きよの漫画考察日記624 からくりサーカス第16巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

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16巻、人としていかに生きるべきか死ぬべきか、考えさせられます…

お月様

200年前のクローグ村、フランシーヌを永遠に失った白金は…

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フランシーヌを作っちゃいました。この時白金はフランシーヌ人形の頭部にフランシーヌの髪の毛を移植したんやけども…それが大問題を巻き起こすとゆーか、奇跡を生み出すとゆーか…


そんな訳でクローグ村を滅ぼした白金とフランシーヌ人形。
それから6年後、クローグ村を訪れたのが白銀な訳です。
弟の非道な行為に責任を感じる白銀。なんとしても弟の行為の後始末をつけないといけないが、それを行うには白銀は歳を重ね過ぎた…そこで白銀はクローグ村の生き残りの村人をしろがねに変えることにより後始末に利用することにしたわけなんよ…
白銀
「フランシーヌよ、おまえは天に対する最大の罪人だろう。おまえが信じた神は、自ら死ぬ者を最も嫌っていたはずだから…そうまでして…おまえは私への思いを証明した…フランシーヌ、待たせたなア。一人で地獄はさびしいだろう。こんな外道をする私も、すぐにそこに往くよ。幾十年、幾百年たっても、天は私達を赦しはしないだろう…でもな…でもなア、フランシーヌ…」
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これもね、何気に伏線なんよ。フランシーヌと白銀は天国では出会えない。2人とも罪を犯したから。そしてね、正二とアンジェリーナも2人で手を取り合いながら地獄へと堕ちていってん。この哀しき因果を断ち切れるのは鳴海とエレオノールしかおらんねん!

白銀
「…弟の恋した女を奪って、彼を変えた。女を追いつめて…死に向かわせた…そして…ただの兄弟のいさかいに他人を巻き込み利用した…天は罪人に何も許さない。安らぐことも、死ぬことも…私に許されたことはただひとつ…」
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とまぁここまでが200年前の始まりのお話。ここを理解してないとからくりサーカスの面白みは全く理解できません。白銀、白金、フランシーヌ、正二、アンジェリーナ、そしてエレオノール、少なくともこの6人の人生を把握してなければ最終的にからくりサーカスは理解できんのですよ。
この200年前のお話で人生の全てが明らかになったのはフランシーヌのみ。白銀、白金にはまだまだ秘密の人生があるし、正二やアンジェリーナ、エレオノールの過去はこの段階では全く語られてもいない…壮大なストーリーなんですよからくりサーカスってのは…


さて現代。ルシールの前に現れたのが…

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パンタローネ様!
前巻でもツッコんだが、もう一回ツッコんどこう。お前はどこに乗っとるねんと(笑)

人形を持ってないルシールはもちろんピンチ。そんなルシールを救うのが…

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ミンシア!
一度助けてもらった人間を見捨てて逃げることが絶対にないのは中国人だけにあらず、もちろん日本人もそうだよと言いたいとこですが、全ての日本人がそーだとはお世辞にも言えんよな…がしかしこれだけは言える。神戸人と讃岐人は恩を受けた人を見捨てて逃げ出すことは絶対にないと。地元偏重の意見だと笑いたくば笑うがいいさ、地元愛を叫べない奴らよりはよっぽどマシ。

がしかし奮闘虚しくパンタローネ様はアクアウイタエの泉へ到着。自動人形がアクアウイタエを口にするともはや無敵の存在になってしまうんよ。もう誰もこの人形を止められないのか!

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出たぁ梁師父!
パンタローネ「なんだおまえは。」
「たった今、人形ごときに不覚をとった、凡愚たちの師匠だ。」
パンタローネ「莫迦奴!ただの人間、しかも老いぼれが何をするというのだ。」
「しゃべる木切れがボロ切れを着て何かぬかしてるな。」
そんな挑発するとパンタローネ様に殺されちゃうよ…と思いきやパンタローネを谷底へ投げ捨てる梁師父!強い!

だけどもゾナハ病の梁師父の身体はもー限界。頼みの鳴海も白銀に意識を捕らわれたまま…そこで…
「鳴海、自分が肉体で受けた痛みは、自分だけのものだ。その痛みを思いだせい!」
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鳴海ごとチャイナホーに対して崩拳炸裂!

鳴海
「オレの体が覚えてる、オレだけの痛み…痛えなァ…痛いっスよ…師父。」
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ほい、鳴海復活!

さてゾナハ病の発作に苦しむ梁師父。目の前にはゾナハ病の特効薬であるアクアウイタエ。もちろんミンシアは父に飲むように促しますが…
「ミンシア…私が香港に役者をめざしてゆくおまえを許さなかったのは、私にとって「何かを真似し演じる」という行為がどうしても嫌だったからだ。かりそめの場所へ行き、かりそめの人生を生きる…私はおまえの生き方がどうしても許せなかったのだ。」
「その反面「本物」の寿命は短い。多くの時と努力を費やした割に、すぐ無に帰してしまう。研鑽を積んだ拳法家の人生のようにな…だがミンシア、私は中国人だ…たとえ一瞬であっても、自然の理にかなう「本物」が好きなのだよ。この哀れな犬の如く…生き物の理に外れ、自ら望むことのない目的に生きるような…」
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中国人は本物が好き…まぁ一面においてはそーだろうが、別の一面においては偽物大好き国家でもあるけどね(笑)偽ブランドとかならまだえーが、あの偽ドラえもんや偽キティーちゃんのテーマパークは笑ったにひひ
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クオリティー低すぎて逆に著作権問題とか発生しなさそう(笑)

そんな梁師父、パンタローネにアクアウイタエを飲まさないために自らの身体ごと泉を爆破することに!
鳴海「師父、今行く!早まらないでくれ!」
ミンシア「父さん、やめて、父さーん!」
「どいつもこいつもうるさいな…」
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たしかにそーかもね。年寄りの身体が弱ったからって入院させてベッドの上で死なせてあげることが幸せなことだとは俺にも思えない。人にはそれぞれ選びたい死に方ってものがあるはずやから…

さぁ梁師父に襲いかかるパンタローネ!
「ついに…頭はなでてやれなかったな…でも、許せミンシア…」
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前巻で問題となっていたこの場面、覚えてますでしょーか?
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炎の中、フランシーヌが最後に発した謎の言葉。何と言ったのか、それを知る術はもうどこにも無いけれども、鳴海は思うわけです。きっと梁師父と同じ事を言ったのではないかと…

とここまでがからくり編「白銀・白金」の章。繰り返し言いますがここを理解せずに進むと間違いなく最終巻を待たずに読むのを挫折します。


さてさてここからは幕間。舞台は仲町サーカス。ここでこの2人が出会ってしまうわけです!

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エレオノールとギイ!まさに運命の悪戯。

これがどーにも気に入らない勝。しろがねを意図的に避けるようになりまして…

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違うんです。たしかにね、しろがねをギイに取られた、そんなヤキモチも少しはあるねん。だけどね、勝が1番嫌なのはね、大好きな鳴海兄ちゃんのことを大好きなしろがねが忘れてしまうのが嫌やねん…

そんなしろがね、勝の手を自分の胸に押し当てます。
しろがね
「私の…心臓の音をお聞きください。聞こえますか?ことんことんことんことんと…ギイ先生と旅をしていた幼い頃の私には、その音が「カチカチ」と聞こえておりました。カチカチ…それは私が時計であるかのように、カチカチ…まるで正確な機械のように…それは悪夢。機械の娘が人形を操り、やはり同じ機械人形を壊している夢…でも、大きくなった私はある人から心臓の本物の「音」をいただきました。その人が笑うと私の心臓は嬉しくてことんと高く鳴ります。その人が危ないと私の心臓は悲鳴をあげます。」
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しろがね「そして、ほら、私の本物の「音」がこんなにも早く、熱くなるのは…」
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心臓は人間の体内に血液を送り出すポンプ。そんなのは常識。だけどもそれだけじゃないんよな。感情の変化に敏感に反応する心臓、それがただのポンプな訳がない…

しろがね「お坊ちゃまは私がすべてを忘れることが私の幸せだとお思いでしょうか…私は…おそらく違うと思うのです。人間が人間であるためには、生活を積み重ねること、すべてを自分に受けとめることだと思うのです。私は忘れません。すべてを自分の心臓の音にして、生きてゆきたいと思うのです。」
「しろがねは、あのギイって人、好きなんでしょ…」
しろがね
「はい…でも…それは、」
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「好き」って言葉は意味の範囲が広いんよな。「love」も「like」もどっちも「好き」やかんな…それゆえに使い勝手のいい言葉ではあるものの、意味を履き違えて解釈されると問題になるわけです…