きよの漫画考察日記750 ROOKIES第7巻 | きよの漫画考察日記

きよの漫画考察日記

我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

750回記念はこれ!
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お月様

さーて、用賀第一の国松監督を川藤先生が殴ったにもかかわらずまさかの試合続行!

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うーん、名審判です!ルールブックのままに試合を進行し機械的に正確な判定を下す審判が必ずしも優れているわけやないねんな!

さて負傷した用賀第一の角に代わってマウンドに立ったのが…

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木田!
プロ野球で木田という名前で一番有名な選手は木田勇。1980年に日本ハムに入団するや、ルーキーイヤーの成績が22勝8敗、225奪三振、防御率2.28。これは当時としては驚異的。時代は違うけれどもおそらく野茂がデビューした時クラスの驚異的新人やったんです。
だけどもルーキーズ的にいって、この木田のモデルは…
photo:03 
木田優夫でしょな!
巨人→オリックス→デトロイトタイガース→オリックス→ドジャース→マリナーズ →ヤクルトと渡り歩いた木田、現在はどっかのチームで投手コーチでもしてるのかと思いきや、日ハムで未だ現役です(笑)


さてさて状況は7回裏ニコガクの攻撃。7点差を追うニコガクは塁に出た桧山を岡田が送って湯舟がタイムリー!何気にニコガク初のタイムリーを打ったのは湯舟なんです。
さらに今岡が死球、関川が振り逃げ、ツーアウト満塁でキャプテン御子柴!

だけども御子柴は頭が真っ白。ここで若菜からのアドバイス。

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バッティングにおける常識中の常識だけども、実際には打者というものはボールは見てません。80km/hくらいまでの遅いボールなら見ながら打つことも可能かもしれんが、速い球に対しては「ボールの軌道を未来予測」して打っているんです。つまり投手の手からボールが放たれたその一瞬だけを見ているもんなんです。

さて御子柴タイムリー、さらに若菜もタイムリーで続いて一挙4点、ここで打者は安仁屋!

さぁニコガクベンチはホームランをあおりますが…
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女の子はプレッシャーに弱い、これは間違いない。周りからの期待、声援、緊張、こーいったものがことごとくマイナスに働くのが女の子。だけども男はちゃうねん…
川藤「勝負に適度な緊張感は必要だ。あいつはプレッシャーに押しつぶされるタイプか?」
八木
「う…ううん。」
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結果は…
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同点3ラン!
まぁこれはでき過ぎやとしても、プレッシャーに強い奴、弱い奴は見てれば分かる。俺はどっちかというとあんまプレッシャーを感じない人間。爆発物の処理とかできそーな気もするもん爆弾

さて塔子ちゃんめがけて飛んできたファールボールを見事受け止めてくれたのは池辺教頭。

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そーなんです、ニコガクは43年前に甲子園に出場したことがあるんです。その時のセカンドが教頭なんです。
教頭「あの頃の二子玉川学園は…輝いておったよ。野球部はわが学園の誇り…そう汚れなき誇りだったんだ。」
川藤
「教頭先生…野球部が変わったとお考えですか。確かに一時期変わったかも知れません。でもご覧ください。」
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川藤「あと一息です。」
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人間、歳を重ねると必ず出てくる言葉が「昔は良かった」過去の思い出はどーしても美化されてしまうからね…

まぁ過去を懐かしむこと自体は悪いことではない。いけないことは過去を美化するあまりに今を生きている若者を軽んじることよな。「俺が若い頃は…」とついつい偉そうな事を言ってしまうもんやけれども、今を生きている若者達と俺達とは実は何の変わりもない。時代が変わって失われた物は多いけれども、若い世代が生み出した物もたくさんあるということを忘れてはいかんよな…

そんなわけでチーム一丸となって戦うニコガクナインを生徒達も応援し始めるわけです。
だけどね、ただ1人だけ、ここに加わることのできない男がおるんです…
新庄
「こいつらの輪に…」

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安仁屋が頑なに野球をやらなかったように、新庄にも意地とプライドがあるからね…仲間と一緒にいたいと思っても、そう簡単に生き方は変えられません。



さぁ最終回、ニコガク最後の攻撃!ここで川藤先生から一言!
川藤
「俺が野球部の顧問になって一ヶ月ちょい、今日までの間に俺自身色々な事を学ばせてもらった。野球はおろか、およそ団体競技などというものはまるで未知の世界だったからな。とりわけチームプレーの素晴らしさというもの…ワンフォアオールの精神…そして何より夢を持つ事の大切さを改めて学んだ。」

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川藤「東京代表が東と西に分かれるずっと以前の話だ。その激戦区東京代表に我が二子玉川学園が選ばれたんだ。あったんだよ、黄金時代が。」
御子柴「こ…甲子園に…知らなかった…」
川藤「それから43年、時代は変わった…」
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川藤「今ならわかるだろう。先輩たちの血と汗と涙で築き上げた栄光の歴史にお前らは泥を塗ったんだ。」
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川藤「わかればいい。俺はだから償いのために戦えと言ってるんじゃない。俺はお前らに野球を強制してきたわけじゃないし、これからもするつもりはない。反省は絶対必要だが、過去の過ちに固執するのは愚の骨頂だ。それよりももっと大切な事がある。幸いにも人間には誰しも平等に夢を持つ才能というのが備わっている。おまえらは今やっとそれに気づいた。そしてそれを貫くための努力を始めた。それがたまたま野球だった。それでいいと思う。」

川藤「関川の走塁も…」
関川「え?」
川藤
「若菜のヘッドスライディングも…岡田の送りバントも…安仁屋のピッチングやホームランも…湯舟のタイムリーも…御子柴の守備も…今岡の一本足も…桧山のホーム突入も…平塚の…平塚の…お~…スイングも…」

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川藤「おまえらの夢の過程をすぐ側でこうして見届けられる俺はなんて幸せ者だろうかと思う。そしておまえらの夢の達成の瞬間をこの目で見てやる。」
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川藤「しかしそれに気づかない場合が多い。おまえらはどうだ?」

「今おまえらの口からはっきり聞きたい事がある。以前は笑われたがな。おまえらの夢はなんだ?安仁屋。」 

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川藤「ここまで来たからには…なんて言い方するつもりは毛頭ない。初めから勝つ事だけを考えて戦ってきた筈だ。まあ要するに何が言いたいかと言うと…」
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川藤「俺の話は以上!さあ行けっ!」

監督からの言葉ってのは大切でね、単純に選手に「頑張れ」なんていう監督は二流、そして「ここは大事だぞ」とか「リラックスしていけ」とか言う監督は三流やねん。リラックスしろと言われて素直にリラックスできる選手なんかいない、逆に緊張感を煽るだけなんよね。監督として大切なことは選手に実力を発揮させるための人心掌握。そのためなら怒るのもありやし笑わせるのもあり。何も言わないのだってあり。リラックスさせたい時にはリラックスという言葉を使わずしてその心理状態へ持ち込む、そーゆー事ができる人間が一流の監督なんだと思います。

そして9回裏、ニコガク最後の攻撃、先頭は今岡!

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スイッチヒッターと聞いて誰の顔を思い出すかで世代が分かるよな。今の奴らなら松井稼頭央か西岡剛だろうけども、俺達の世代ならこの人でしょう…
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高橋慶彦!
「日本人」最高のスイッチヒッターであったと俺は今でも思う。まぁ「日本」最高のスイッチヒッターとなるとデストラーデやセギノールになってしまいそーやがな…
何が言いたいかというと日本人スイッチヒッターの歴史はまだまだだという事です。スイッチヒッターの本場はやはりMLBにあると言わざるを得ない。通算4,256安打のピート・ローズ、三冠王ミッキー・マントル、史上最高の遊撃手オジー・スミスと枚挙にいとまがないもんな…
がしかしあえて俺が押したいスイッチヒッターはこの選手!
photo:02 バーニー・ウィリアムス!
松井秀喜のチームメイトやったから日本での知名度も高いけどね。なぜ俺がバーニーを押すかというと…
photo:11 俺の使ってるグラブがバーニーモデルやねん!そのかっちょ良さにショップで一目惚れして即購入してもたもんな…


さて今岡は三振、関川がセフティーバントで出塁するも御子柴が倒れて2アウト…頼むぞ若菜!!
そしてここからはROOKIES第65話「We are waiting for…」
ここ、泣きますしょぼんROOKIES史上最高の名場面だと思います!

最終回2アウト一塁、打者は若菜。だけども若菜は手が痺れてバットを持てへんのです…
交代要員なんていないニコガク、若菜はテーピングを巻いてでも打席に向かおうとしますが…

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来た来た来た来たぁぁぁ!
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背番号10、それは高校野球とかならキャプテンナンバーではあるものの、プロにおいてはイマイチの番号です。過去をさかのぼっても背番号10の名選手ってのは張本さんくらいのもん。現役選手でいうと…阿部慎之助くらいか。ちなみに10番は阪神・中日・楽天で永久欠番です。

脱線してしまいましたがついにニコガク10人目の仲間が登場!
御子柴
「は…はは…し…」

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アカンわ、この登場シーンだけでウルッときてまうしょぼんこのユニフォームに袖を通し、そして皆の前に姿を見せる…ただそれだけの事が新庄にとってはどれほど勇気のいることだったのかを考えるとな…


だけども言葉の出ない新庄。最初に突破口を開いてくれたのはやはり…

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若菜「新庄…おまえ…」
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野球のグラウンドというこの場所でなければ他のチームメイトはこれほど素直に新庄を受け入れられただろうか?野球をやってたからこそ、チームプレイというものを学んだからこそ新庄を受け入れられるんよな…

さぁもちろん代打新庄!だけれども…
新庄
「いや。一度は…帰ろうと思った…けど俺はそんなつもりで戻ったわけじゃねー。練習だってしてねーし、こんな俺が打てるわけがねーよ…俺はただ…ただおまえらと…」

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新庄が初めて伝えた「本音」やね。なぜ本音を伝えることができたのか、それはこいつらが「仲間」だからに他ならんわな…


若菜「ゴチャゴチャ言ってんじゃねーよ。仲間が同じユニフォーム着るのは当然だろ。もうおまえしかいねーんだよ。」
新庄「いいのか?こんな俺が打っても…」
安仁屋
「あたり前だろが。他に誰がいるよ。」

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安仁屋「ぎゃはっはっはっはっはっはっ」
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こんな笑い方ができるんよな、新庄も。だってまだまだ高校生の子供なんやから…


そして打席に向かう新庄。そんな新庄は川藤先生に対して…

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この行動の意味が分からんよーな奴と酒は飲みたくねえなぁ…握れば拳、開けば掌やねん‼

つーわけで新庄の打球は右中間真っ二つ!
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塔子ちゃん「でもいつかこうなれるって信じてたよ。先生がいたから。知ってるんだ、男同士ってきっとすごく深いところでわかりあえるんだって。色んな苦しみをみんなで一緒に乗り越えてきたから…」
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塔子ちゃん「いつか、きっと…」
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ぐわあぁ、ここでアウトにするかぁ⁉

でもこーゆー意味で読者の期待を裏切れる漫画ってのが面白い漫画なんよな…

つーわけでニコガクの初陣は敗戦…

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森田まさのり、よく分かっとるよな。男って生き物はね、力を尽くして闘ったにも関わらずその思いが叶わんかった時、自然とこのポーズになってしまうねん…


さぁ落ち込むニコガクナイン。
川藤先生「たまらんだろうなあ。」
塔子ちゃん「う…うん…でも…よくがんばったよね…」
川藤先生「うれしすぎてたまらんだろうなぁ。」
塔子ちゃん
「え⁉」

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悔しくなんてないねん。完全燃焼しさえすれば。
だけども実際の敗戦ってのは力を出しきれずに負けることがほとんど。だから悔しいねん。だから涙も流れるねん…


そして川辺教頭は校長先生のもとへ…
教頭
「まだ心配ですか?いずれまた彼らは野球部の伝統を汚すような問題を起こすと?だから廃部ですか?私はわかってましたよ。野球部の栄光がこれ以上傷つかないうちに…あの輝かしい瞬間を守るために…校長自らの手で葬ってしまいたかったんですね。我々野球部を率いて甲子園出場を果たした…あなた自身の手で。」

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うーん、そーゆー事やったんやね…悪い人ではなかったんや…
校長「私は…愚かだったよ。なぜ彼のようにあの子たちとまともに向き合うことができなかったのか…なぜ彼のように大いに夢を語ることができなかったのか…なぜ…」
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ルーキーズ第7巻、殿堂入りでしょこれは。これを読んで何とも思わん奴なんておらんやろしね…