特許審査ハイウェイ9 (たぶん、最後のトドメ) | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…


テーマ:

USPTOから早期審査制度についての発表がありました。
http://www.uspto.gov/web/offices/com/speeches/06-37.htm

「特許審査ハイウエー5」(06年6月1日)で触れた米国の早期審査制度ですが、この早期審査制度は特許審査ハイウェイとはまったく関係ありません。
審査を早くするという意味では歩調が合います。発表によると、12ヶ月以内に特許可否の最終判断まで完了する、となってます。

この早期審査制度は特許審査ハイウェイとは関係ありませんけど、日本側が提案したハイウェイに刺激を受けて発表されたのかもしれません。日本の審査結果を使用させられるようなハイウエイが使われだしたら審査の簡素化どころか複雑化がひどくなって大変なことになる、という恐怖が米国側にあったかのかも(何の根拠もない推測ですけど)。
単に、今年3月に終わったテスト期間の結果を受けて準備していて今になった、ということかもしれません。それが偶然、日本側のハイウエイのテスト開始直前になったということかもしれません。たぶん、そういうことのような気がるするな。



出願人側に課せられる条件としては、
Under the USPTO’s accelerated examination procedure, applicants will be required to conduct a search of the prior art, to submit all prior art that is closest to their invention, and explain what the prior art teaches and how their invention is different.

In addition to providing and explaining any prior art references, applicants must explicitly state how their invention is useful and must show how the written description supports the claimed invention. The proposal also limits the number of claims allowed in each application and shortens the time periods for responding to most USPTO communications.

いろいろ書類をこちらから提出しなければいけませんから、侵害裁判時にそれが不利な扱いを受ける可能性はあります。が、審査が遅い技術分野(そういうところほど、技術競争が激しく、出願数が多く且つ審査スピードが要求される)で、早期権利化を最優先するときは、ハイウェイよりこの早期審査制度を使うべきと思います。

先行技術文献サーチの必要がでてきますが、私だったら、米国内でサーチサービスを買うでしょう。残念ながらうちの事務所にはその能力がありませんが、「サーチ専門」みたいにやっておられる事務所や米国弁理士(アトーニー・エージェント)は結構おられます。そういう人たちに、米国の感覚でサーチしてもらう。
弱い権利を作らないためには、米国基準(米国の陪審員の感覚)で「チャンとしたサーチをした」と認識され得るサーチをしておくことが、大変重要であろうと思われます。

米国特許の価値向上だけを考えたときには、たぶん、日本で先に審査請求をせず(早期審査もせず)、米国だけで早期審査を受けるのが筋と思います。



この早期審査制度で、日本が提案した特許審査ハイウェイは、出願人からは少なくとも何の利用価値もないものになったといってよいと私は思います。ハイウェイの方はまだテスト期間も始まってないのにね。何をしてんだか… かっこ悪いです。

日本では、地方にお金を回すというだけの意味しかない高速道路への浪費がずいぶんと問題になりましたが、このハイウェイもよく似たものかもしれませんですね。

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