[呉海軍警備隊]大平山防空砲台第2照聴所(地蔵峠照聴所)
※後日、加筆予定
大平山防空砲台は上蒲刈島(かみかまがりじま)の大平山山頂に築かれた。ファーザー氏のホムペによれば「12.7cm連装高角砲を装備した防空高角砲台としては国内で最初の砲台」とのこと。ファーザー氏の大平山防空砲台の記事も、実に勉強になるので是非とも参照されたし。
昭和17年4月頃に12.7cm連装高角砲、山頂(砲台)から北東約1km(大下/第1)と南東約1km(地蔵峠/第2)の山に照聴所を設置している。装備の変化はなくこのまま終戦になった。
大平山防空砲台
竣工:昭和15年7月
所属:第1砲台群
火砲:12.7cm高角砲×4→89式40口径12.7cm連装高角砲×2/ 12.7cm連装高角砲装填練習砲(95式高射装置?)×1(昭和17年4月)→12.7cm連装高角砲×2(昭和17年8月)
その他:97式空中聴音装置×2、追尾式150cm探照灯1型×2(昭和17年4月)
引渡
12.7cm連装高角砲×2
95式陸用高射装置付属品補用品共×1セット
2式陸用高射装置×1セット
94式4.5m高角測距儀付属品補用品共×1セット
追尾式150cm探照灯及び同管制器・付属品補用品共×2セット
97式空中聴測装置・付属品補用品共×2セット、などなど
出典:アジア歴史資料センター(C08011272000)海軍省「昭和20年9月1日兵器軍需品施設等目録 呉海軍警備隊(2)」
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大平山防空砲台第2聴測照射所(地蔵峠聴測照射所)
大平山防空砲台から南東約1km、「飛空美る丘」という絶景スポットに近接しており、観音平遊歩道でアクセスできる。難易度は低め。
絶景スポットとは反対側(観音堂方面)に進む
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交通壕あり
I型の坑道(地下壕)
退避壕?詳細不明
前部が崩落しているが、推定全長3〜5mほど。
大がかりなコンクリート擁壁がみえた。
コンクリート擁壁はよくみると石組で、指揮所側にのみ、コンクリートで補強されている。
コンクリート擁壁の先には半地下の・・・
鉄筋コンクリート造りの指揮所の基礎のみ、残っていた。
横5〜6メートルの長方形。
指揮所の間取りは不明(雑草と瓦礫堆積で)
徳島海軍警備隊の照聴所の指揮所のように、指揮所屋上に管制器を置いていたのだろうか?
指揮所は土塁で囲まれている
指揮所から先は石組の擁壁沿いに、枯れた雑草を漕ぎながら進む
軍道(散策道=観音平遊歩道)はかつて整備されていたようで、お休み処の丸テーブル+椅子、山頂には東屋(の廃墟)がある。それはさておき・・・
指揮所の建屋の先には細長い平削地があり、半ば崩壊した緩いスロープの先に東屋がある。聴音機座があったところっぽいのだが、痕跡はほぼない。
97式2型聴音機跡地?
謎のU字溝
探照灯座は右へ
太平山防空砲台の砲座同様、直径5m程の円形部分が半分ほど突き出ている。ここも石組の基礎でしっかり支えていた。
150㎝探照灯座の基礎
台座は直径1m強、アンカーボルトは5本(6本中1本欠損)
96式150㎝探照灯
出典:工藤洋三『徳山要港防備図でたどる周南の戦争遺跡』P.29から抜粋
アンカーボルトを曲げようとした痕跡あり
標高約168メートル
大平山防空砲台をみる
では、戻りますか。
雑草漕ぎして指揮所とコンクリート擁壁まで戻ってきた。探照灯座と指揮所は数十メートル程度の距離。
分岐点まで戻り、観光地「飛空美る丘」へ
終わり
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さすが広島!
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