長野原防空監視哨(聴音壕)

群馬県吾妻郡長野原町大津72

 

昭和16年12月16日、対空監視強化のために防空監視隊令が公布された。

出典:内閣「防空監視隊令・御署名原本・昭和16年・勅令第1136号」

 

敵機来襲の早期発見を担うのが防空監視隊。群馬県のホムペによれば「群馬県は防空計画を策定し、監視総本部を県庁に、防空監視隊本部を前橋・高崎・渋川に設置した」とのこと。県内に防空監視哨(聴音壕)を、諸説はあるが下記の一覧表によれば42ヶ所(前橋監視隊本部10ヶ所、高崎監視隊本部14ヶ所、渋川監視隊本部13ヶ所、その他5ヶ所)設置された。

ラッパ型の簡易聴音壕(集音壕)で現存するのは、長野原とみどり市(旧東村)の2ヶ所のみ。それなりの都会では、民間のビルの屋上や最上階を間借りして監視哨を設置したようだ。

 

長野原防空監視哨(17番)は監視隊本部の傘下にあり、哨長1名・副哨長5名・哨員30名で編制されたようだ。

 

 

 

 

 

案内版には国民高等学校を卒業したと書かれているが、聴覚と視力のよい尋常小学校高等科2年卒業者。群馬県では日当は支給されたようだ。賃金は1勤務1円程度、賃金とは別に米と調味料等も支給。勤務中は3食の食事支給、監視に必要な防寒服・防寒靴も現物支給がされた、とのこと。

 

聴音壕(集音壕)は一般的に、円筒形で出入りは上部から内部へ梯子等を使うが、この聴音壕は横穴から出入りするスタイル!

 

 

長野原の聴音壕(集音壕)は直径約4m×深さ約2mで、煉瓦製二重壁で2cm程の空間を設けており、モルタルを塗って仕上げている。上部の縁は音を集めやすいようラッパ状に開き、壕内で哨員が集音による機種判別をした。

 

 

 

 

 

群馬県の防空監視哨では、5名1グループの4班構成。24時間勤務で昼間は4名・夜間は2名で1時間交替(1名辺りの月平均勤務は7〜8回)。任務は敵機の機数、侵入経路、侵入時間、音響と機影による機種判別。連絡は管轄の監視隊本部と警察署へ直通電話で通報する。

 

壕内に4つの椅子代わりのコンクリートブロックが置かれていたが、こちらは喪失したようだ。

 

 

Specialな自撮り棒でグィーーーっと撮影(・ω・)ノ

 

内部は補修されている。

 

 

(偉大なり自撮り棒!自由自在であるな)

 

別途、通信所などあったが、現存するのはこの聴音壕のみ。

 

 

終わり

 

 

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万座温泉、サイコー!

 

 

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