かつて山口県に「デッドオアアライブ」という全長1290m世界最長のお化け屋敷としてギネスブックに認定されたお化け屋敷がありました。

2011年8月1日にオープンし、当初は「ギネスに申請中」ではありましたが各メディアに取り上げられるなど大きな話題に。その後11月8日に正式にギネスブック認定となっています。

※なお、当時ギネスブックに「世界一長いお化け屋敷」として認定されていたのは、富士急ハイランド『最恐・戦慄迷宮』(当時の名称、全長900m)ではなく、アメリカ合衆国オハイオ州にある「The Factory of Terror」(約1011m、2011年8月27日認定)であったとのこと。

2011年10月当時、実は私このお化け屋敷を体験しに遥々山口まで行っていました。当時の体験を簡潔にですがまとめます。
(ちなみに前日はUSJの「ハロウィーン・ホラーナイト」、その後大阪から夜行バスで山口まで行き、お化け屋敷体験後に新幹線で帰りました。あの頃は若かった…。)

 

お化け屋敷があったのは「宇部新川駅」から徒歩15分くらいにある商店街「新天町ハミングロード」。いわゆるシャッター街という感じで、日曜日だったこの日も人通りは少なかったです。

 

お化け屋敷は商店街の一番端の廃墟となったビルを丸々利用。

 

・ストーリー
2011年6月19日、宇部市内の小学3年生の女の子「たみちゃん」は、自転車で友達と出かけた時飲酒運転の車にはねられ、治療のかいなく死んでしまった。たみちゃんのお母さんは毎日泣き続け、「どんな姿でもいいから生き返って欲しい・・・」と願った。

願いが叶ったのか、8月1日(月)にたみちゃんが生き返ると夢でみたお母さん…。「Dead or ALIVE」で生き返ったたみちゃんと君は出会う・・・。

現在公開されているのが第一章「絶望の扉」というたみちゃんが現世に戻ってきた(?)話で、12月第二章にリニューアルしました(後述)。


・お化け屋敷本編
最初に行くのは椅子が並べてある小部屋。そこでスタッフからルールを聞き、順番に中へ案内しお化け屋敷スタート。最初はスタッフと共にトイレ(前述のようここは廃ビルを改装したものなので、作り物ではなく本当の廃トイレで、独特の雰囲気がある)へ行き、線香をもって「たみちゃん」の供養へ。扉の脇からたみちゃん本人(アクター)も脅かしてきました。

 

その後、1階はパーディションで区切られた通路を進み、基本的に至る所から現れるたみちゃん(アクター)を交わしつつ、時にはたみちゃんと会話して先に進む方法を探りながら進みます。たみちゃんの回想ということでたみちゃんを挽いた車や、病院、お葬式などのシーンが展開。ただ進むだけでなくどちらかのロッカーを開ける、指定されたデシベル以上の大声を出す、たみちゃんがやってみたかったというスロットゲームをやる、風船だらけの部屋で風船を割らないように進むなど、そこでの結果によって演出が違ったりします。 1人人で入ったのでありませんでしたが、サイコロを振って誰か一人生贄として別の場所に行かされ、他の人々は助けるために何かするというのもあったようです。

 

続いて2階に進む。雰囲気は1階とほぼ同じですが作業とかはあまりなくどちらかと言うと脅かしに重点を置いた空間。実質お化け屋敷はこの2階まで。

 

最後の3階「フェアリーゾーン」はレザーとミラーボールが輝く幻想的な空間。ここでは賞金獲得を目指したゲームをプレイできます。ゲームはカード当て(運勝負)やお化け屋敷に関するクイズ、箸で小豆掴みなど。7つのゲーム全てクリアできたら商品1万円が貰えました。他にも歌詞を見ずカラオケなど企画はいっぱいあったようです。

 

最後はエレベーターで1階出口まで行き、終了です。所要時間は入口看板では約45分とありますが、最初の部屋での説明・順番待ちとかをいれると1時間弱くらいかかったと思います。

 

1290m、時間にして1時間弱というハイスペックながら随所随所に仕掛けやゲームがあって飽きさせず、しかもそれが一つのテーマにまとまって充実しており、怖いだけでなくゲームのよう冒険している感じで楽しいとも感じました。お化けとコミュニケーションを取りながら進んで行くというのも良かった。

 

ただし、スタッフやアクター等の接客態度とか見てると商店街・地域活性化とはいえ、町内祭りか何かの出し物の延長って感覚でやってるのかなって気がした。お客さんは地元の小中学生しか来ていない感じでした。

 

 

〇その後の展開
前述のよう、2011年11月にギネスブックに「世界最長のお化け屋敷」として正式に認定された後、同年12月に第2章としてテーマを一新してリニューアルされました。
宇部のお化け屋敷「デッド・オア・アライブ」がテーマ替え-和人形で恐怖演出
 

翌年2012年9月2日を持って閉店。その後は各地域へキャラバン的にお化け屋敷開催を行い、3年後を目途に山口に帰ってくると発表されました。1年後、2013年8月に広島県の生口島のイベントにて、同社主催と思われるお化け屋敷が出展。
 

しかし、その後は開催等の音沙汰がなく、2022年8月現在、公式サイト(商店街のホームページやお化け屋敷のホームページ)も削除されており、ツイッター等のアカウントもなく、運営の動向は全く不明となっていました。

 

そして…

閉店から実に10年、長い沈黙を破り2022年8月6日(土)より、山口県山陽小野田にある商業施設「おのだサンパーク」にて、復活開催となりました。(8月28日まで)

 “伝説のお化け屋敷”復活 -山口新聞
 

当時運営に携わった山陽小野田市の総合建設業「進栄建設」の社員が関わられているようです。