗅いだり、ドッグランの中に入らなくても十分楽しめるようです。
私はというと、実はドッグランの外から中の様子を観察するのが好きなんです いろんな犬種のいろんな表情や行動を観察することができて、いい勉強になります
日曜日のドッグランで目撃した光景は、やはり飼い主の認識不足で被害を被る犬でした
狩遊びという名のいじめ
標的になったのは生後8ヶ月(後で聞いて知りました)のビーグル。つんざく悲鳴を聞いて目をやると、猛スピードで逃げるビーグルとそれを余裕で追うハスキー。
私がハスキーの飼い主なら、無駄だとわかっていても、名前を連呼しながら全力で追って狩を阻止するでしょう。無駄だと分かっていても・・・・
ハスキーは何度もビーグルに追い付いて、背後からぱくり 傍観者ではあるけど、「やめて!やめさせて!」と叫びたかった。
自分の犬を管理する
犬が一旦走り出したら、人間が追いかけて捕まえられるものではありません。たとえ目の前に止めなければいけない犬がいてもそれが自分の犬でなければ、手を触れるのに躊躇するでしょう。私は他人の犬を止めようとして、殴っただの虐待だのとののしられたことがあります。自分の犬をコントロールできない飼い主ほど、他人を罵声する傾向があります。自分はそれで良かれと思っているのだから、他人が自分の犬に何かしようとしたら怒るのは当然とは思いますが、そんな飼い主の扱いは非常に困難です。
私に突っかかって来る飼い主には、「呼び戻し位出来るようにしてからドッグランに来てください」と言いますが、これはかなりハードルが高いでしょう。
ダダは非常識な飼い主に出会うと、「Contral your dog!自分の犬をちゃんと管理しなさい」と一言いうそうですが、ホント、その一言につきます。それが飼い主の責任でしょう。
残念ながら、ドッグランだけでなく、お散歩中でもドッグカフェにいっても、至る所で自分の犬をコントロール出来ない飼い主に遭遇します
誰も解ろうとしない犬の気持ち
さて、狩の標的になったビーグルは、広いドッグランを逃げ回り3周くらいしたでしょうか。その間何回もハスキーに追いつかれ、身体やお尻をガブっとされています。勿論遊び咬みなので、牙が刺さるほどではないですが、ビーグルにとっては死の恐怖に近いものだったに違いありません。そしてそのたびに、耳を覆いたくなる断末魔の悲鳴をあげるのです。
とうとう隅っこに追いつかれて、ハスキーの飼い主もビーグルの飼い主もそれぞれの犬を確保しました。
マジ喧嘩のような怪我をする恐れはなかったので、どちらの飼い主も行動が本当に遅いです。私なら速攻で対処すると思います。怪我をするかしないかの問題ではなく、この状況で犬がどれほどの恐怖に晒され、精神的に追い詰められているかを思えば、ゆっくりなんて行動できないですよね。これは襲われた方だけではなく、襲った方にも悪影響なので、双方は出来るだけ素早くこのイベントを終わらせる必要があったはずです。犬の気持ちを考えていれば・・・
一番悲しかった事
この事件で私が一番心を痛めたのは、狩遊びそのもではありませんでした。
双方の犬が引き離された後、ビーグルの飼い主は、尻尾インで恐怖でカチコチになって飼い主の足元で隠れようとする犬を、足踏みをするように小刻みに足を動かして、「もっと遊びなさい、走りない、私の足から離れて!!」と言うように追い立てているのです。聞こえてきた言葉も地獄でした。
ーあなたがもっと走らないからいけないのよ
ーもおぅ、怖がりなんだからぁ~
ー怖がることなんか何もないのに・・・
もうこの場にいるだけでも恐怖で歪んでいるビーグルの姿が見えないのでしょうか?「怖がり」の一言でその恐怖に怯えた姿を一笑するなんて、一番守るべき立場にある人の言葉とは思えません。
私はフェンス越しに飼い主に近づき、「ものすごく怖い思いをしましたね。トラウマにならいといいのですど・・」と一言掛けました。
ふと見ると、数人の他の犬の飼い主が見守るようにビーグルと飼い主を見ており、私の言葉に大きくうなづいていました。少し救われた気がしました。私だけでなく、他にも沢山の犬飼いさんが私と同じ思いで悲劇を見守っていたのです。
大事なのは対処できる力
狩遊びに巻き込まれるのは珍しい事ではありません。動物の本能でもあり、絶対狩遊びをさせないと心に誓うのもいいですがそれと同時に、もし自分の犬が狩遊びを始めてしまった時、狩の標的にされた時、犬が追い詰められる前に素早く介入する方法を身に付けておけばいいと思います。それは飼い主だけでなく、犬も自ら対処できるなら尚いい。
適切に介入できるなら、そして犬の方もその加減を身に付けているなら、それは狩遊びではなく楽しい追いかけっこに発展する事もあるのです。禁止するのではなく、本能として元々持っている能力をどのように望ましい行動に当てはめていくか。これが飼い主と犬と共に取り組まなければならない事で、トレーニングの要となるのではないでしょうか。
狩られて怖がっている犬にも、怖がるな!ではなく、怖い事を認めてあげてその上で何が出来るか一緒に行動してあげるべきだと思います。
これらの事は、事前に練習できることではありません。事件が起こったその場でどう対処するか、そしてその処理の仕方で将来が大きく変わってきます。どんな出来事も一回一回丁寧に解決して次につなげて行く。これをして初めて愛犬の信頼を得る事が出来るのではないでしょうか。
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