≪ヨーロッパ便り第25便≫ 東海林さんからのお便りです。 | 私たちの50年!!

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1962年5月にサントス港に着いたあるぜんちな丸第12次航の同船者仲間681人の移住先国への定着の過程を書き残すのが目的です。

≪ヨーロッパ便り第25便≫ 東海林さんからのお便りです。

 

マドリッドで最後の朝食をホテルでとっている時、今日で旅行が終わるという気の緩みからか、頭が空白になり自分がブラジルにいる様な錯覚に陥りました。

というのも、出されている朝食の内容が、通常ブラジルのホテルで出されるモノと全く同じで、周囲を見回してもさまざまな人種が、おしゃべりをしながら食べている光景もブラジルのソレと何ら変わりがないからです。

フッと我に返り、「まだスペインにいるのだ」と気付き、「アレー、なぜ錯覚したのだろう?」と考えました。

今回の旅行で訪れた、フランス(パリ)、スイス(ジュネーブ)、イタリア(ベニス、ローマ、ナポリなど)モナコ(モンテカルロ)、スペイン(バルセロナ、マドリッド)の各国で見たモノは、歴史的な遺跡が多くあったり、街々の建物はそれぞれ特徴がありますが、そこに住む多人種の人々とその人波はサンパウロと何ら変わりません。買い物に入ったお店の従業員、レストランのボーイなどの応対は、言葉こそ違え、ブラジルとほぼ変わりがありません。また食べ物は、その街々には名物がありますが、サンパウロで食べれないモノはありません。また街を走っている車も、ほぼブラジルと同じです。という訳で、どこに行っても違和感を感じることはありませんでした。逆に言うと、我々はブラジル(サンパウロ)と言う、世界中(特にヨーロッパ)から様々な人種が集い、実に多様性に富んだ街で、半世紀に亘って日常生活を営んでいる内に、知らぬ間にヨーロッパ文化を身につけているということを実感しました。

 

これから10時間のフライトでサンパウロに向かいます。ワンちゃんに会うのが楽しみです。

東海林