すごいなあ、日本の「飲み会」センスって | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

「飲み会5時間、業務でない」=帰宅途中の転落死に労災認めず-東京高裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080625-00000086-jij-soci
(08年6月25日 時事通信)

(引用始)
 社内で開かれた飲み会に参加した後、帰宅途中に地下鉄の階段で転落死した男性会社員=当時(44)=の遺族が労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は25日、約5時間にわたる飲み会は業務といえないとして、労災を認めた一審東京地裁判決を取り消し、遺族側の請求を退けた。
 宮崎公男裁判長は、「飲み会が社員から意見を聞く『業務』と言えるのは開始から2時間前後まで」と指摘。その後も約3時間飲酒したために酔って転落した可能性が高く、事故は通常の通勤に伴うものとはいえないとした。 
(引用終)


なんか、まだこんなことをやっているんだなあ、日本では、と思ってしまった。酔わないと話にならない社会っていうか。「飲み会が社員から意見を聞く『業務』と言えるのは」… たまらん(~ヘ~;)

この飲み会って、経費で落とせるような代物じゃないんでしょ。ということは、業務の範囲になるわけがない。業務の範囲なんだったら、経費で落とさせてくれないと。

労災を認めた地裁判決もすごいが、本判決の「『業務』と言えるのは開始から2時間前後まで」というのにも唖然とするばかりだ。2時間以内だったら「通常の通勤に伴うものといえる」ということになるのね。「通常の通勤」の範囲に飲酒ルートが入っているなんて、すごい!
ま、裁判官自らが自分で弁償するんじゃないから、気楽なもんかな。

Yahoo!のこのページに書かれた読者のコメントに、「会社が束縛していた」とか「上司が無理やり飲ませた」とかだったら、労災認定されるべき、みたいな論調まである。飲んでた人は子供?あるいは、拷問施設でも使ったの?


なお、Yahoo!の同ページにあった「くだらないことで裁判すんなよ。アメリカじゃあるまいし」というコメントは100%誤り。これは、アメリカでは絶対にありえない裁判。パーティで酒を飲む飲まないは自己責任以外の何ものでもないからね。
「合法的に酔った人間が歩く可能性のあるこんなところに階段を作ったんだったら、『酔者は危険だからこの階段を使うな』というサインを出しておくべきだった。それを怠った都には過失責任がある。賠償額10億円」という裁判ならありえる(笑)。




私は、お酒を飲めないし、飲まない。いわゆる下戸。そんなんだから、弁理士稼業なんぞをやって、しかもアメリカに住んだりしている意味合いもある。

日本通アメリカ人に、そんなので日本でビジネスできるのか、みたいに言われることがあるけれども、「そんなんだから、日本から蹴りだされたんだよ」と答えることにしている。絶対にウケル。ウケルと仲良くなれる。アメリカは酒よりジョークが大切な社会(笑)。どっちも、どっちか?