さようならカニ24(電源車) | よしひろ よしちゃん 鉄道写真館

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よしひろよしちゃんです。

今回は京都鉄道博物館に展示されていた電源車のカニ24形客車が展示終了ということで撮影に行ってきました!

当サイトでも電源車及びカニ24形について何度か触れていますが、詳しく1つの記事にしてご紹介するのは今回が最初で最後になると思います。


★カニ24形13号車
まず電源車及びカニ24形についてご紹介します!

●電源車とは
客車(客室)にサービス用電源を供給するために電源装置を搭載した車両のことです。

集中電源方式と呼ばれ、この方式は1958年10月に寝台特急あさかぜ20系客車が誕生したときに初めて採用されました。


20系客車が登場するまでは運行行程によって客車の編成をバラバラにしていましたが、固定編成化され冷暖房が完備し旅客が乗る客車では発電が行われないため、静かで乗り心地も向上しました。

●カニ24形とは
20系客車の後継として1971年に14系客車が登場しこちらは従来の分散電源方式に戻されますが、翌年の1972年に北陸トンネル火災事故が発生しそれから消火設備などが改良され14系の追加製造は製造されず、14系と電力方式以外は設計が同じ集中電源方式を採用した24系が1973年に登場します。

このとき今回ご紹介するカニ24形が誕生し0番台(1〜25)と100番台(101〜116)の計:41両が製造されブルートレインブームから終盤まで全国各地の寝台特急(北斗星・日本海・銀河・トワイライトエクスプレスなど)で活躍してきました。

つまり当車両はホテルで言うなら機械室(staff only)な場所です!


皆さまもよくご存知だと思います。
新幹線が全国各地で開業し寝台特急は減少して2023年現在、サンライズエクスプレスなど電車運転の寝台列車は少し残っているものの客車運転の定期便はありません。

そのため2010年代後半に電源車及びカニ24形はほぼ消滅しました。


★トワイライトエクスプレス


★トワイライトに連結するカニ24形
比較的最後まで電源車カニ24形を見ることができたのはトワイライトエクスプレスです。

編成の最後尾に連結されることが多く、よく目にした方も多いでしょう!

近づくとうるさくて、会話ができん!
よう覚えてますで〜

トワイライトの場合、電源車の隣に連結していたのは、Bコンパートメントと車掌室やクルー控室でした。


★トワイライトエクスプレス客車
電源車を外すと24系ぽい顔が見えるのですが、普段は前に電源車が連結されているので見る機会はイベントなど非常に少なかったのを覚えています。

トワイライトエクスプレスは新幹線開業による並行在来線の第三セクター化や老朽化により2015年に運行が終了しますが、残してほしい要望が多く翌年の2016年に開業する京都鉄道博物館に一部保存が決まったのです。

しかしこれがまだ複雑な展示方法でした。



★トワイライトプラザ
トワイライト客車5両の展示が決まり、3両は2代目京都駅上家を活用したトワイライトプラザに展示されています。



★トワイライトプラザに展示されている様子
本州で牽引を担ったEF81形電気機関車にトワイライト乗車楽しみの1つであるスシ24形食堂車(ダイナプレヤデス)と先程ご紹介した反対側の最後尾になる一番豪華な部屋を備えたスイートルームのスハフ25形客車の3両が連結して常設展示(静態保存)されています。

残りの2両は車両工場と呼ばれる京都鉄道博物館に隣接する梅小路運転区と引き込み線で繋がった展示スペースです。




★京都鉄道博物館 車両工場
ここにくつろぎ空間で共用スペースだったサロンカーのオハ25と今回メインで紹介しているカニ24電源車のほか旧型客車のオハ46形や2022年10月からは同じく旧型客車のマイテ49形が展示されています。

しかしここは常設展示ではないのです。

先程も少し触れました。
現役の線路と繋がる展示スペースで実際に様々な場所から車両を出張展示しています。

主張展示中は上記展示車両は屋外の留置線などに留置され近くで見ることはできないのです。







★留置される展示車両
つまりここで展示されている2両のトワイライト客車は事実上の動態保存でトワイライトプラザに展示されている3両は静態保存と少し複雑な展示内容となっています。

5両繋いでよ!と思われた方も多いでしょう。
先程も少し触れましたが京都鉄道博物館にトワイライト客車の展示が決まったのは開業直前だったそうで、決まるまでは現在、津山まなびの鉄道館に展示されているDD13形機関車や幡生工場に放置されているクモハ42形電車が入る予定だったと言われています。


しかし2023年5月23日に悲しいニュースが飛び込んできました。

京都鉄道博物館でカニ24形12号車の展示を終了とのことです。


原因は発電機の重さによる車体の歪みと言われています。

京都鉄道博物館は博物館法に基づく博物館なのですが安全上の問題なら仕方ないですよね。

展示終了の関連イベントとして特別入館券を購入することで車内に入ることができましたので、ここからご紹介していきます!

(2023/06/16)


★カニ24形12号車 電源車
今回展示が終了する電源車です。

それでは中に入っていきましょう!

★カニ24形12号車 電源車 車内
車両の反対側から入っていくと、まず荷物室があり寝台特急の電源供給のほかに新聞輸送も行われていたそう。


★カニ24形12号車 電源車 車内
荷物室内には電源室での火災発生時に対応できるための液化炭酸ガスが置かれていました。

荷物室から続く扉を開けると当車両のメインである電源室です。



★カニ24形12号車 電源車 車内
ここでトワイライトエクスプレスの客室はもちろん。食堂車やサロンカーなど全てに電気がつくられ供給されていた、まさに縁の下の力持ちですよね!

トワイライトのスイートルームにはお金を払えば乗れましたが、ここ電源車はどれだけお金を払っても乗ることができず貴重な体験でした。

この重さに耐えられ半世紀。
満員電車を輸送するよりずっと大変だったことでしょう。

電源室には電源は予備を含め2機あり、更に続く扉を開けると緩急室がありました。



★カニ24形12号車 電源車 車内
車外からでも電源車はめちゃくちゃやかましかったので、ここにいたらすごい音だったでしょうね〜

実は最近、JR西日本管内で保存されていた車両はカニ24以外でも大きな動きがありました。


以前に当サイトではJR西日本に登録されている鉄道遺産をご紹介しましたが、大幅に変更されています。


これは少し前にも触れました。
網干総合車両所宮原支所に長らく車籍がある状態で保管されていたマイテ49は2022年10月14日付で車籍抹消し京都鉄道博物館展示が決まりましたが

これ以外、カニ24もそうですが登録鉄道文化財に指定されていて金沢総合運転所松任本所に長らく保管されていたクモハ475形46号電車や幡生工場に保管されていたクモハ11形なども解体されてしまいました。

現役車両はいつ引退するかわからんものも多く記録を心掛けていますが、保存車まで解体はビックリ!

一番驚いたのは北海道に保存されている準鉄道記念物指定のED75形501号が解体との話でした。

旧国鉄が制定した制度に登録された車両でさえ解体となると永久保存と言える車両は重要文化財指定の車両くらいになるでしょうね〜

永久保存したくても老朽化(整備する資金がないなど)のほかアスベストやPCBなど有害物質が含まれていると保存がどうしても難しくなります。

今回改めて日常の記録は保存車を含め大切だな〜と感じましたよ。

ご覧いただきありがとうございました。
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