この第37巻、何が凄いか分かる?キン肉マンはあくまで36巻までで完結やねん。だけども近年、なんと続刊が出たんですよ!
驚くべきはその間隔。普通のコミックスは3ヶ月くらいのスパンで新刊が出るでしょ。だけどこのキン肉マン37巻が刊行されたのは36巻刊行後のなんと22年後!まさに長い沈黙の時を越えてキン肉マンが蘇ったと言わざるを得ません!
まぁ内容は過去に発表された短編集の寄せ集めなんやけども、キン肉マニアにとって22年ぶりにキン肉マンの新刊が出るなんて感動以外のなにものでもなかったからね!
まず最初の話は『ウォーズマン・ビギンズ』!
題名からも分かるように主人公はキン肉マンではありません。こちらのロボ超人です。
そんなニコライ、母親は人間です。
そしてニコライの父親、こっちは超人です。 超人と人間の夫婦は珍しくありません。テリーとナツ子、ロビンとアリサなどなど。その最大の理由は女性超人の極端すぎる少なさでしょうな(笑)初代キン肉マンにおいて、キン肉星関連以外で女性超人が確認できるのはアシュラマンのおかんとバッファロー一族の女性(故人)だけじゃないでしょーか?
さてこのミハイルマン、強さを求めるあまりチェコに渡り自分の身体を機械へと改造してしまうわけです!
つーわけで機械超人となったミハイルマンでしたがナターシャとの間に子供ができます。生殖機能は残っていたようですな。
ところが不思議なことに生まれてきた子供はロボ超人(笑)うーむ、生命の神秘としか説明しようがない。
そーゆーわけでロボ超人として生まれたニコライ。
まぁそれでも仲良く暮らしてたニコライ一家。だけどもある日ミハイルマンのコンピューターが暴走!己の残虐ファイトを悲観したミハイルマンは自爆しちゃうんです!
つーわけで自分の父親が機械超人だったことを知ったニコライ。
ニコライ「…だ…だからそのパーパの血をひく…」 これは衝撃です。バッファローマンのズラ、アシュラマンの螺髪に匹敵する髪の毛ネタです!
そーゆーわけで両親を失いながらも成長したミハイル。
そしてニコライは父のような超人レスラーを目指し、SKGB(超人レスラー国家保安委員会)に入ります。そしてここで用意されたコスチュームを身を通すニコライ…
SKGB職員「そのコスチュームにピッタリの名前も用意してある。ロシア語でヴァイナー・ムシーヌイ!英語名は…」
さてそんなウォーズマン、特殊能力がありました。会った事もない超人の、披露したこともない隠された必殺技を感知するという無茶苦茶な能力。この能力により映し出されたのは…
そしてこれを見ていた男が一人。
さてさて戦争のために利用されてたにすぎないことを知ったウォーズマンはSKGBを脱走。そんなウォーズマンに差し向けられた追っ手は共に励まし合ってきた超人カマーンダス!ここでウォーズマンの氷の心が目覚めます!
うーむ、こーゆーの好きです。個々の超人のバックボーンにスポットを当ててくれるのはたまりません!
さて次の短編は
これも非常にツッコミ所の多い話なんやけども、これはキン肉マン2世の連載から抜粋された短編なんです。なので2世の方で扱うことにします。
そして3つ目の短編、それは
これはね、キン肉マン生誕29周年を記念して書き下ろされた短編です。結構最近に描かれたものであるために、キン肉マンの顔とかは多少違うんよね…
さて舞台はフェニックスを倒して半年後のキン肉マンの結婚式!もちろんキン肉マンの結婚相手はこの子です!
ホルモン・ビビンバ!
完璧にダイアナ皇太子妃をイメージしてるんじゃなかろうか。ちなみに俺のおかんはずーっとダイアナ皇太子妃と同じ髪型をしてました(笑)意識していたのだろうか?
さてそんなキン肉マンの結婚式の列席者達。
ぶははっキン骨マンにイワオ、そしてビッグボンバーズにジェシーメイビアはまぁええよ。問題はスペシャルマンの後ろにいる奴。覚えてる?こいつはキン肉マンの子分怪獣のゴリザエモンです!
これを見て即座にゴリザエモンだと反応できた奴はなかなかのキン肉マニアですな…
さて花婿キン肉マンはどこかというと…地球にいました!
キン肉マンといえば牛丼、そしてキン肉マンの牛丼といえば吉野家というイメージもありますが、それは浅いキン肉マンファンのたわごとです。キン肉マンにおける牛丼とはなか卯なんです。
去年か一昨年の事だったかな、キン肉マン生誕29周年の時にね、吉野家に対しキン肉マンフェアをやらないかという話を制作サイドが持ちかけたそうです。それに対する吉野家側の返答は「株主の利益に直結しないフェアはやらない」というものだったそうな。結局キン肉マン生誕29周年フェアを開催したのはやはりなか卯でした。あの時「なんでキン肉マンフェアが吉野家じゃなくてなか卯でやってんの?」と思った奴は山ほどいるでしょーが、そもそもキン肉マンの牛丼=吉野家という概念自体がアニメにより刷り込まれた誤解なんです。
そして俺は吉野家がいかにつまらねえ会社かという事を再認識しました。吉野家の経営難を助けたのはキン肉マンやろうが!この恩知らずが!
さてキン肉マンが地球に来た理由、それはおそらく結婚式には出席しないであろう正義超人の仲間から結婚プレゼントをもらうため。
ロビン「何なんだ、おまえがそこまでして私たちから貰わなければならないプレゼントとは?」
さぁガチンコスパーリングを引き受けた7人の正義超人、1番手は…
ウルフマン!
ページ数も限られてるので、あっさりとキン肉マンに場外に投げられちゃいました(笑)
そして2番手は…
ブロッケンJr!
普通の超人はキン肉マンと戦うことによって友情パワーに目覚めるんやけども、ブロッケンの場合はラーメンマンと戦うことによって師弟関係が成立したからね…
がしかし!ブロッケン本気です!
ブロッケンJr.にはフィニッシュホールドは無いけれども、それでもベル赤は一撃で相手を殺傷しかねない威力があるからね…
これに対しキン肉マンもガチです!
ブロッケン「オ…オレも初めてくらったが…さ…さすが至高のバスター…い…いい想い出になった…」
誰が何と言おうがキン肉バスターは至高のバスターです。キン肉バスター→ネオキン肉バスター→口裂けキン肉バスター→阿修羅バスター→サイドキン肉バスター→マッスルドッキング→改良阿修羅バスター→ダブルキン肉バスター→アルティメットスカーバスター→ターンオーバーキン肉バスター→アルティメット阿修羅バスター→NIKULAP→マッスルG→マッスルエボルシオンと進化を続けている事自体は、キン肉バスターの至高性を失わせるものではないよね…
さぁ3番手はラーメンマン!
こんなの見せられたら第20回超人オリンピック準決勝を思い出さずにはいられません…
これに対しキン肉マンは…
キン肉マン「あ…あの時の私と同じと思うなぁ~っ!」
キン肉ドライバーをくらって立ち上がった超人はいません。悪魔将軍、ペンタゴン、サンシャイン、ネプチューンマン、ホークマン…決定力はキン肉バスターより上なのかも。
そして4番手はウォーズマン!いきなりのスクリュードライバーからの…
キン肉マンはウォーズマンを倒してはおるけれど、パロスペシャルを破ったというわけではない。バッファローマン、ネプチューンマンという超絶パワーファイターには簡単に破られたパロスペシャルですが、それ以外の超人に破られたことはないんです!
そーゆーわけで…
そして5人目はバッファローマン!4人目でついにギブアップしたキン肉マンに対しここでやめるかと促しますが…
冷静に考えると意味不明な言葉ですが、やはりキン肉マン世代にとってこの言葉は心に響きます!
さぁこれで怒ったバッファローマンのハリケーンミキサーをキン肉バスターで切り返すキン肉マン!がしかーし、6をひっくり返すと9になるんです!
「キン肉バスター返し」と一般に呼ばれていましたが、ここで名前が判明しました。その名も「リベンジ・バスター」!
そしてついに6人目。この男しかおらんでしょ!
ロビンマスク!
キン肉マン「スマートでさして体重もないのに、こいつに技を極められたら最後はテコでも動かない…ああ、一流ってのはこういうことをいうのかって初めて教えてもらった男だ…」
さぁ出ます。ついに出ます。ロンドン名物が!
何なの、この「スラーッ!」って掛け声は⁉ロビンらしくないからやめてくれ~。
そしてこのタワーブリッジでキン肉マンの背骨が砕けます。賢明なキン肉マンの読者ならもちろん分かるでしょーが折れてません。鳴っただけなんです。そしてもちろんロビンもその事を憶えてます!
ロビン「あの時と同じ轍を踏むか~っ!」
新事実判明。「逆タワーブリッジ」だと何十年も思い込んでいましたが、実は「リバースタワーブリッジ」でした!
さてラスト7人目はもちろんテリーマン。この闘いに投げ技なんてありません。ただただお互いに殴り合うのみ!
テリー「その子同士闘わせようじゃねぇか!」
キン肉マン「そいつはいい案だ!絶対に負けはせん!」
そして両者最後の一撃!
殴り合うことで伝わる男の友情…これこそ少年漫画の王道です!
そしてキン肉マンはキン肉星へと戻りました。
バッファローマン「フフフフ、いいもんだよなァ、リングで闘うってのは。スカッとするし、何よりも闘ってる者同士連帯感が沸いてくる…」
アホという言葉は褒め言葉なんだという事実を、関西人以外の奴も早く分かってくれればいいのになあ…
そんなわけでなんとか結婚式に間に合ったキン肉マン。腫れ上がった顔の理由を問われますが…
そして最後の短編、それは『マッスル・リターンズ』!
順番は最後なんやけども、キン肉マン連載終了後8年目にして初めて描かれたキン肉マンの続編がこれやねん。
舞台はフェニックスを倒した5年後に開催された第1回超人究極チャンピオンシップ。この大会のトーナメント表をちょっと見てみましょう。
バッファローマンvsカナディアンマン、バッファローマンvsラーメンマンの試合はちょっと見てみたかったけどね…
がしかし注目すべきはそこではなく右上。なんとティーパックマンが一回戦を勝ち上がってるねん(笑)いったいティーパックマンに敗れた悲惨な超人は誰なんでしょうか?トーナメント表にブロッケンJr、アシュラマン、ネプチューンマン、ウルフマンあたりの名前が見当たらないことからすると大金星を挙げた可能性も⁉
そしてこの大会でウォーズマン、バッファローマン、テリーマンを破り優勝したのはこいつです!
BUKIボーイ!
グレート躰術を使う残虐超人です。そーなんです、このBUKIボーイは超人レスラーではないんです。むしろ超人総合格闘家と呼ぶべきか。ちょうど時代的には総合格闘技の人気が絶頂やった頃なのかね…
さぁ正義超人を総ナメにされて黙ってられないのは肋骨を負傷してこの大会を欠場していたロビンマスク。がしかしそんな身体でリングに上がればロビンの死は避けられない…
そこでこの子が出てきます!
ケビンマスク!
まだグレてません(笑)タトゥーも入ってません。どんな奴でも少年時代は可愛らしいもんです。
さてケビンが助けを求めたのは山奥でみなしご超人クァンと共に暮らす木こり超人マッスル。その正体はもちろんキン肉マンですが…
燃え尽き症候群ってやつですな。
しかしそんなマッスルを立ち上がらせたのはクァンの言葉。
そーゆーわけで栄光の箱を開けたマッスル。その中に隠されていたのは…
戦闘用とか私生活用とかそんなのあったんですな(笑)
そして5年ぶりにキン肉マン復活!
キン肉マン37巻に掲載されてる「マッスル・リターンズ」を読むと明らかな違和感を感じます。それはジェロニモの登場回数、そしてセリフの量が尋常じゃなく多いということ。ジェロニモの扱いが準主役級なんです。こんなの不自然以外の何者でもないです(笑)
これには理由があります。実はね、雑誌掲載時にはジェロニモの所は全てミート君だったんです。だけどもキン肉マン2世の連載が始まって、ミート君はこの時点で冷凍保存されてるはずだろって矛盾が生じちゃったのでね、単行本化に際してミート君の登場箇所が全てジェロニモに書き直されたとゆーわけなんです。
…まぁ確かに矛盾は解消できたけども、その尻ぬぐいに生じた違和感はハンパない(笑)リングサイドでジェロニモが「~ズラ!」「~ズラ!」と連呼してるのを見ると、こいつ人間に戻りやがれなんて気持ちになります(笑)
そんなこんなで決着!
う~ん、やっぱキン肉バスターはええね!たまらんね!
という内容のキン肉マン第37巻でした。これにてやっとキン肉マンが完結!
…と思いきや、これから1年後くらいですかね、なんと38巻が出ます(笑)キン肉マンは永遠に終わらないんです!