浅野嘉久公式ブログ -2ページ目

書き洩らしてはいけない事があった。

唯、個人のプライバシーに類する事なので、ワザとらしいが、伏字(ふせじ)を使って追記を送りたい…。

Sの話である。

風の便りに依れば、SASAが潰れた後、どんな伝手(つて)があったのかは知らないが、ハートプランという闇金融で働く様になっていた。

ある時突然、私はSの長兄からの電話を受ける…。

「至急、浅野さんに会いたい」、と言う…。

Sは四人兄弟の末っ子である。 

いつの頃かは忘れたが、ある日、川越駅近くのデニーズで私たちは会っていた。

私たちとは、Sの三人の兄たちと私で、そのある日、私たちはデニーズのボックス席に座っている。

私と全く同い年の長兄が話の口火を切った。

「浅野さん、TSの名前)を救ってやって下さい…」

「………」

Tをあのままにして置いては、駄目になってしまいます」

「………」

Tは浅野さんと一緒でなければ、真面な人生を送れず、不幸になってしまいます」

「………」

Tを浅野さんの処で使ってやって下さい! お願いです!!

こう言って、長兄以下残りの兄たちも揃ってテーブルに手を突く。

「………」

暫く沈黙が続いた…。 

今度は私が口を開く。

「彼は私を選ばず、青木を選んだのですよ?」「今は、ハートプランの井上氏の下で働いているのではないのですか??」……、私の言葉は素っ気無かったであろう…。

だが、Tの長兄は、ひるむ事無く、真剣な面持ちで続ける。

「私たちの知る限り、ハートプランは闇金融です」「あんな処でTを働かせるのは芳しくありません!!

私「しかし、大の大人が自分で選んだのでしょう??

長兄「我々は、弟に正しい物事の判断が出来るとは思えません!」「浅野さん、何とか弟を赦し、救ってやってくれませんか???

Tの兄たちは皆、真剣な面持ちである。 本当に、その一生懸命さが伝わって来た…。

兄たちが、もう一度、口を揃えて言う、「今後は私たちが責任を持ちます。 浅野さん、Tを使ってやって下さい。 本当にお願いです!!

兄たちの情熱に私は負けた。

後日、私はSに電話をした。

「野口で働かないか?

Sの返事は皆さんの予測も外れているであろう、「ハートプランの井上氏には義理がある」であった。

“義理”…、私は耳を疑った…。 Sにも“義理”が分かるのか……、おかしくて悲しかった。

続く、