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帯のコピーに、
「『ボノボ』ってきいたこ とありますか?
ゴリラでもない、チンパン ジーでもない、最後に『発見』された類人猿。
ヒトのDNAと98%まで 同じサルが、人と世界を映し出す。」
と書いてありました。もう、読んだ気分です。
内容はいきなり強烈です。
ボノボは、Make Love Not War(戦争でなく愛を)、もっと直接的には「ケンカはやめて、セックスしよう」です。素晴らしい。“戦争よりセックスだ”
誤解があるとボノボに怒られますので、少し引用します。
なんとボノボは、 「セックスを使って、あらそいを解決するサル」だったのです。
ふつう、動物が集まっているところに、食べ物を投げ込んだら取り合いになります。(略)
では、おなかをすかせているボノボの群れの中にサトウキビをドサリとおいたらどうなるか、というと、取り合いのケンカでもなくなっ、早いもの勝ちとばか りに殺到するのでもなく、あちこちで性行動がはじまります。いや、冗談ではありません。本当のことです。
ここに書かれている「性行動」はオスとメスがする交尾(つまりセックス)だけでなく、メスとメスが性器をこすり合わせたり、オスとオスが尻をくっつけあっ たり、子どもも大人も関係なく「性行動」をするのです。
どうやらボノボ は、何か興奮するようなことがおきたとき、とりわけ、ケンカがおきそうな状況になったとき、興奮をしずめるために性行動をしているようなのです。
なんと素晴らしいことでしょう。ケンカに勝ったものがメスを独り占めするのがサルの世界でも、ヒトの世界でも当たり前なのに。性行動で取り合いの気持ち を鎮めるなんて。
いま、戦争立法を通そうとしている政治家どもに「家に帰って『性行動』をして気を鎮めておいで」といいたい。
先人、否や先猿の知恵に学ぼう。
◇豆知識
一般的に尻尾のあるニホンザルなどのサルをmonkeyといい、オランウータンなど尻尾のないサルをape(エイプ=類人猿)と言うそうです。エイプの 種類はオランウータン、ゴリラ、チンパンジーそしてボノボだそうです。
ヒトとチンパンジーなどが分かれたのが700万年前と言われています。時間の単位が違いすぎます。
元々、ボノボはチンパンジーと間違われピグミーチンパンジー(小さなチンパンジー)と呼ばれていました。ボノボがチンパンジーと分かれたのは300万年 前だそう。
オランウータン、ゴリラ、チンパンジーの現地調査は欧米人が先駆けていました。ゴリラはアメリカ人のダイアン・フォッシーさん、オランウータンはカナダ 人のビルーテ・ガルディカスさん、チンパンジーはイギリス人のジェーン・グドールさんといずれも女性で動物学の教育を受けていない人たちでした。
だが、ボノボの現地調査を世界に先駆けて行ったのは京都大学の加納隆至(かのう・たかよし)さんでした。 6月2日付けの朝日新聞の俳壇、歌壇から気に なった句や歌を紹介します。