きよの漫画考察日記882 メジャー第43巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

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お月様

さて聖秀vs海堂は2回裏、海堂の攻撃。だけどもここで天気が崩れます。
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プロ野球では雨でグラウンドが使えなくなっても5回までゲームが進んでいれば試合として成立します。がしかしね、高校野球の場合は7回まで進んでいなければノーゲーム再試合になります。つまり高校野球の方がノーゲーム再試合になりやすいんです。やっぱ職業野球とは違って一試合の持つ重みがデカいからでしょーか?
だけどもこれを逆に言うと、7回まで進んでいれば高校野球といえどもそこで試合は終わっちゃうということ。このルールは甲子園での全国大会においても適用されるので、9回までやれずに途中で雨により試合を打ち切られて敗退した球児にとってこれほど悔しい負け方は無いんよね…
がしかーし!高野連はこのルールに非常に粋な例外を定めてくれています。それは「地方大会及び全国大会の決勝では雨天コールドは適用されず全て再試合となる」つまり決勝戦においてはリードして9回2アウトまでこぎつけてたとしても雨が降ればノーゲーム再試合になります。勝ってる側からすれば「ふざけんなよ!」と思わずにおれん規定かもしれんが、雨で試合が打ち切られて優勝決定なんてのはやっぱ締まらんからねぇ…


さて1回の攻撃と同様、ひたすらスクイズで攻めてくる海堂に対し吾郎が投げた一球は…
photo:03

バウンド投球!これはさすがにスクイズできません!
………これはね、理屈としては可能なプレーだとは思いますよ。実際あの有名な「江夏の21球」において江夏さんが19球目に投げたウエストボールは、打者がスクイズの構えをしたのを見て咄嗟に指先だけでウエストしたものだと言われてますし。
がしかし現実的にはこーいったスクイズの外し方を見ることはないでしょう。なぜならば「投手に反応されてしまうほどに早くからスクイズの構えをするバカはいないから」(笑)

さて聖秀の攻撃。なんとか戦局を打開しようと二塁ランナーとしてバッテリーをかき回す大河、ここで寿也の投げた牽制は大暴投!
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がしかしこの暴投はバックアッブのセンター草野にわざと取らせて飛び出した大河を刺すというトリックプレーでした!
草野球や少年野球レベルだとたまにあります。このプレーとはちょっと違うけども、二塁にランナーがいる時にセカンドとショートが二塁ベースから大きく離れて、牽制はないと油断したランナーの背後からセンターが二塁ベースに入って牽制で殺すというプレーはあります。
でもね、これはランナーが悪いんです。二塁ランナーというものはリードする前に必ず毎回後ろを見ないとダメなんです。それは別にこーいったトリックプレーを防ぐのが目的ではなく、外野にボールが飛んだ時に瞬時に進塁するか帰塁するかを判断するために外野手三人の守備位置を把握しておかなければならんからです。もちろんこの判断は三塁コーチの仕事でもあるけども、やはり一次的な判断はランナー自身がせねばいかんもんやからね。高校野球を注意深く見てると、わざわざ指をさして外野の守備位置を確認してる二塁ランナーをちょくちょく見かけることができますよ。

そして3回裏の海堂の攻撃。吾郎は草野、薬師寺にヒットを打たれ、寿也には3ランホームラン!
実はこの三人、吾郎の弱点である失投を狙い打っていました。
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出てきました問題のキーワード「シュート回転」これはね、野球というスポーツの中でも極めて難解な問題なんですよ…
一般にシュート回転してるボールはダメだと言われています。だけどもシュートという変化球は立派な変化球。これを混同しちゃいかんのですよ。
「シュート」これはもちろん効果的な変化球です。右投手でいうとボールに右回りの回転をかけるわけですな。
これに対して「シュート回転するストレート」これがなぜダメかというと、ストレートを投げてるはずなのにシュート回転してるからダメなんです。きれいなストレート回転ではないがゆえにボールにキレがなく、きれいなシュート回転でもないがゆえに変化の幅も小さい。
だけどもこれだけでシュート回転のストレートはダメと断言することはできないんです。なぜなら今の野球界では「ムービング」や「カットボール」と呼ばれる球が注目されておるからです。この球は何なのかというと「スライダー回転してるストレート」です。シュート回転してるストレートがダメだと言うのであれば、同様にカットボールもダメということになるはず。ここを理論的に説明できて初めてシュート回転するストレートがダメだと言えるわけよね…
これには諸説ありますが一番納得できる理由としては「球筋の違い」というものがあります。右打者からすると右投手のストレートは僅かながら外に逃げていく、逆に左投手のストレートは内に食い込んでくる。これは真上から見た場合に球筋に僅かながら角度が付いているからですが、カットボール系のボールはこの角度を増幅させるのに対しシュート回転のストレートはこの角度を減少させるんです。つまりカットボールは外に逃げるストレートをさらに外に逃げさせ、内に食い込むストレートをさらに内に食い込ませるという性質を有しているのに対し、シュート回転のストレートは外に逃げるストレートの軌道を内に戻し、内に食い込んでくるストレートの軌道を外に戻す、そーゆう球筋を描いてしまうわけです。
スライダー回転のストレートはいいけどシュート回転のストレートがダメな理由が分かってもらえたでしょーか?まぁこのあたりは人によって言ってることがまちまちなので何とも言えませんが、極論を言えば「シュート回転してるなぁ」なんて言えば野球通ぶることができます(笑)


これで4点ビハインドの聖秀は4回表の攻撃、だけどもここで雨が強くなります!審判団はノーゲームを検討しますが…
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サッカーやラグビーは野球と違って雨で試合が中断することはまずありません。どしゃ降りや雪の中で試合してることもしばしば。この違いが生まれた理由も諸説ありますが、イングランド発祥のサッカーやラグビーにおいて、ある日時に両チームが集まって試合をするという約束は紳士間での協定になるんです。雨が降ろうが雪が降ろうが、試合をしないということはその協定に反する非紳士的行為だと考えられていたそーな。だからどんな天候だろうともサッカーやラグビーは試合をするんです。イギリス人は紳士だなぁ(笑)


さて負けてる聖秀としては雨天ノーゲームになる方が助かるはず。だけども試合の続行を要望し続ける吾郎。
吾郎
「ノーゲーム再試合だあ⁉ざけるなよ。おてんとさんのおかげで取られた4点はチャラにしてもらって命拾いしましたってかー⁉」
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名言いただきました「命懸けの男の勝負にリセットボタンはねーんだよ!」
子供の頃ファミスタとかで対戦しててリードを奪うとさ、後半はリセットボタンを相手から死守せないかんのよね(笑)負け試合を一瞬にしてなかったことにできるリセットボタン、便利ではあるもののそれに頼っちゃうと大切なものを見失うんよな…

そんなわけで再開したゲーム、満塁から宮崎が打った打球はボテボテのピッチャーゴロでしたが…
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横浜スタジアムの内野は人工芝です。雨に濡れた人工芝は水はけこそ良いものの、尋常じゃなくスリッピーになってしまいます。雨の中で野球をやらない一番の理由、それは守備のエラーが連発しちゃってしらけちゃうからなんでしょうな…