朝日俳壇、歌壇より(5月4日付) | 残日録

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 5月4日の朝日新聞は、前日の護憲派と改憲派それぞれの集会の様子などを伝えていました。一面には写真とともに記事がありましたが、量的には3対2で護憲派に関する記事が大きく扱われていたように思います。
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 護憲派、改憲派と解釈改憲派と三氏の発言をして対等に掲載、その中の一人に「現憲法は出自に問題がある」などと語らせているのはなぜでしょう?

 5月4日付朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。

◆朝日俳壇
◇燕(つばくろ)に訊けば木枯し紋次郎(秦野市・熊坂淑:金子兜太選)
  選者は「同じく流離(さすら)雨者同士」と評されています。が、私にはよくわからない。

◇春眠の子に春眠の母の膝(長野市・縣展子:長谷川櫂選)
 母の膝を枕に微睡んでいる母子、絵本の一ページをイメージさせる。

◇延命を望まず椿落つるごと(西尾市・青山興子:大串章選)
 椿のように首からポロリとあの世に行けれは良いのだが。

◆朝日歌壇
◇泣かないと決めて見舞ひし病院を出づれば重き春の雪(東京・鹿野文子:永田和宏選)
 泣かないと決めていたのに涙が溢れた風な展開になるのかと思いましたが、「重き春の雪」と綺麗な歌です。

◇廊下行く母の歩きは重けれど九十四年に重なる一歩(宇都宮市・鈴木孝男:馬場あき子選)
 わが母は今月九十七歳になります。今日は姉がささやかに祝ってくれるそうです。
 歳を重ねることは重いことです。年寄りが心豊かに過ごせますように。

◇わが寝床花見客へ貸し出して賃料もらうビール三缶(ホームレス・坪内政夫:馬場あき子/高野公彦選)
 坪内さんも歌壇の常連です。好条件の「住まい」だったのでしょう。可笑しみと哀しみがある。

◇「び」と打てば「病院」と出る携帯に「ビッグチャンス」と打ち込んでおく(東京都・土門久美子:佐佐木幸綱選)
 私の携帯もご同様です。「び」と打てば出てくるのは「病」ばかりです。

◇三年間ついぞなつかぬ猫のいた彼女の部屋を見上げて過ぎる(大阪市・渡辺たかき:佐佐木幸綱選)
 掌編の物語が書けそうです。同じような経験がある。猫は餌をくれる人しか信用していないのだろう。「見上げて過ぎる」でなくてはなりません。

◇それまでは何を見ていた柿の木の若葉鮮やか退職の春(常滑市・井上啓子:高野公彦選)
 病んで、同じような思いを毎日している。空の青さも雲の白さも、毎日毎日変わって行く。