「真夜中の晩餐会」(イマーシブ・フォート東京)
2025年4月25日(金)より開始となった「イマーシブ・フォート東京」の新作、体験型演劇「真夜中の晩餐会」に行ってきました。本格・豪華ディナーが付きの演劇がメインですが、与えられた役割で個別の異なる体験が多数用意され、自由に散策してアクターを追うシーンなど、様々な演出が用意されています。また、イマーシブ・フォート東京の集大成と言うべき作品で、過去あった物を含めてこれまでの本施設のアトラクション・ショーの各要素が詰め込まれており、それらにより深く没入(イマーシブ)ができるのも魅力です。今回は2月28日までに(3月1日以降の)チケット購入者向けに行われた先行販売で、公演初日のチケットが購入できました。初日のチケットは早々に売り切れたため先行販売でないと厳しかったのと、お値段も19,800円(通常24,800円)と5,000円も安くてお得でした。 ???「初日のチケット購入するなんて、あなたがイマーシブフォートにこんなにもハマるなんて思いませんでしたよ。」受付・入口はこちら。以前は閉鎖されていた、3階へ続くエレベーターがある通路入口です。受付後はこの通路を通って、左側へ。まずはここのバーで、誓約書の提出や有料ドリンク購入等の手続き、そして晩餐会の招待状を受け取ります。棚には、あの新聞もある・・・招待状は1人1人異なり、中にアイテムが入っている事もある。というか色も2種類あるような・・・?招待状に書かれている名前は中で聞かれる事もあるので、覚えておくでいいでしょう。全員の手続きが終わったら、スクリーンにてストーリーの序章を聞き、キャラクター達が登場。晩餐会を主催するジルベール家のメイド達の案内で、2つのグループを分かれて屋敷へ向かいます。以降、私は上記のように招待状が白色の、後発グループでした。途中で暗い森を通ったり、そこで異様な出来事に遭遇したり、色々な事が起こりましたが、屋敷前に到着。なかなかに不気味な場所。あの石壇は何だろう・・・? ヴァンパイア(吸血鬼)でも封印されているのかな?なお、メイン会場であるジルベール家の屋敷は、かつてアトラクション「第五人格」があった場所で、上記の庭もアトラクション待ち列に使われていた所です。執事長によると先に行った筈のグループはいなく、私達が一番先に着いたとのこと・・・?晩餐会の準備に時間がかかっているため、招待状に入っているルームカード(星座)の部屋で待つように言われます。暖炉がある素敵なロビーを抜け、ホテルみたいに左右に部屋がいくつも並ぶ通路へ。案内される部屋によって、体験できる内容が違います。私の部屋ではいきなり物語の革新に迫る演出がありました。暫くしたら、晩餐会の会場に案内。ここからは写真撮影OK。到着していなかった筈の先発グループの方々もいつの間にか合流。会場を始め、屋敷は非常に豪華な内装で、こんな晩餐会に招待されるなんて、なんかお金持ちになった気分でしたね。晩餐会はジルベール家の令嬢「ソフィ・ジルベール」と、彼女の幼馴染である青年「リューク・モルガン」の婚約のお祝いの会。ソフィの父、ジルベール家の当主「ローラン・ジルベール」の挨拶で、まずは乾杯があります。乾杯のスパークリングワイン(ノンアルコール)は、テーブルにあるシロップを入れる事で、色が変化するサプライズ。あれ、色が違う人もいる・・・?各テーブルにはキャラクター達も座っている。各テーブルを回って、話しかけてくれる事も。本作には多くのキャラクター達が登場し(公式サイト等に紹介されていないキャラクターも多数)、全て把握するのは困難ですが、物語の中心は前述の令嬢「ソフィ・ジルベール」と婚約者「リューク・モルガン」、そして青年「ルイ・ヴァンサン」。あとルイの兄「クロード・ヴァンサン」、この4人を抑えておけば大筋が理解できると思います。 ソフィとルイ、実は2人は幼い頃に会っており、そして今も互いに惹かれている。ソフィはリュークを嫌っている訳ではないが成り行きで婚約したという意味合いが強く、本当の心はルイに・・・。晩餐会の料理は前菜(鯛のカルパッチョ)、メインディッシュ(肉 or 魚)、デザート(チョコムース)、パン。本格的で美味しいですが、量は少なめかも。前菜が食べにくい事もあり、私のテーブルマナーは大丈夫か心配でしたが、そんなに格式高い雰囲気ではないので、気張らなくて大丈夫です。それに少なくとも、もうすぐ2歳になる息子よりは綺麗に食べれていたかな。(当たり前である)あまり知られていないマナーとして、「手はテーブルの上に常に出す」というのがあります。銃などを隠し持っていないことを示す、欧米のマナーとのことです。晩餐会の終盤には、ソフィによる歌の披露。彼女の華麗な歌声も、重要な演出に・・・。食事が終わった方から、10分ほど屋敷を探索する機会が与えられます。なお、ここから写真撮影は禁止。これはただの散策ではなく、各所に登場人物がいてそれぞれ物語が展開される、イマーシブシアターが開始されます。なので、参加するためにも食事は早めに食べた方がいい。私は、隠し部屋でローラン(ソフィの父)と「クロード・ヴァンサン」(ルイの兄)の衝撃的な会話が聞ける、結構レアなルートでした。時間がきたら会場に戻り、最後の演目としてダンスタイムが始まります。お客さんも一緒に踊る機会があります。社交ダンスができなくても、演者さんの動きに何となく合わせれば大丈夫。なお、ダンスの曲は、チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」より、「花のワルツ」という曲。パロディウスとかでも使われている非常に有名なクラシックで、たぶん聞いた事ある人も多いはず。ダンスタイムも終盤、突然雷鳴が鳴り響き、会場は真っ暗に。そこでついにこの晩餐会の真相が明かされます。ここから先はネタバレになってしまうため大まかな概要のみに留めますが(※それでも多少のネタバレあります!)、本作のテーマは上記のメインビジュアルや写真等で既に多くの方が察している通り、吸血鬼、ヴァンパイアに纏わる物語です。 ※「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場する「黒埼 ちとせ」、吸血鬼の末裔を自称するアイドル。設定もルーマニア出身、誕生日も吸血鬼「ドラキュラ」のモデルとされる「ヴラド・ツェペシュ(ヴラド三世)」と同じ11月10日。また、演じている声優の「佐倉薫」さんも吸血鬼の末裔を自称していた時期があったとのこと。前述の最初に貰える招待状も、色が白は人間側ルート(後発グループ)、黒はヴァンパイア側ルートで、いきなり大きくルートが分かれるという事になります。後半は人間側ルートとヴァンパイア側ルートに分かれて、それぞれキャラクター達の案内に沿って行動。そして最後は自分達で自由にエリアを動けるシーンがあります。探索エリアは3階も使われています。そう、かつてアトラクション「ジャック・ザ・リッパー」があった所で、一部面影のある造形も残っています。奥にはなんとアトラクションの看板も残っている(処理のし忘れ?で、大意は無いと思いますが)。各所で繰り広げられる、それぞれのキャラクター達の想いのぶつかり合い。決して許されない人間とヴァンパイアの愛・・・。 その他のキャラクターにもそれぞれドラマがあって、人によって色々なストーリーが見れます。最後は晩餐会の会場でエンディング。例によってスッキリしないというか、色々解釈できる含みのある終わり方になっています。本作は体験時間が長く、最初から最後まで濃い演出であったため、初回でキャラクター達に感情移入してしまい、エンディングでちょっと泣きそうになりました。いつも通り最後はタイトル画面がババン!と出て終わるのですが、今回イマーシブフォートのアトラクションにしては珍しく、スタッフロールがあります(人名が英語表記で見にくいけど)。その時に流れている曲は、ヴァンパイアの末裔「黒埼 ちとせ」による「DISCOTHEQUE 」 ※「ロザリオとバンパイア」という吸血鬼をテーマにしたアニメの主題歌。動画最後の「CHU-LU CHU-LU CHU-LU PA-YA-PA」というフレーズが有名なので、知っている人も多いかも。というのは冗談で、本当はショパンの「ノクターン 第2番」という曲です。これも非常に有名な曲なので、聞いたことある方が多いかと。なお、ノクターンとは夜想曲、夜をイメージ・テーマにした曲のこと。現在、SNS投稿キャンペーンが行われており、上記の重要シーンのブロマイドが貰えます。イマーシブフォート堂々の新作、これは確かに凄かったです。ディナーショーの演出ぐらいかと思ったら、上記のように多彩な演出構成で目一杯楽しめました。まさにイマーシブ・フォート東京の集大成、この施設の各コンテンツの魅力が一度に楽しめるコンテンツだと思います(それ故、流石に値段が高いのがネックかな)。前述のように最初の招待状の種類で序盤から物語のルートが大きく異なり、それ以外も体験内容の分岐が多いため、リピート推奨のコンテンツでもある。しかし、何が体験できるかこればかりは運と思ったら、公式LINEの特典で2回目は招待状を選べるとのこと。※選べるのは2回目のみです。3回目以降は選べません。今回でついにイマーシブ・フォートからは卒業かと思いましたが、これはまた体験したくなっちゃうな。でも24,800円のコンテンツを2回やるのは流石にやめチケット確保しました。2週間後に2回目を体験予定。その時、本稿に今回体験しなかったヴァンパイア側ルートを追加予定です。
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- イマーシブ・フォート東京