昨晩のNHKスペシャル
「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」
を見た人は、よくわかる人の行動様式について書きます。
津波が襲来するまでの間に、人がとった行動を集計し分析した番組でした。
ひとの生死を何が分けたか?がポイントでした。
その中で、3つの重要な人が、生物的に持ってしまっている行動様式について
話をしていました。
まず、正常性バイアス
外界の強烈すぎる刺激に対して、理知的動物がそれを、心理で抑制して、
慌てないようにしてしまうこと。
当然、日常性を保護するために生物的に備わった必要な措置なのですが、
これが、マイナス効果を生みます。
「自分は、大丈夫」
こう思い込む衝動が人間には生物的に備わっています。
つぎに、「愛他(あいた)行動」
人間は、結局自分がかわいいのだといった見方もありますが、一方で、
自己犠牲的な援助行動も起こせるのが人間です。
自分自身に危険が迫っているのに、他人を助けようとして、今回、
津波にのまれてしまった人が、多数居ます。
勇敢な行動ですし、この行為について非難はしませんが、この行動を
取ってしまった人も亡くなっています。
これも、人間が生物として備わっている行動です。
最後に、「多数派同調バイアス」
こちらは、自分以外に大勢の人がいると、取りあえず周りに合わせようとする心理状態のこと。
今回、根拠の無い偽情報を、皆で正しいと思い込んで、結果、命を落とした人もいるそうです。
これも、人間が生物として備わっている行動です。
では、この3つの生物として備わっている行動に陥らない為にどうするか?
それは、行動のプロセスを標準化する事と、それを管理する事で防げます。
起きた事に対して、決められた事をキチンとやる事。
そして、それをキチンと管理する事で、生物として備わっている行動に妨げられず
対応が可能となります。今回は、避難できるという事となります。
もう一つ、この3つの悪と戦って、
プロセスを標準化して、管理ポイントを決めている分野が
あるので紹介です。
趣味で、スキューバダイビングをしているのですが、
全ての手順と確認ポイントが、世界中で標準化されています。
海中なので、ハンドシグナルという物を使うので、
言語に左右されないというメリットもありますが、
こちらも、すぐに命に関わるから、プロセスを標準化して、
管理ポイントを決めているのだと思います。
では、標準プロセスと管理ポイントを必ず実施する為には、どうするか?
それは、訓練で意識をあげ、経験で会得するしかありません。
防災訓練を舐めてたりしたらヤバイと言う事を認識しましょう。
世の中で決まっている事は、たいていは、偉い人が頑張って
決めていることです。
津波警報が出たら逃げる。頑張って、逃げましょう。
「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」