少し前の記事ですが…2024年6月21日の日経新聞の記事で、「IT人材が乏しい中小企業でも導入しやすく、デジタル化を進めやすい。インボイス制度や定額減税の導入などで経理・労務の負担が高まる中、中小企業の人手不足解消につながる可能性がある」と報じています。

 

 

いわゆるクラウドシステムと専門人材を組み合わせて経理や労務などのバックオフィス業務を一括受託する「BPaaS」(ビーパース)と呼ばれるサービスなのですが・・・この記事を読んで、個人的には「ああ、やはりこの形のアウトソーシングが広がるんだな」と1人で妙に納得してしまいました^^;

 


弊社でも某労務ソフトを利用していますが、経理関係はfreeeを利用していて、freeeやマネーフォワードなどのクラウドサービスが経理と労務を含めて一括アウトソーシングをする形をとってきていることに危機感を感じていました。

 

 

具体的には、これまでは社労士や税理士が会計ソフトや労務ソフトを選ぶ立場でしたが、今後は選ばれたクラウドツールと提携した士業を活用する方向にシフトする、すなわち【士業がメインでソフトはサブ】→【ソフトがメインで士業がサブ】へシフトチェンジしていくのだと感じます。

 

 

実際に弊社のお客様でも、管理部の人材の確保ができないため、クラウドツールをまとめて一括でアウトソーシングするという話を聞く機会が増えています。

 

 

また、新規でお問合せをいただく際に、お客様からは「freeeに強い士業の方がよいのでfreee

の使い方を教えてくれることは可能ですか」という相談もあります。

 


こうした変化の背景には、そもそも人手不足の問題があります。

 

 

特に中小企業では、管理部門の人材を見つけるのが以前より格段に難しくなっていると感じます。実際に弊社のお客様でも複数の会社様で管理部の人手確保に悩まれている会社様がいらっしゃいます・・・。

 

 

これをきっかっけに、企業として管理部の人材を内在化するのではなく、可能な限り、アウトソーシングを選ぶ流れになってきているようです。

 

 

ある意味、クラウドサービスの利用が広がり、アウトソーシングが進むということですので、士業事務所にとっては大きなチャンスでもあります!!!

 

 

ただし、価格競争の問題があるため、アウトソーシングをメインにするならば、圧倒的な規模が必要です。こうなると、中途半端な規模の事務所は生き残っていくのが難しくなっていくのかもしれません(実際に、最近は身近なところでも士業事務所のM&Aの話を聞く機会が増えています)。

 

 

しかし、一方ですべての業務がアウトソーシングで解決できるわけではなく、特に難しい問題や専門知識が必要な場合には、専門性の高い士業事務所が求められます。



こうした背景からも、以前こちらの記事にも記載をしていますが、これからの士業事務所は、大規模なアウトソーサーと専門性の高い事務所の2つに分かれていくのではないかと改めて感じます。

 

 

こちらも最近弊社にご相談があるケースなのですが、「〇〇の業務を依頼したいと思って社労士に相談したが、どこでも断られた」という相談が複数ありました^^:

 

 

もちろん、士業の先生側にも得意分野が不得意分野などもあるとは思いますが、わりと一般的なご相談でも受けてもらえない、というケースもあるようですね。

 


 

今後人材に関しては、人手不足を背景に、多様な人材の活用やハラスメント、メンタルヘルスなど、これまで以上に複雑で手間がかかるテーマのご相談は間違いなく増えることでしょう。

 

 

お客様は簡単なところは自社で対応するけど、自社ではできない難しい業務をお願いしたいというニーズはますます増えるのではないかと感じます。

 

 

これに対応できる事務所を目指すことが、大規模なアウトソーシングを受託できる事務所と対比してこれからの士業にとって重要な戦略となるのではないかと思います。