先日とある方が「技法書ばっかりやっていてオリジナルが描けていない。」と話していたので、
技法書好きな私としては、『技法書をやるのも楽しいですよね!』と言ったのですが、
その方曰く、「教本の通りに進めると、それっぽい絵が完成するので楽しい」との事。
そう、これが技法書の良い所!
取り敢えず技法書の指示通りにやっていけば、それなりの絵が完成する。
勿論各自の技術の差はあるが(笑)、それでも何も無いよりかは、道標になる物があるのは有難い。
その上、塗りの技術も一緒に学べるのだから、一石二鳥である。
私としてはもう一点、それはお手本が色鉛筆画だと言う事。
絵で描かれた物を絵で似せるのは、割と易しい。(勿論レベルの差はあるが。(笑))
しかし、写真を見て、絵で写真に似せるのは結構難しい。
どの色を塗れば良いのか?どうやってその色を作るのか?そもそも写真と同じ色は出せるのか?とか、
色々な問題が出てくる。
自分のオリジナル絵を描く楽しさはあるが、これはこれで難しい。まあ、これを難しいとか面倒臭いとか言っているようではオリジナル画は描けないが。(笑)
ただ、全ての人がオリジナルを描かないといけない訳では無いし、そもそも色鉛筆画の行き着く先、最高峰がオリジナル画と言う事でも無いだろう。
【塗り絵が趣味】と言う、塗り絵民が居るように、【色鉛筆画技法書が趣味】って言う人が居たって良いのだ。
そもそも、ただの塗り絵よりも、使う色や塗り方の説明もあるので、未経験者がいきなり「大人の塗り絵」とかをやるよりも、数倍勉強にもなって良い。
「人の作品ばかり模倣していて何になる!?」と言う意見もあるだろうが、
人の作品を描く事によって、その人の技術や作品に込めた思いなどを、直に体感出来る事がある。それが楽しい。
色鉛筆画を始めて早三年。技法書の模写からスタートした私だが、現在でも技法書の模写はやっている。
今は展覧会とコンテストなどの作品作りに忙しいので、しばらく離れてしまっているが、落ち着いたらまた技法書をやりたいとは思っている。
「オリジナル画をそこまで描けるのに何故技法書?」と思われるかもしれないが、理由はこう言った事なのです。
まあ、単純に楽に楽しめるって言うのもあるけれど。(笑)
色鉛筆画の技法書は沢山ある。絵の好みなどはあるだろうが、オリジナルを描かずに、技法書だけを楽しむって言う方法もありなんじゃないか?と思っている。
それぐらい沢山出ているし、これからも出てくるだろう。そんな楽しみ方も全然アリだ。