きよの漫画考察日記2482 名探偵コナン第31巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...



スーツ


エピソード88「殺意の陶芸教室」の続きから。死体をロッカーに隠していたトリックはこんな感じ。


このトリック、ピンとこないんです。ネクタイピンだけにピンとこないんです(笑)理由はこれでしょうな。

我々が普通イメージするネクタイピンってのはこのクリップタイプなんです。だけどこのタイプでは当然今回のトリックには使えないので…

ネクタイに直接刺すいわゆる「タイタック」タイプのネクタイピンをトリックに使っているんですよね。でもタイタックなんて使っている人ごく少数ですからね、だからピンとこないんだろうな…



次はエピソード89「毛利小五郎のニセ者」まずは被害者が残した1億円の隠し場所に関する暗号から。

暗号自体はいいんじゃないですか。前倒れ地蔵というキーアイテムを上手く活かしてますよね。ただ…これから殺されるかもしれないと恐れている人間が、金の隠し場所を暗号化して第三者に預けてたというのがよく分からん。これが暗証番号とかなら忘れてしまう恐れがあるため紙に残しておくのは分かりますが、こんなところに埋めておいてそれを忘れたりする人はいないでしょ、だからわざわざ暗号として残しておく必要がないんですよね。こんなの残してたら誰かに金を奪われるリスクが増すだけです。


そしてアリバイトリックも看破。


これも現代人にはピンとこないかもしれませんよね。昔は牛乳パックってストローで飲む事が多かったんですよ。だけど環境への配慮からストローレスパックというものへの移行が進んでおり、最近の牛乳パックは直接口を付けて飲むタイプに変わっているんです。だからこのトリックは現代人にはピンとこないんです。

まぁそんなことよりも私が疑問に感じてしまうのは、これから自殺をしようとしていた人間がコンビニで牛乳とアンパンを購入していた点です。しかも牛乳だけ飲んでアンパンには手を付けなかったわけですからね、意味分かんないです。アンパン買ったなら食えよな(笑)


さらに物証も。


いや、これは物証としては弱い。これはいわゆる間接証拠なんですよ、机の上に残った指紋から導き出されるのは「被害者を殺した」という事実ではなく「この人が机の上に乗った」という事実だけですからね。これだけで有罪まで持ち込むのはさすがにしんどいでしょう。



次はエピソード90「網にかかった謎」舞台は海水浴場。

この時代は熱中症ではなくまだ日射病か。懐かしいな…


さて殺された被害者が何故か電話に出た謎はこんな感じ。

いわゆる偶然というやつでした。ただ…昔のガラケーを使っていた人なら分かるでしょうけども、ガラケーのボタンって簡単には押されないですよね。スマホの方がよっぽどポケットの中で誤作動するイメージです。


さて被害者を潮の干満で溺れさせたトリックはこちら。


なるほど、このトリックはなかなか良いのではないですか。ただこのトリックを実行するためには「海水浴場の砂浜に夕方穴を掘る」という作業が必要となってきます。穴を掘り始めてから被害者が溺死するまでの間、誰の目にも付かないようにしないといけませんからね、第三者に目撃されるリスクが高い点がマイナスポイントです。


そして口が滑ってしまう犯人。


被害者の死亡推定時刻が分からないんじゃアリバイ工作もクソもないですわな。やはり完全犯罪を達成しようと思うのであれば法医学の知識は必要なんですね…

とはいえ今回の犯人も立件はなかなか大変だと思いますよ。なんつっても物証が無い。凶器も存在しないし目撃証言も存在しないんじゃ、検事は大変だろうなぁ…


さて今回の動機。

父親の敵討ちですか。まぁまぁ理由自体はそこまで酷くはありませんな。

良い事言うじゃないですか。まぁこの言葉を戦争に向かう兵士に言えるのかと言われたらとても言えないんですけどね(笑)



次はエピソード91「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城①」

こんな人物が初登場。

沖田総司!

マジック快斗の登場人物がコナンに登場する例は多いんですが、YAIBAの登場人物がコナンに登場するのは初でしょうか?まぁYAIBAの登場人物はちょっとコミカライズされ過ぎていてコナンの世界観には合わないキャラが多いからなぁ…


さてまずは倉庫で死体発見。

がしかし死体が喪失。

その後プールの更衣室で再び死体発見。

死体の移動トリックですな。こりゃやりがいのありそうな事件ですw


さて明らかに怪しい人物がいました。

剣道の面、確かに推理トリックには案外使いやすいのかもしれませんね。ここまで顔を隠していても不自然に思われないアイテム、そりゃトリックを作る側からしたら使いやすいですよね…


そして死体移動の謎解きは…


被害者自身が移動したパターンですか、まぁありがちですな。死体が移動するパターンは「被害者自身が移動した」「第三者が移動させた」のどちらかのパターンがほとんどなんですよね。ベーシックなはずの「犯人が移動させた」パターンはあまり見かけない気がします。


とはいえなぜ被害者は死んだフリなんかしてまで犯人の指示に従って移動したのでしょうか?




ほぅ…なかなか悪くはないんじゃないですか。何が良いかというと「剣道の防具」というキーアイテムを余すところなく使い切っている点ですよね。移動の際に顔を見られないようにするために使う「犯人隠匿」のアイテムであると同時に、人形に防具を着させることによって「擬似死体」としても使う…良く考えられていると思います。死体を移動させることにより鉄壁のアリバイが確保できますし、更衣室に移動させたのもシャワーで絵の具を洗い流すため、理に叶ってるトリックだとも思います。

ただ難点は「証拠が残り過ぎてる」という点ですよね。跳び箱の中に隠した防具、さらには血痕、こういったものを警察に調べられる前に隠滅しないといけませんから…


ちなみに。私がここで最も素晴らしいと思ったのは、平次が「血」と言う際に全て「血ィ」と表現されている点です。そうなんですよね、我々関西人は「血」って絶対言わないんですよ、必ず「血ィ」って言ってます。他にも「手」「目」「毛」「歯」のように一音節の言葉を何故か喋れないんですよね、関西人って(笑)エセ関西弁が流行っている中でこーゆー細かいところを表現できているのは非常に好感度高いですね…


さて今回の動機は…

短絡的過ぎませんかね。別に事件の事をバラされたわけでもないし、自分で手を下したわけでもないし…まぁせっかく決まった就職を手放したくない気持ちも分からんではないけどな…


そして平次に襲いかかる犯人でしたが…

「遅かりし由良之助」これは歌舞伎の忠臣蔵で大星由良之助が主君である塩冶判官の切腹に間に合わなかった時のセリフです。大星由良之助ってのはもちろん大石内蔵助をモデルとした架空の人物なわけですが、この「遅かりし由良之助」というセリフが有名過ぎて、そこだけ使われる事があるということですな。



ラストにエピソード92「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城②」

私は神戸育ちです、大阪はもちろん行ったことあります、だけど大阪城って人生で行ったことないんですよね。理由はもちろん明白で、我々には姫路城があるのでわざわざ大阪城「ごとき」を見に行く必要がないからです。こっちゃ世界遺産だからのう!


そんな大阪城知識。

大阪城が世界遺産どころか国宝五城にも入れないのはこれが原因です。正直私は大阪城が日本で最もスケールの大きい偉大な城だと思っています、熊本城や名古屋城よりも上だと思っています、がしかし天守閣が復興されたものであるというのが「歴史的建造物」という視点から見ると致命的なんですよね。だから我々は姫路城を殊更に自慢するのですよ…