ああ、夏の雲 | よしだよしこ here now

ああ、夏の雲

 旅の途中にひとやすみ。京都大学農学部のヒマラヤスギ

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7月7日鶴ヶ峰「陽のあたる道」にて。

どこか高原にあるような地名の鶴ヶ峰。これまで何度も来ているのに由来を調べたことはなかった。

鎌倉時代の歴史書吾妻鏡にも鶴峯と記されているらしい。横浜に鶴が飛来するかなあ。。。それはすこし怪しいかな。。。

「水流」と書いてもツルと読む。どうやらこの地域を流れる川~二俣川などとその近くの小高い丘の地形から「水流のある峰」ということで、ツルガミネ。鶴という特別感のある文字を当てたのか。。。

そして、私にとってツルガミネは「陽のあたる道」という小さな明るい珈琲店。

年に一度、この店の「小さな音楽会」で唄わせてもらう。

私は10年目。小さくて大切な場所、大切な時間。

店主夫妻のWANさん、どんべぇさん、わたしでナターシャ―セブンの「どこにいればいいんだろう」

三人でハモるシアワセ!終わってから、オリジナルのナターシャの音源を聴き圧倒されました。また来年、一緒に唄わせてください。

 

7月13日大阪枚方ワークショップ虹にて。

「虹の王国」という曲をつくったのは今から27~8年ほど前です。当時の我が家は小さな平屋の借家で、トイレも水洗ではなくて、外壁もトタン張り。それでも大家さんが良い人で、敷地内で取り壊す予定の小屋のようなこの家を私たち親子に貸してくれて本当に助かったのです。息子の友達が遊びに来ても楽しくいられるようにと、色とりどりのペイントをしたり、小さな庭にバーベキュー台を煉瓦でつくったりしました。ちょっと頑張ったなあ、、あのころ。

虹の王国という歌は、そのころのやみくもに頑張っていた私の想いのままに作ったもので、まだ人前で唄うなんて思っていなかった。

この歌のおかげで、後年、枚方にある障碍者福祉施設「であいの会」の運営する「ワークショップ虹」で唄わせてもらえるようになったと思っています。そういう不思議なであいです。

最初は手探りでしたが、10年になるあたりから入所者の「虹の若者」たちと少しずつ歌でリズムで交流できるようになってきました。今では私の歌をすっかり唄える人がいます。

今回は率先してアンコール曲「月の庭」に太鼓をたたいてくれたひともいました。ゆっくりと静かな曲ですが、段ボールの太鼓をたたいてくれる気持ちが嬉しかったです。

であいの会は、「死ぬまで地域で生きていけるために」というあたりまえだけれど、現実社会ではまだまだあたりまえでないことを実践する人たちです。

ここには音楽が溢れています。

 

 

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           旅の途中、ここは京大吉田寮

        玄関を入ると電機炬燵と大きな拡声器!

 

 

7月14日大阪桃谷マルコハウスにて

梅雨明け寸前、なんとか雨にならずでしたがサウナのような湿度です。暑い中足を運んでくれた人たちで部屋の中はぎっしりです。私もそれにこたえてセットリストぎっしりです。まだ唄い足りなかった。。。

昨年ここで唄った直後に、マルコハウス店主マルコさんがコロナで入院しました。重症でした。今年こうして元気なマルコさんのまえで唄えてよかった。

恒例の平田典子ママのバースデーケーキ、今年は足りなくならぬようにとマルコママは二つ焼いてくれました。一気にロウソクの火を消す平田のママ、元気だ。

ここでは終わってから、残った人たちと、歌の話になります。

自分で唄う人の割合の多いところです。今夜も良い歌をいくつか聴きました。この店では、そういうことが自然にできます。マルコさん、元気でね、また来年!

 

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       暑かったから外には座りたくなかったけれど

            イノダのテラス。蚊に刺されそう。

 

7月15日福井 めん茶房さえずり にて

大阪からサンダーバードに乗って敦賀まで。

この列車に乗るのは久しぶりで旅行気分になります。

敦賀は福井新幹線の開通で駅とその周辺はずいぶん様変わりしていました。でも駅前通りを少し行くとお馴染みの街並み。

MWFマスミ&フォーキーの二人が準備をしてくれた場所は、蕎麦屋さえずりの店主が自前で設えたステージ。照明、カメラ、音響、素晴らしくて、ビックリ、もったいないくらいです。

越前市の平ちゃん、富山のKINYAくん、神奈川から駆け付けたらんぶりんまっく。MWFとは一緒に唄い、まっくさんにはマンドリンを弾いてもらいました。ステージ脇にはライトを持って誘導してくれる人あり、ステージ背後スクリーンには、ロータスの花の写真、再度のモニターには写真と唄う自分が写っています。沢山の方々が集まってくれたのはMWFの二人が行く先々で声をかけてくれたからです。

翌朝は、私を京都まで送ってくれるという二人。遅い昼ご飯になりましたが、京都イノダ本店本館にて。

三人で、「ここにいるお客さんの中でどれだけの人《「珈琲不演唱》知って来ている人たちなのか?」遊びをしました。

入ってくる人たちごとに「あっ、あの人たちは絶対!あの若いのも以外にそう!」

そのうちマスミさんが、ウエイターさんにまで「コーヒーブルース」知ってますか?というどっきり質問。その若い人は「知りません」でした。

一人じゃあ、今更そんなこと気取ってできないよ。

ありがとうMFW!

夜は、京都に遊びに来ている友達と河原町で晩御飯を。

思いがけない京都の祇園祭宵宮の夜でした。

 

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7月19日大阪天王寺立ち飲み「あ」にて。

すっかり梅雨も明け、今日は初めて歌う処。天王寺「あ」

開店して2か月。立ち飲みというけれど、カウンターには椅子があり、そして音を出してみればよい響きです。一年かけて手作りの内装した店主夫妻もミュージシャンです。夫のげんちゃんは美味しいものをつくります。賄もリハーサル終わってすぐに、そしてライブ終わってからもたっぷり。賄だけれど、いる人たち皆で食べます。神戸からじゃんぼさんがマンドリン持って。。じゃんぼさんのお兄さんも。お兄さんは、この店の妻の明ちゃんとバンドしていたのだそうです。良い人たちが聴きに来てくれました。

暑い中皆さんありがとうございます。店を紹介してくれて送り迎えマイケルありがとう!

 

 

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7月20日大阪石橋 朝日楼にて

この店も初めてです。

店は古くからあるようですが、代替わりをして、掃除もして、という。中に入ってみればよいステージです。客席スペースと、立ち飲みスペース。程よく埋まったところで、気持ちよく沢山うたいました。

途中、ダルシマーで座ったついでに、そのままギターを抱え

「あなたの船~僕の倖せ」を唄いすっかり入り込んで、、では最後数曲立って唄おうとギターストラップを持った瞬間に、ギターがするっと落ちてしまいました。、全身が凍りついて硬直しました。

チラリと裏をみるとかなり壊れてしまったけれど、そのまま3曲、そしてアンコールはアカペラに変更。

店長ヒッキー氏によると、このステージで同じ人が2回もギターを落として壊したそう。

なんとなく、誰かが悪戯をしにやってきたような気配もありました。だれかな。。。朝日楼。。。

以前も同じように落として大けがをさせてしまったことがあるのでストラップには気を付けてはいたのですが、確認が甘かった。

明日のライブどうしよう。。。で、共演の人に借りる連絡をして、ほっ。明日は満月。

 

7月21日富田林 トキヲコエテyaya にて。

十三のホテルまで迎えに来てくれる方あり、ほんとうに助かりました。

そしてギターは共演の鴨川コンバースのショウボウさんのものを使わせてもらえることに。

トコノンと鴨川コンバースデュオ同士、リハーサルの前後はなんとなく高校の夏休みの部室のような雰囲気です。近所に住む長田TACOも楽器を持ってきてくれ、久しぶりに二人の音も聴いてもらえました。

この場所は普段は朝から障がい者福祉の作業所としてお弁当を作っています。代表の奥野さんは朝、昼、夜、働き通しですが、音楽が大切なのだと思います。

満月の夜に皆で最後に「月の庭」をうたいました。奥野さんはリコーダーでソロを見事に吹いてくれました。素晴らしかった!

そして会場のほとんどの人が参加する打ち下げの料理も愛がこもっています。

 

 

7月22日ホテルをチェックアウトして新幹線で帰ろうと時刻表を見るためにスマフォを開くと、Facebookの友人の書き込みで、新幹線の運休、復旧のめど立たずのニュース!

運よくホテルにいたのでそのままもう一泊がスムーズに取れました。明日動いてもきっと混んでいるだろうから、切符を買いなおさなくちゃ。私はジパング倶楽部の3割引きをつかっているから、みどりの窓口に行かないとならない。

新大阪の窓口は絶対混んでる。地元平田ママのアドバイスで大阪の次の塚本までバスに乗っていってみると、小さな窓口はひっそり。駅員さんにここにきて正解でしたか?と聞いたら笑いながらうなづいていました。

月曜日なので同じ目に遭っているミュージシャンが何人もいたはず。途中で松田のアリさんから「どこにおるん?お茶でもせえへん?」というメールが来たけれど、私はこの機に吹田の叔母の顔を見に行く途中。アリさんにも、塚本の窓口を勧めて、久しぶりに叔母と従妹の暑中見舞いができました。

翌日は始発から平常運転、なるべく早い新幹線にしておいたけれど、ほぼ満席。

しかし、昨日のパニックがまるで嘘のよう。何事もなかったかのように粛々と運行している新幹線、少し不気味に感じました。

 

   帰宅すると岡山の友達からの夏のプレゼント。

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7月30日吉祥寺 曼荼羅にて。

「築秋雄の希望の翼エピソード92」

久しぶりに呼んでもらって、曼荼羅で唄えます。

築さんは最近チェロの星衞さんとやっていて、これはとても良いアンサンブルです。

私と3人で「崩れ落ちるものを感じるかい?」もチェロが入るとずっしりと厚みが増して唄っていてとても嬉しかった。

築さんはいつも真っすぐな想いで、かなり大袈裟に私を紹介してくれるので、くすぐったいのです。今夜は「日本のジョーンバエズ」と紹介されたので直球には直球で応えようと一曲目は「She said NO!」から始めました。そうしたらなんだかどんどん楽しくなってしまって、最後に17分くらいの長尺の曲をはじめてステージでやってしまいました。

「クラウディオさんの手」という歌、これからもっと歌えるようにしていきたいです。

築さん、声をかけてくれてありがとう。

 

 

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7月31日家からは少し距離のある綾瀬のほうへ。

広瀬波子さんが案内してくれて、中川五郎さんと三人で、真っ黒毛ぼっくすの大槻ヒロノリさんのお見舞いに行きました。

6月に脳出血で倒れ緊急入院して、今はリハビリ病院です。

波子ちゃんの最初の話では、状態はかなり深刻と聴いていたので、五郎さんと「会うのすこしドキドキするね」といいながら。

しかし、ベッドのそばに三人で行くと、大槻さんはとっても嬉しそうに自分で起き上がろうと。

車いすに乗せてもらって、ホールで話ができました。

言葉も発せられないと聞いていたのですが、

開口一番

「これから、みんなで呑みに行くんですか?」

いつものちょっとひがみっぽい口調の大槻さんそのもでした。スマフォを持たされていないから、自分に情報が届かないことを何度も気にしていました。

歌を創ることと、バンドすることと、恋とお酒の人だもの気になることがいっぱいだね。

でも大丈夫、今日会って確信しました。ステージにいる大槻さんをイメージできました。

リハビリの日々はまだ長いと思うけれど、波ちゃんはじめ真っ黒毛のメンバーや若いミュージシャンたちに熱烈に愛されているんだもの、彼らの祈りが大槻さんの回復を早めているのだと感じました。

 

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