瀬戸線(愛知環状鉄道線・城北線)に乗ってみた! | よしひろ よしちゃん 鉄道写真館

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みなさんこんにちは!よしひろよしちゃんです。 

今回は愛知県中部(岡崎市・豊田市・春日井市)を結ぶ愛知環状鉄道の愛知環状鉄道線(瀬戸線構想区間)と東海交通事業の城北線をご紹介します。


前回の続きですので、併せてご覧いただければと思います。

愛知環状鉄道線に乗って瀬戸市駅までご紹介しました。

ここでは簡単に瀬戸線のご紹介です。

●瀬戸線とは
愛知県瀬戸市の瀬戸市駅から愛知県清洲市の枇杷島駅及び愛知県稲沢市の稲沢駅までを計画した鉄道路線です。

鉄道敷設法により計画されましたが実行するまでに国鉄は大赤字を抱えてしまい建設できませんでしたが、第三セクター会社の愛知環状鉄道やJR東海などによって建設され、予定区間の大半が開通しています。



★愛知環状鉄道線 瀬戸市駅
それでは前回の続き。瀬戸市駅から出発です。


★愛知環状鉄道線 沿線(中水野駅)
多くの山を通り抜けるためトンネルが結構ある印象でした。関西に住んでいるものからするとほぼ全線高架線で湖西線に似ているように感じましたね。

瀬戸市駅からは終点の高蔵寺まで愛知環状鉄道線を乗り通します。



★JR中央本線/愛知環状鉄道線 高蔵寺駅
岡崎駅から乗り通すと1時間7分前後。
東海道線と中央線経由だと58分で10分ほど余計な時間がかかりますが、乗り換えの必要はなく運賃は愛知環状鉄道線を利用した方が安くなっています。


★JR中央本線/愛知環状鉄道線 高蔵寺駅
岡崎駅の構内で線路は繋がっていませんでしたが、こちらは繋がっていて中央線の一部列車では直通運転も実施されています。


★高蔵寺駅▷瀬戸市駅 普通乗車券
岡崎駅及び高蔵寺駅みどりの窓口では社線単独の乗車券が販売されています。



★愛知環状鉄道線 普通乗車券
そのほか愛知環状鉄道線の駅券売機で切符を購入するとこのような切符です。


★愛知環状鉄道線 乗車駅証明書
無人駅では乗車駅証明書発行機が置かれていました。

瀬戸線建設時の計画では中央本線の高蔵寺駅〜勝川駅間を複々線にして並走する予定でしたが、ここは未開通なため中央本線で勝川駅まで移動です。


★JR東海315系電車
やったー!トップナンバーやないですか!

しかし中央本線の名古屋地区は、ほとんどが315系に置き換わりましたね。

この辺りのイメージは211系電車と313系が併結して走っているイメージがありますよ。






★211系電車
ちょっと前まで、嫌というほど見れた光景ですが見れなくなるのはあっという間ですね。

しっかり記録をしていて良かったと思います。

高蔵寺駅から10分ほどで勝川駅に着きます。






★JR中央本線 勝川駅ホーム
2面4線ではなく2面2線ですね〜
不思議な構造をしています。


★城北線 勝川駅▷枇杷島駅 普通乗車券
勝川駅からJR東海の子会社である東海交通事業が運行する城北線に乗り換えて瀬戸線構想の区間を引き続き散策していきます。


★JR中央本線 勝川駅
城北線の普通乗車券はJR中央線勝川駅みどりの窓口で買ったのでJR乗り場から乗れるのかと思いきやここからかなり離れた場所に城北線乗り場があるんです。

中央本線の勝川駅から6分程歩くと城北線のりばが見えてきました。




★東海交通事業 城北線勝川駅

あれ?なんと中央本線と繋がっていないんです。





★JR中央本線 勝川駅構内
まわりを散策すると中央本線の高架線があって城北線と繋げれそうな構造物があります。

これを見て勘の良い方はお分かりいただけたでしょう。

先程降りた中央本線の勝川駅ホーム。
2面4線に見えたけど2面2線だった謎です。

あの線路がなかった空間はこの構造物を通って城北線が乗り入れる準備工事が既に行われていたのですね。

それでは何故、勝川駅では中央本線と城北線が繋がってないのか。気になります。

実は城北線の所有者は東海交通事業でも親会社のJR東海でもありません。

前回からご紹介している岡多線と瀬戸線構想空間を一度振り返りたいと思います。

鉄道敷設法により岡崎駅〜多治見駅間の岡多線建設が予定され最初に開業したのが岡崎駅〜北野桝塚駅間1970年10月。

続いて1976年に北野桝塚駅〜新豊田駅間が開業しますが、この後に国鉄再建法によって建設が中止したほか、ここまで開業した区間は愛知県や周辺自治体及びトヨタ自動車が出資する第三セクター鉄道会社に1988年移行します。

移行と同時に未開通だった新豊田駅〜瀬戸市駅間と瀬戸線構想区間の瀬戸市駅〜高蔵寺駅間が開業。

瀬戸線も岡多線と同じく鉄道敷設法により瀬戸市駅駅〜稲沢駅間の建設が予定されました。

これで岡多線は全て開業に思えましたが、瀬戸市駅〜多治見駅間が未だ未開通のままで今後も予定はないですね。

今乗ってきた高蔵寺駅〜勝川駅間は従来の中央本線(旅客線)複線と瀬戸線の複線の複々線化する予定だったため土地買収は行われていましたが、ここも瀬戸線としては未だ未開通です。

そして今から乗車する勝川駅〜枇杷島駅間は国鉄分割民営化前の1976年に着工。

しかし国鉄再建法や国鉄分割民営化により1990年、JR東海の子会社である東海交通事業が運営することに決定し瀬戸線ではなく城北線として1991年に勝川駅〜尾張星の宮駅間が開通し1993年には尾張星の宮駅〜枇杷島駅間まで開通し現在に至ります。

この路線を建設したのは国土交通省所管の日本鉄道建設公団(現在のJRTT鉄道運輸機構)でした。これは国鉄が財政悪化しているため計画段階に同局が敷設すると決まったそうです。

そして国鉄から継承された東海道新幹線から多額の収益があるJR東海に城北線の営業をするように国鉄民営化前に取り決められたと言われています。

しかしこれが厄介です。
現在も城北線の所有者はJRTT鉄道運輸機構の持ち物でJR東海が貸付料を払っているのですが管理費や投資費も貸付料に加算されることになっていることから必要最低限の投資に限定して貸付料の支払いを安くしているそう。

つまり直通運転はしない。電化もしない。ICカードも対応しないわけですね〜

なお運行会社がJR東海ではなく東海交通事業なのは運賃を割高にするためだそう。

JR東海の一般路線に適応される運賃形態で経営しては更に損失が出てしまいますよね〜

そのため勝川駅では子供がプラレールのレール繋ぎを途中で投げ出したような構造をしていました。

また終点の枇杷島駅。カレー好きならCoCo壱番屋の発祥地なのでご存じの方もいらっしゃるかもですが・・・

知らない方がほとんどでしょうか。
後ほどご紹介いたします。


しかしこの状態もあと少しだと言われています。

2032年に建設費の借金返済が終わり貸付料の支払いは終了すると所有者はJRTT鉄道運輸機構からJR東海に移管になるため、その後は直通運転などに期待できると言われています。

それでは城北線の勝川駅構内を散策します。







★東海交通事業城北線 勝川駅
1面1線の駅で構内には城北線唯一の車両基地があります。



★キハ11形300番台
車両基地と言っても列車は1両編成2本しか所属していないので本当に簡易的なものでした。

大きな検査の際は名古屋工場まで回送されるそうです。

それでは出発です。周りを見渡すと周辺は住宅地がずらりと並んでいます。

両端駅の構内を除き全線で高架及び複線となっていて乗車していると東海道線の支線のような形で貨物線として役割を担う予定だったことがわかりますね。

しかし非電化路線なんですよ。
先程もご紹介した通り最低限の投資しかしていません。


★城北線 味美駅
役割を取られた自動車道と並走して走ります。




★城北線 味美駅〜比良駅間
自動車道JCTの真下を通り抜けます。
この辺りから名古屋市内に入り車窓からは名古屋駅のビル群も見えてきて大都会です。


★城北線キハ11 車内
1両編成の気動車だけなら大混雑かと思いきや空席が目立ちます。

最低限の投資なので本数も1時間程度と不便で近隣の方は地下鉄など他の手段を使われる方が多いようです。

2032年の支払契約が過ぎれば、本数も増えて繁盛するかもしれませんね。


★城北線 比良駅
列車は名古屋市内最初の駅。比良駅に到着です。


★城北線小田井駅

ここは2面2線が2つ立体交差を想定した駅が造られていますが、現状は2面2線のみ使用しているよう。

駅前には城北線を運行する東海交通事業の本社及び事務所があり各種切符やグッズが購入できます。



★城北線小田井駅〜尾張星の宮駅間
小田井駅を出発すると勝川駅方面の線路が上に上がっていきます。

これは最初にご紹介した東海道線稲沢駅へ線路を繋ぐ準備工事をした構造物です。

瀬戸線は瀬戸市駅〜稲沢駅を結ぶ路線と鉄道敷設法で計画されましたが1962年の審議会で枇杷島駅側にも線路を建設しデルタ線仕様になる予定でした。

しかし城北線建設時には一旦稲沢駅側は置いといて、枇杷島駅側を敷設し未だに稲沢駅側に敷設せず至っています。

次回以降に詳しくご紹介しますが、現在中央本線を走る貨物列車が愛知の貨物拠点である名古屋貨物ターミナルへ行く場合は先程の高蔵寺駅と勝川駅を通って(中)金山駅と名古屋駅を通過して一旦東海道本線に入り稲沢駅で機関車の方向を変えて再び名古屋駅を通過して東海道線の支線である西名古屋港線(あおなみ線)を経由していく必要があります。

また東海道線を走る貨物も名古屋貨物ターミナルへ行く際に豊橋駅方面から来た場合は稲沢駅で機関車を付け替えないと行くことができません。

名古屋駅を必要以上に通る必要があるのです。

岡多線及び瀬戸線に貨物列車が走っていれば、もっと効率の良いダイヤだったでしょう。


★城北線尾張星の宮駅
そして最後の停車駅である尾張星の宮駅に到着。

ここを過ぎると東海道線の貨物支線である稲沢線と合流して終点の枇杷島駅に到着します。





★東海道本線/城北線 枇杷島駅
枇杷島駅は東海道本線と支線の稲沢線が乗り入れ2面4線で、それぞれ1面2線ずつ利用しています。

城北線は稲沢線の線路上にあるため時間帯によって停まるホームが違います。

つまり本線上のど真ん中に他線の列車が曲がりしている状態なんですよね〜

ここでも貨物線として建設予定だった名残がありました。


★東海道本線/城北線 枇杷島駅 駅舎
先程少し触れました。
枇杷島駅ってどこやねん!

名古屋駅から1つ神戸駅寄りの駅です。
しかし普通列車で所要時間は4分。庄内川を渡り名古屋市ではなく清洲市で駅周辺は名古屋駅の隣駅とは思えないくらい閑散としています。

そのため一部時間帯は改札口が無人となります。また2024年2月1日からは「お客様サポートサービス」が導入され完全無人化されるようですね。

★東海道本線/城北線 枇杷島駅 改札口
勝川駅と異なり枇杷島駅では東海道線と城北線が改札内で繋がっています。

この駅の係員さんはJR東海の方ではなく城北線を運営する東海交通事業の方です。この会社はJR東海の一部駅の業務委託も行っていると言うより事実上こちらの委託業務の方が本業なのかもしれません。

ちなみに枇杷島駅はJR東海の改札及び出札業務を委託しているため同会社の社員がいるにも関わらず城北線は無人駅扱いとなっている複雑な駅ですね。


★東海道本線/城北線 枇杷島駅 入場券


★枇杷島駅 下車印
無人化されると入鋏印や無効印そして下車印は貰えなくなるので記念に購入。

なお城北線は全駅無人駅でワンマン運転が実施されていて車内精算となっています。

しかし枇杷島駅にはJR東海と共用の自動改札機がありますよね。



★城北線枇杷島駅 降車証明書
勝川駅と枇杷島駅のJR窓口及び券売機では事前に城北線内の乗車券を購入できるため買ってから乗車しました。

城北線の運転士さんは無効印をお持ちなので、切符の持ち帰りを希望するとハンコを押して貰うことができました。

通常であれば切符を渡すか。現金で運賃を支払います。

支払うと城北線の運賃精算書兼枇杷島駅の出場証を受け取りました。

この磁気券は事前に事務所などで発行されたものだと思われます。

これを持って出場するか東海道線に乗り換えて車内または下車駅で精算となります。


前回にもご紹介しました。
城北線から東海道線に乗り継ぎ後に名古屋駅や岐阜駅などで学割乗車券に買替も可能です。

最後に枇杷島駅に導入予定の「お客様サポートサービス」を見ていきます。


★枇杷島駅 ご案内タッチパネル
精算やICカード処理などをこれまで係員と対面で行っていたものが、遠隔のコールセンターと行うといったサービスですね。

JR西日本をご利用の方なら見たことあるのではないでしょうか。


★枇杷島駅 券売機
近距離券売機は更新されてモバイル端末のチャージに対応していますね。

そして西日本ではお馴染みのオペレーターと話せる券売機がありました。

これすぐ繋がれば、とても便利ですが東海ではどうなるんでしょう。


基本的に無人化されても大丈夫な機械が備わっていましたが、介助や券売機故障などですね。この際は近隣駅から直接対応するとのことで、ここが不安要素になります。

このような閑散とした駅ですが、路線が合流する拠点駅であります。

いつか勝川駅直接乗り入れと枇杷島駅から名古屋直通に期待したいですね〜

2回に分けて岡多線と瀬戸線として開業予定だった愛知環状鉄道の愛知環状鉄道線と東海交通事業城北線をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?わかりにくい説明だったと思いますが、お分かりいただけましたか?

なかなか不思議な路線だったと思います。
2032年以降どのような発展があるのが楽しみですね!

次回は最後に合流した東海道本線の一部で名古屋駅〜稲沢駅間にある貨物線の稲沢線をご紹介します。

ご覧いただきありがとうございました。
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