エニアグラムの第一人者であり、私たちのエニアグラムの師である
ドン・リソさんが亡くなって11年(2012年8/30 享年66歳)。
 

日本やアメリカでお会いした時のことは、折々に蘇り、懐かしく想います。

ひとくちにエニアグラムといっても、
ドン・リソさんのエニアグラムにおける貢献は特筆すべきものです。
 

9つの性格タイプについては、1960〜70年代、
思想家オスカー・イチャーソが教えていた時には、まだ大まかな説明しかなかったのに対し、
リソさんは、12年にも及ぶ心理学的理論との比較考察を通じ、
精緻で詳しい説明につくりあげました
(「ウィング」、「根元的恐れ」、「根元的欲求」といった考えを含む)。

また、ひとつのタイプの中に、9つの健全度のレベルに分けられる違いがあることを発見しました。

これにより、エニアグラムに具体的な成長発達の視点が加えられたのです。
インテグラル理論の提唱者であるケン・ウィルバーは、このことを高く評価しました。
 

他にも、グルジェフワークを学んだラス・ハドソンさんと共に、
独自の新しい理論をつけ加えていきました。
実践としては、多くのワークショップや本格的なトレーニングも実施。
 

ハドソンさんと共に、長年に渡って日本で学ぶ方々を大切にし、
ワークショップやトレーニングを実施した他、
日本語版の著書も出版するなどして、直接的・間接的に、
私も含め、多くの方々に気づきや学びの貴重な機会を
与え続けてくださいました。
 

下の写真は、癌の闘病中に、日本の皆さんから贈られた千羽鶴。
ユーモア感覚にも満ちた方でした。

リソさんは最後までエニアグラムから学んだことを活かし、
心穏やかな日々を送られていたと聞いています。