2023年7月20日(木)に、富士急ハイランドに新しいコースターがオープンしました。その名も、
「ZOKKON(ぞっこん)」です。
なお、コースターのメーカーは「インタミン社」とのこと。よく見ると車両の土台や一番後ろの追突防止バンパー、安全バーの形が旧・サンダードルフィンやカワセミと同じなので、気付く人は気付くと思います。
2011年の「高飛車」以来、12年ぶりとなる待望の富士急ハイランド大型コースター、なのですが
・日本初のバイク型とはいえ、同型のコースターが(世界的に)それほど評価されたものではない
・コースターとしてもスペック的に特筆するものがない(※今回はギネスブック認定の記録等はなし)
・タイトルの「ZOKKON」も「ええじゃないか」のインパクトに比べると…
以上の事から凡作とされ一般層の反応も薄く、コースター(遊園地)ファンからも「これだったら、わざわざ開業日(やその直後の土日)に行かなくていいや」みたいな下の扱いを受けておりました。
が、6月30日に追加リリースされたこの発表が、全てを覆しました!
「SEKAI NO OWARI」× 新コースター「ZOKKON」コラボレーション決定!
なんと上記の映像演出時や車両のオーディオシステム(これは今回のリリースで初めて発表された)の音楽が「SEKAI NO OWARI」によるものになり、楽曲も今回用の書き下ろしになるとのこと。凄いコラボの実施と共に、このコースターの注目度も一気に爆上がりしました。
だからコースター名も同バンド名を意識して「ZOKKON」なのでしょうね。(そうなのか?)
なお、SEKAI NO OWARIコラボが永続的なのか、期間限定だとしたらいつまでやるのか、今後は別アーティストのコラボもあるのか、等は不明です。
正式オープン日は7月20日(木)ですが、6月下旬より一部関係者を対象にした試乗会や内覧会が実施されていました。
内覧会時では肝心の「SEKAI NO OWARIによる音楽」がなし(※)だったので
はっきり言ってつまらなかったですが、正式オープン後は改良されたと思われます(後述)。
※音楽がないのは権利的な問題で7月20日(正式オープン日)きっちりに解禁するからと思ったのですが、どうも曲のチューニング(調整)に時間がかかったようで、本当に開業日前日ギリギリに完成したらしいです。「SEKAI NO OWARI」のメンバーも実際にZOKKONに何度も乗車して、コースター乗車時の曲の聞こえ方をチェックしたとのこと。
ちなみに、現地にはアーティストの顔写真どころか「SEKAI NO OWARI」のセの字もございません。これは、同レーベルが権利関係に厳しいのが関係してると思われます。
上記のエントランスの左には巨大モニター、そして右にはテストライド兼フォトスポットがあります。
待ち列はコース周辺を通り、その先に屋根があるところに出て、混雑時はここをジグザグする感じ?
内部はモニターと、お馴染み?のスロープ。
ZOKKONでは2021年の「ド・ドドンパ」の事故以来に導入された安全確認のプレショーがあるのを前提で設計されていて、受付→ロッカーで荷物を預けた後は「ファイナル・チェックゾーン」と書かれた扉の中で、安全確認の映像を見ます(そして、スタッフによる掛け声の復唱もあります)。
・コースター乗車
走行の様子については、プレス内覧会後に公開されたこの動画が分かりやすい、というかこれだけでコースターの内容が殆ど理解できる、極めてネタバレに近い動画になります。
今はもう"ネタバレありき"で考える時代だからなぁ。
この動画だと、このコースター異様に
遅い のが感じられると思います。
最高速度は73km/hとのことですが、まるでエコドライブをしてるが如く遅く感じてしまう。
しかし、正式オープン後は
非常にスピード感があって、スリルを感じられました。
これは音楽があるからそう感じるというよりは、コースター自体の改良工事を正式オープンまでに実施していて、その結果スピード感が増している気がします。
SEKAI NO OWARIによるオリジナル楽曲は素晴らしく、まさにこのコースターのためだけにあると言っても過言ではない程マッチしてる
という程ではなかったですが、とにかく良い曲です。
カーブでは激しく振り回され、上海ディズニーランドにあるバイク型コースター「トロン・ライトサイクルパワーラン」に似たスリルがありました。
ただ、カーブ以外のアップダウンでは「もっさり」感が否めず、この上昇→バックして逆走は「ああ、下がってるな」くらいの印象。
そして、
後ろ向きから停止→映像演出の後に前方に加速
の演出は流石に酷い。
一応音楽は間奏部分でシチュエーションにはあっているのですが映像がショボく、何より加速じゃなくて前方に押し出し前進くらいで、ぬるっと前に進みます(暫く進んだ先でリニア加速)。
また、バイク型とはいえせいぜい掴まるバーが前の方にあるからやや前屈みになるくらいで、特別感を感じないのも残念な部分です。
全体的に、このコースターの印象はやはりUSJの「ハリウッドドリーム・ザ・ライド」に似ています。良く言えば万人受け、悪く言えばやはり凡作であるとは思います。
コースター初心者や富士急ハイランドの他のコースターがキツい方にとっては、おすすめかもしれません。「ええじゃないか」はともかく、FUJIYAMAも高飛車も最近は振動が大きくてハードだからなぁ。
まぁ・・・ 正式オープン前(内覧会時)では酷かったのが、今の(本来の)ZOKKONはかなり良いコースターになっているかと。内覧会時しか知らないというのは確かにもったいないかなぁ。面倒でも(失礼)、もう一度乗りに行く意味はあると思います。
注意点としては、比較的運休することが多いという点。どうも音響装置の不具合が多いようで、恐らく音響なしでの運行がNGのため、どうしてもコースター自体が休止してしまう事態が多発しているようです。
なお、ZOKKONで使用されている楽曲は、暫く本当にこのアトラクションでしか聞く事はできませんでしたが、後に2024年3月12日発売のアルバムに収録されました。
曲名は「デッドエンド」。デッドエンドは行き止まりという意味もあるので、このコースターの行き止まり→逆走部分のパートもイメージされてるんじゃないでしょうか。
https://x.com/el_drcn_1250/status/1730808089073635728?s=46
あ、後ろ向き→前向きに加速の方か?
フルバージョンはこちら。
ZOKKON乗車中に聞けるバージョンとは、2番が無いだけでなく最後の大サビの序章とアウトロ部分がカットされているなど、多少リミックスされている感じ。フルバージョン先に作って編集したのか、アトラクションバージョン先に作ったのか、どっちなんだろう?
グズってた子供に聞かせたら踊り出したので興味はある模様。いつか一緒に乗ろうね。