株式市場、為替市場ともにホットな動き。
が、トレーダーたちは相手の油断を誘って自分の利益最大化を目指すので、資金の大小にかかわらずマーケットにエントリーしている間は常に緊張していなければならない。
マーケットにエントリーし、上昇に喜んで、ハイになっている人をいかにたくさん集めて、逃げるか? そういうことばっかり考えているトレーダーの最たる存在が短期資金を動かすヘッジファンド。
クリスマス休暇目前の、しかもSQ前に日米ともにこの高値。
ここでいったん利益確定すべきか、この先のもっと高値を期待するか。
悩ましいところ。
だから、利益は恐怖の代償といわれる。
「下がったら今までの利益が飛ぶなあ」と心配しながら保有し続けるか、
「儲かったんだから、いったん売っておくか」と見切るか(その代り、自分が売った後の高値があって、腹立たしいかもしれない。売っておいてよかったという結果と確率は五分五分)
原油価格はドル建て商品。
その価格が高値になればドル高が進行。
ドル高は円安。
日経平均株価は円安連動指標。
これが株高要因①
下げたら買いたい個人投資家は先週まで大幅売り越し。
トランプ大統領になれば株価が暴落するというスタンスだった人も少なくない。
そういうストラテジーをとっていた人は大慌てで買い転換していることの要因もある。
株価上昇要因②
何しろアクティブシニアには金持ちが多い。退職金、企業年金、昭和ひとけたの親からの相続。しかも、行動力があり、国際感覚も持つ。高度成長期、バブル期を体感しており、乗りやすい。
しかも、株式市場には三巨人+ゆうちょ、かんぽ運用が控え、下げたら買いに来る。
日銀、GPIF、外国人投資家。株価上昇要因③
トランプ政権はオバマ政権が作ったドット・フランク法やグラス・ステイーガル法などの金融規制を撤廃するとのスタンスをとっているし、財務長官は回転ドア組のゴールドマンサックス出身者だ。
1月には邪魔者と目される人物の退職やトランプ陣営の本格稼働が始まる。金融規制が撤廃されれば、自由に動ける巨額資金が増えそう。しかも議会は上下院とも共和党多数。前途にバブルがほの見える・・・・という点で株高要因④
しかもプーチンは来る、カジノ審議も続く、ZMPの上場も控える。話題十分・・・・株高要因⑤
が、私の仕事はリスクを探して投資家に考えるきっかけを与えることも含まれる。
私がアメリカ株式会社の役員なら、
「トランプ社長、原油が上がってドル高になってきているのだし、何も今、イエレン金融政策広報部長に金利を上げるといってもらわなくてもいいんじゃありませんか?」
位は進言する。
FOMCで金利を上げない可能性、上げても小幅。
その可能性でドル高一服も考えておく必要あり。
それにほんとにそんなに簡単にドット・フランク法が変更、撤廃できるのかという点で、慧眼の大崎貞和先生がわかりやすく寄稿されているのでご参考に。
http://fis.nri.co.jp/ja-JP/knowledge/commentary/2016/20161117.html
すると、規制緩和期待はあくまで期待なのかもしれない。
いや、しかし・・・・・。どうしてもトランプ政権は2017年早々にも突貫工事で公約実現に動くはず・・・・。
この話は12月15日に60分枠の講演がある機会にじっくり話させていただきますね。
http://seminar.nsjournal.jp/7082.html
30分枠ではありますが、要点をお話しする機会は12月3日午前中・東京でもあります。
http://irforum.jp/irseminar/161203/
●11月大統領選挙結果が出る前に締め切りだった2017年相場見通しで示した日経平均株価はコンサバティブな数字にしました(株主手帳/相場見通し)。
●ザイは12月1日締め切りで、第一弾見通しよりややアグレッシブにしました(変更の理由はコメント欄に書きました)
名古屋講演(11月28日)と福岡講演(29日)ではコンサバティブな見通しを示しましたが、グラス・ステイーガル法、ドット・フランク法撤廃の先取り相場と来年4月から始まる新規制・米国流フィデューシャリー・デューティーがどうなるか、
私なりに考え抜いて、東京での相場見通し講演テーマでお話したいと思います。