さ退院後、約一ヶ月になろうとしています。なぜか気分が晴れません。中々生活のリズムもつかめません。気分転換に映画を観ても気は晴れません。
やらねばならぬこと、やりたいこともあるのですが、まったく体が動きません。
このブログも二週間ぶりの更新です。
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はじめに、7月20日付の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇輪唱を終へて蜩潜みけり(東京都・大網健治:大串章選)
蜩の声を輪唱とはうまい比喩。
◇初蝉や城址の風のひたと止み(大阪市・山田天:稲畑汀子選)
城址、初蝉、風、よくありそうな組み合わせですが。
◇風鈴を買うた人ある市バスかな(大阪市・渡辺たかき:金子兜太選)
市バスの揺れに手荷物の中でリーンとでも音がしたのでしょうか。
騒がしいしバスや電車の中では、551の豚まんの匂いの方が強烈ではないでしょうか。
◇梅雨深し新法案もずぶ濡れて(狭山市・松崎博:長谷川櫂選)
戦争法案なんぞ梅雨出水に流されてしまえ。
◆朝日歌壇
◇戦場へ昭和生まれは送るひと平成生まれは送られるひと(半田市・依田良雄:高野公彦選)
そう簡単に世代はくくれないように思う。
変わらぬ法則は貧乏人同士が殺しあうということ。金持ちや支配者は安全な場所にいる。
◇若きらはシュプレヒコールをテンポよくラップにのせて繁華街ゆく(長岡京市・田原モト子:永田和宏選)
若者のデモが要注目です。彼らのデモは楽しそう、沿道からの飛び入りも増えそう。
僕らの希望である。
◇デモ隊を子連れで歩く足取りの重さは暑さのせいばかりでもない(茨木市・渡辺太:永田和宏選)
足取りの重さは「まさか、生きているうちに戦争反対」と叫ばなくてはならないことになるとは。
◇「マスコミを懲らしめる」との発言あり懲らしめられる新聞を読む(登別市・松木秀:馬場あき子選)
言葉は怖い。聞き続けることで麻痺してしまう。政治家が批判されながらも言い続けるのが怖い。もっと敏感でいたい。
◇フクシマとヒロシマナガサキオキナワと日本国中カタカナとなる(さいたま市・中ひさし:馬場あき子選)
みんな世界中が注目しているということ。
◇面知らぬ祖父の名前は金學水(キムハクス)どこか詩人のようで好きだ(大阪府・金忠亀:馬場あき子選)
その詩人は金芝河(キム・ジハ)だろうか。
◇鳩サブレ砕く母の口に入れるもう鳩ではないサブレだけれど(名古屋市・毛涯明子:佐佐木幸綱選)
最近食ったことがないなあ。鳩サブレ。
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7月27日付の朝日新聞の俳壇、歌壇より気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇大夕焼みんなしづかに居なくなる(長野市・縣展子:稲畑汀子選)
友達がいなかった幼い日を思い出す。私のそばにいた子どもたちがいつの間にかいなくなった。夕焼けが赤から黒に変わろうとするころ。
◇憲法が散華してをる揚げ花火(いわき市・馬目空:金子兜太選)
兜太先生は「散華させてはいけない、との願いは分かるが、『をる』がまだ弱い」と一席の句を評されています。確かに。
◇戦争を知らざる宰相旱星(ひでりぼし)(神奈川県二宮町・村岡多加子:金子兜太選)
私も戦争を知らない。政治家に求められているのは経験よりも想像する力だと思う。
◇敗戦か終戦か八月十五日(高松市・島田章平:大串章選)
何をいまさら、敗戦に決まっているでしょう。
◇尾道の坂道下りて日傘消ゆ(廿日市市・和泉忠伸:大串章選)
映像的な作品。和服に白い日傘をイメージしました。
◇「うちの子は戦死しました」と言いたくないだから私はプラカードを持つ(豊橋市・赤石裕佳里:永田和宏選)
理由はなんでも良い。憎しみもない人間同士が殺しあいに反対するだけで。
◇生涯に蜂が集める匙一杯ありがたく今朝も紅茶にはちみつ(東京都・上田結香:永田和宏選)
蜜蜂の一生をかけて集める蜜はティスプーン一杯だと言われている。それをいただくしあわせ。
上田さんには高野公彦さん選で<幸せそう友のスマホの待ち受けはアイドルに代わり太目の旦那>の一首あり。
◇一人来て独りで食べる牛丼屋何人いても独りは一人(吉野川市・喜島成幸:馬場あき子/佐佐木幸綱選)
群衆の中の孤独。これが一番さみしいこと。
◇長き世を戦災人災くぐり抜け憲法解釈の時代となりぬ(福井市・甘蔗得子:高野公彦選)
生きてるうちに「戦争反対」などと叫ばならぬようになるとは。それも私たちの怠慢の結果だろう。
◇一日に三百トンの汚染水溜りゆく日々果てしもあらず(福島市・美原凍子:高野公彦選)
フクシマのニュースが少なくなった。代わりに福島県産の食べ物が安全だというキャンペーンが多くなった。本当に安全なのですか?こんなに放射能をたら流していて。