さて始まります日本フェザー級タイトルマッチ、挑戦者幕之内一歩vs王者伊達英二!
序盤は一歩が接近戦で攻勢にでます。
有効な打撃を与えるためには打撃面を加速させる必要があるのは当然のことです。野球もゴルフもスイングによって加速させますし、サッカーのシュートもバレーのスパイクも振りかぶることにより加速させています。もちろんボクシングも拳を加速させればそれだけダメージ量は増えることになりますが…超々接近した状態からの一歩のこの打ち方は別方面からのアプローチなわけです。つまり拳を加速させるのではなく、下半身で生み出したエネルギーをそのまま拳に乗っけるわけです。拳を加速させてダメージ量を増やす打ち方は近代的であり科学的、すなわち欧米的という感じがしますが、下半身で生み出した力を拳に伝えるという打ち方は中国拳法的な感じがしますね…
そんなわけで接近戦での打ち合いは一歩有利、離れて戦うという選択肢も伊達さんにはありましたが…
伊達「あいにく退くワケにはいかないんだよ。笑われちまうからな…」
あえて相手の得意分野でねじ伏せる…これこそ男の戦い方です。殺し合いなら別ですよ、殺し合いなら相手に何もやらせずに殺すのが最良のやり方でしょうが、どちらが強いのかはっきりさせたいという格闘技の話であればこういう戦い方もアリでしょう。まぁ相手に何もやらせないという戦い方も強さの証明ではあるんですけどね…
そんなわけで攻めまくる一歩でしたが…伊達さんは一歩の強打をこれで封殺します。
「今から平手打ちするから歯ァくいしばれ!」と言われると、大抵の人は歯を食いしばるよりもスリッピング・アウェーすることを選択してるんじゃないでしょーか。殴られた瞬間に首を捻じればダメージは激減します、そんなことは誰でも分かることだけども、それをプロのボクサーのパンチに対してやるには超絶的な反射神経が必要ですわな…