≪ブラジルニュース(マツエ版)≫ 日本語版のみ連載1202 | 私たちの50年!!

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1962年5月にサントス港に着いたあるぜんちな丸第12次航の同船者仲間681人の移住先国への定着の過程を書き残すのが目的です。

≪ブラジルニュース(マツエ版)≫ 日本語版のみ連載1202

 

W50に転送します。 広橋

 

2024年6月23日のブラジルニュースです。(確認6月23日)

 

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みなさん 今日23日、日曜日のニュースを見たのですが、、今日はブラジルのお医者さんがアメリカで執刀した、例の 豚の腎臓の人間への移植手術、についての日本の山中さんの開発された再生技術による豚の腎臓を人間に移植させるべき技術段階を、同年代の将棋棋士・谷川さんと話し合った記事が、YAHOOーNEWSさんに現代ビジネスさん起源として掲載されましたので、ブラジルニュースの 豚の腎臓の人間への移植 関連記事として添付させていただきます。

 

出来事  1 今日のブラジルニュース関連記事。

「20年以内にスゴいことになる」ブタの臓器を人間に移植⁉実は日本が一番進んでいた「臓器もどき」のヤバすぎる研究内容

 

6/24(月) 7:04配信  2024  現代ビジネス (YAHOO NEWS より)

 人生100年時代。平均寿命が上がり続けている現代の日本では、そう遠くない未来に100歳まで生きることも当たり前になっているだろう。そんな時代にいつまで現役を続けられるのか? どんな老後の過ごし方が幸せなのか? 医療はどこまで発展しているのか?   ノーベル賞学者と永世名人。1962年生まれの同い年の二人が、60代からの生き方や「死」について縦横に語り合った『還暦から始まる』(山中伸弥谷川浩司著)より抜粋して、「老化研究の最先端」をお届けする。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由  『還暦から始まる』連載第6回  『「ミニ肝臓」「ミニ脳」を創造! …「認知症の予防にも⁉」iPS細胞に秘められた「莫大すぎる」可能性』より続く

 

iPS細胞が勝手に臓器の形になる

谷川 「ミニ肝臓」「ミニ脳」というのは、iPS細胞から神経や心筋、血液などの組織や細胞に分化して、臓器などに成長したもの、ということでしょうか。  山中 ええ、いわゆる「ミニ臓器」です。いままではiPS細胞から一種類の細胞だけをお皿で培養するので2次元のものしかなかったんですが、いまは3次元の立体的な臓器をつくる試みがなされています。  すごく不思議なんですけど、iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を目の細胞に分化させていくと、勝手に丸くなったりして、本当の目と同じように何層か違う種類の細胞が層構造をつくったりします。  脳も何種類かの細胞がバームクーヘンのように層構造になっていますが、これもiPS細胞が自然にそういう構造をつくって脳組織の一部を再現することがわかってきました。  それをたとえば「ミニブレイン」「ミニ脳」と言ったり、臓器(オルガン)もどきだから「脳オルガノイド」と言ったりします。  その研究はじつは日本が一番進んでいるんです。肝臓のオルガノイドをつくって、肝不全の患者さんに移植する研究はまだ臨床試験まで進んでいませんが、近い将来、きっと実現するんじゃないかと思います。

 

ブタの体にヒトの臓器を  (マツエ注:サイラ 「サイラ」の意味は 読み方:さいら《Center for iPS Cell Research and Application》京都大学iPS細胞研究所 のこと。

 それからサイラの長船健二先生の研究グループが腎臓のオルガノイドをつくっています。腎臓に袋がたくさんできて腎不全になる病気があるんですが、その患者さんのiPS細胞から立体構造の腎オルガノイドをつくると、同じように袋ができるんですよ。  同じものがたくさんつくれますから、異なる薬を一つ一つ試して、袋ができない薬がないかを探すわけです。すでに候補を見つけて、臨床試験が始まりました。  

谷川 ずいぶん速く進んでいるんですね。  

山中 予想を超えるスピードです。本当の人間の臓器をブタの体内でつくるという研究が進んでいます。遺伝子操作によって膵臓や腎臓ができないブタができるんです。  膵臓や腎臓の形成に必要な遺伝子を壊したブタの受精卵の中にヒトのiPS細胞を入れると、補うようにしてヒトの膵臓や腎臓ができる。ブタの臓器の機能や大きさ、形はヒトと似ているんですよ。  これはまだ研究段階ですが、マウスという小さいネズミと、ラットという大きなネズミの間だと、マウスの中でラットの膵臓や腎臓をつくったりということはもうできています。

 

ただし倫理的な問題も

谷川 それを使って臓器移植ができるのでしょうか。 山中 そうですね。将来的には慢性的に臓器提供者が不足している臓器移植に新たな道が開かれることが期待されています。たとえば、腎不全で人工透析が必要な患者さん。毎日もしくは週に3回、数時間の透析を行うのは負担ですよね。  iPS細胞ができて、わずか20年も経たないうちに技術は急速に進歩しています。これからの20年は、すごいことになっているんじゃないかと思います。  もちろん一方で、どこまでやっていいのかという議論はあります。  臓器をつくるこの研究は、もともと東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センターのセンター長だった中内啓光先生が中心となって進めていましたが、日本では倫理的な規制で研究がなかなか進められなかったので、2013年にアメリカに渡り、スタンフォード大学を拠点に研究されています。  サイラの中にも、そうした生命倫理を研究する部門があり、研究を進めながら社会にどこまで受け入れられるのかという議論を並行して進めています。  『実用化の「死の谷」...最先端の治療法の事業化に立ちはだかる「巨大すぎる」障壁』へ続く

山中 伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)/谷川 浩司(棋士)

 

実用化までの「死の谷」

谷川 「臨床試験」という言葉が何度か出てきましたが、臨床試験から実際の治療に応用できるまで、あとどれくらいかかるものなんでしょうか。

山中 臨床試験というのは、新しい治療法や医薬品を開発するために患者さんに協力していただいて、その有効性や安全性を調べる試験のことです。僕は長い長い治療法の開発で、臨床試験はマラソンにたとえると、ちょうど中間地点ぐらいかなと思っています。ここからが後半戦です。マラソンも後半のほうが大変ですし、リタイアする人の大半は後半です。だから、ここからが本当の勝負どころに差し掛かっていると思っています。

マラソンは一人のランナーが最後まで走りますが、臨床開発の前半は私たち大学とか公的研究機関の研究者が行って、後半は企業でなければできません。いまはちょうどバトンタッチの段階です。そこでけっこうバトンを渡し損ねたり、たすきがつながらなかったりすることがあるんです。つまり細胞医療の特徴として、後半になってゴールに近づけば近づくほどお金がかかるんですよ。すると科学的には期待できても、資金が続かなくなったために断念する例がよくあります。

事業化へのこういう壁を産業界では「死の谷」と呼んでいますけど、ここをしっかりバトンタッチできるよう、2020年に僕が理事長を務める「京都大学iPS細胞研究財団」という公益財団法人を始動させて、企業への橋渡しを一所懸命やっています。

 

「臨床開発」というマラソンのゴール

谷川 パンフレットを見ると、「品質を担保したiPS細胞を製造・備蓄し、全国の研究者や企業に公平かつ適正な価格で提供いたします」と書かれていますね。

山中 ベンチャー企業は投資家のお金を集めることがまず大変です。それに比べて大企業はこれまでの実績で資金力はあっても、会社そのものが大きいので、それを維持するためにあまりリスクは取れません。そういうところもあって、橋渡しの難しさを感じています。でもここを乗り切って、できるだけ早くゴールまでたどり着きたいと思っています。

谷川 具体的には、どういう形がゴールになるんでしょうか。

山中 臨床開発のゴールというのは、まず国に製造・販売を承認してもらって、保険適用されるというのが一つのゴールです。でもそれが本当のゴールではなくて、その後、実際に多くの患者さんに投与して効果を見る必要があります。

たとえば、iPS細胞とは関係ありませんが、アルツハイマー病の画期的な治療薬が日米で開発されて、まずアメリカで承認され、次に日本でも承認されて、一つ目のゴールに達しました。ただ、これから多くの患者さんで実際にどれくらい効果があるのかを見極めていかなければならないので、これもまだまだゴールとは言えないんです。