◆朝日俳壇より
◇目借り時テレビが独り騒ぎをり(高山市・直井照男:大串章選)
テレビってなんだろう。1958年に松本清張が「かくて将来、日本人一億人が総白痴となりかねない」(Wikipedia)との予想通りに自分でものを考えないくせになんだか一人前のように錯覚した「白痴」が増殖しているように思う。施政者にはこれ以上ない状況だ。
音を消してテレビを見てみると良い。なんとバカバカしいことを成人した人間がやっていることか。
入院しテレビを見なくなって5ヶ月、テレビが無くても何も困らない。
◇ひとり出しひとりで畳む花筵(東京都・山内健治:稲畑汀子選)
ひとりの花見、優雅なことと思うか、一抹の寂しさを感じるかは読み手それぞれであろう。私は前者である。
◇つくしんぼ夜は屈伸運動す(東京都・鈴木勇:金子兜太選)
つくしの節は膝だったのかと知りました。よく屈伸運動をしているつくしの節は丈夫なことだろう。
◇春の昼戦争がある不思議かな(長岡京市・寺嶋三郎:長谷川櫂選)
のんびりした春うららの今も世界のどこかで戦争が行われ人が死んでいる。また、戦争を企てている奴らもいる。どうしたことだろう。
◆朝日歌壇より
◇新しき憲法出来て又兵士される事無しと狂喜せしあの日(大阪市・由良英俊:高野公彦選)
公務員には、採用時に憲法を守ることを宣誓させられるときいたことがありますが、国会議員にも必要ではないかと思う。
憲法99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
◇わが軍と呼びたる人の思考には戦ふ兵がすでにゐるらむ(浜松市・松井恵:永田和宏選)
ネトウヨ程度の思考で行政権のトップに立った安倍晋三の頭の中には、多くの蟲が蠢いているのだろう。
◇わっと散るフナムシたちのその先に煌々と照る原発がある(吹田市・谷村修三:
永田和宏選)
私たちはもう1年半も原発の電気に頼っていない。原発がないと電気が足りないなんてかとは都市伝説以下のデマだった。
原発再稼働は電力会社の経済の問題でしかない。
◇生涯に四つの国歌を歌ひたる「リー・クアンユー自選語録」重み(石川県・瀧上裕幸:馬場あき子選)
リー・クアンユーは、シンがボールの政治家。(Wikipedia)
選者は「リー・クアンユー氏はシンガポールの政治家。はじめイギリス、次いで日本、マレーシア、そして独立したシンガポールと、四つの国の国歌を歌わなければならぬ運命を克服した。語録の中で戦争と貧困の連鎖を戒めている」
◇花ひらくまで七年とうカタクリの種を土中に運ぶ蟻たち(福島市・美原凍子:馬場あき子選)
北陸線今庄駅近くのカタクリの花は今年は見られなかった。花咲くまでに七年もかかるとは。
蟻はカタクリの種を食料に保存しているのか?蟻は雑食?
◇春雨の弓道場に一人射る女子高生の白き矢の音(諫早市・藤山増昭:佐佐木幸綱選)
「白き矢の音」に惹かれました。静寂な道場、雨、少女と白い矢の音。