2人目の出産から
新生児育児も終わり
無事に職場復帰を果たして
新しい部署にも慣れた頃
それはママのれい子ではなく
ひとりの女としてのれい子を
取り戻しつつある頃でもあった。
育休中のコットンを着る毎日から
れい子というわたしに戻るため
ややキリッとした
オフィスカジュアルを身に纏うだけで
わたしの気分を自由に
そして気持ちよくしてくれた。
社会復帰して
“自由”を感じる時間の割合が増えるにつれて
わたしの心も
解放させてあげたくなった。
…夫を愛していない。
…今でも好きなあの人に会いたい。
大好きな彼とは
2人目を妊娠中に
わたしが拗ねて
連絡を取らなくなったきりだった。
驚くことに計算したら
2年が経っていたが
それでもまだわたしの心は
変わっていなかった。
逢いたい…
連絡してみようかな…
でも、なんて言おう…
彼にはもう新しい彼女がいるかもな…
わたしのことはもう好きじゃないかもな…
怖い〜
タイミングみてからにしようかな…
やっぱりまた今度にしよう…
うー…
逢いたい〜
負のループ。
空気読みたい病が発症し…
こじらせた。
こじらせた病は
なかなか治らない。
もはやタイミングなんて
掴めないし
そもそも最初から
ベストなタイミングなんて
なかったんじゃないか
だって
ラインだし
相手の行動見えないでしょ?
2018年 冬至
彼の住む大阪へ
私用でわたしが
ひとり旅行へ行った時
夜にビジネスホテルの側の
イタリアンダイニングバーで
一人飲みはじめたら
今だ!
とやっと思えた。
彼に2年ぶりのラインをした。
直ぐに返事がきて
そこには
いつもと変わらない彼がいた。
2年のブランクなんて
全く存在していなかったかのように
二人の空気感は
変わらなかった。
楽しかった。
愛が溢れてきた。
逢いたくなった。
だから
『今度、ご飯いこう。』って
自然に言えた。
だって
2年間コットンばかり着て
ママでい続けたわたしとは別に
好きな人を愛したり
触れ合うことで確認する
ひとりの女になれる自分を
取り戻したかったから。
それは夫ではなかったから。
夫が悪いのではなく
わたしの心の問題。
どちらかを選ばなきゃいけない
ではなく
欲しいものを
好きなことを
したいことを
わたしにさせてあげたかった。
2年ぶりの彼との食事は
ちょっと恥ずかしくて
でも嬉しくって
2年間二人に起こった変化を
お互いに知りたいが溢れていた。
この時
2年前までのわたしと違っていたのは
わたしへの覚悟だった。
もう、本心を隠さない。
もう今までみたいに
気持ちを誤魔化さない…
彼の気持ちを勝手に勘ぐらない…
ただ素直な気持ちを伝えるだけ。
それで彼がなんて答えようと
その後彼との関係がどうなるかは
意識して考えないようにした。
素直になれたら
彼も
素直になった。
家庭がとか
不倫だからとか
世間的にとか
ぜーんぶ置いておいて
わたしは
「今も好き」がさらりと言えたら
彼も
「不思議だけど、俺も。」と言っていた。
昔、あんなに彼と結婚したくて
離婚して欲しくて…
でもそれを一度も言えないまま
毎日だいすきだけを伝えていた
悲しい顔のれい子には
もう戻りたくなかった。
彼と結婚できなくてもいい
彼が奥さんを選んでもいい
不倫でもいい
婚外でもいい
嫌われてもいい
損してもいい
ただ 自分に素直になれればいいと思った。
何度か彼と食事を重ねていくうちに
彼とセック.スがしたい
と思うようになっていた。
でも彼は誘ってこない。
彼は彼なりに遠慮していたのだ。
(後で聞いた話によると)
彼はわたしと不倫している間
家族に感じていた罪悪感を
同じように家庭を持ってしまったわたしに
味あわせたくはなかったらしい。
信じられない。
彼はそんなくだらない事を
考えていたなんて。
そう、わたしの罪悪感は
わたしのものであって
彼に心配して貰うものではない!
と気づいたら言っていた。笑
一事が万事
人の考えなんて
相手への配慮なんて
当たらないんだなぁ・・
と思った瞬間だった。
だからわたしは
食事の帰り道
地下鉄の改札で別れる前に
ギュウ〜って彼に抱きついて
また一つ素直に言葉を放った。
『今度、セック.スしよう♡」