ギリシャの3月20日国債償還(金額は約18兆円)を滞りなく進めるためには2月14日頃までに民間金融機関と折り合わなくてはならず、現在、その調整まっただ中ですが、そのことを不安視する世の風潮を利用して相場の商材にする動きが見受けられます。
平たく言えば危機に便乗して儲けようとしている人らがいると言うことです。
こうした「危機便乗型」の運用をナオミ・クラインは「ショックドクトリン」という本の中で「惨事便乗型」商法と呼んでいます。
危機で儲けることができるとリターンは大きくなります。
今、多少ともニュースを見聞している人たちはユーロには近寄るまいと思っています。
が、ユーロ危機をいち早く言い始めたジョージ・ソロス氏が数年後、その発言通りに危機に陥った金融機関のユーロ債券購入を申し入れたというニュースが少し前に報道されたように、惨事便乗型運用者は目下、ユーロものを購入しています。
逆バリ。
ジョージ・ソロス氏のような百戦練磨の達人は逆バリが当たれば大きいことを運用の過程で知り尽くしているのでしょう。
2001年97円でスタートしたユーロが10年かけて171円まで上り詰め、今また、97~99円になっていますが、これが将来、日本の恒常的な双子の赤字化に伴い、また、倍になるような事態が来ないとも限りません。
運用者は97円で買い、171円で売り、さらに空売りまでして、97円で利確して、また、戻っていく過程でも儲けるのです。これでもとでは倍々ゲームです。
ある時は株で。
ある時は通貨で。
倍々ゲームが繰り広げられています。
安値を買わず、高値を買い、
それをまた、安値で売ってしまうのは心理操作されている大衆です。
安い時に買えないのはなぜなのか?
何がためらわせているのか。
それは妥当な理由か。
一度、ゆっくり検証してみるといいですね。