[回天/由良白崎]第16回天隊

和歌山県日高郡由良町大引960-1(白崎海洋公園)

 

和歌山県の白崎海岸。白崎は明治20年頃から、セメントの原料としての石灰石の採掘が行われた。昭和14年に由良町に紀伊防備隊が設置され、白崎に採掘坑道を転用した倉庫がつくられたため、採掘は中断される。

 

大阪警備府の隷下に第6特攻戦隊が組織される。第6特攻戦隊の下に第22突撃隊(特攻作戦担当/徳島県小松島)があり、その下に第16回天隊(由良白崎)があった。

 

昭和20年、鉱山坑道は第16回天隊の基地として転用され、隊員居住区隧道、回天・舟艇格納用隧道として使用された(一部未完)。由良白崎基地に配備予定の回天は4艇だが未配備のまま終戦

戦後、淺野セメントに返還も昭和47年閉山。

 

出典:由良町誌編集委員会編「由良町誌通史編 上巻」P.1074より抜粋

 

由良白崎基地建設工事の着工日は不明。紀伊防備隊から60名、田辺海兵団などから約200名が召集されて、採掘坑道の転用・整備作業を行ったようだ。

 

「由良町誌通史編 上巻」によれば、

①回天格納隧道:地盤均し作業と魚雷調整場は完了間近、陸上軌道は敷設中、水中軌道は水際にやっと弾き始めた状態。

②宿舎隧道:内部工作を実施しつつあり。

③基地要員:回天基地要員は不在、紀伊防備隊所属舟艇襲撃隊(約50名)のみ。

④通信施設:無線機なし。

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回天格納隧道

耐震工事がされ面影はもう、ない。

 

 

 

 

 

 

 

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舟艇格納用隧道

全て柵がされているが中の様子はまあまあワカル。内部の補強、広さなど、鉱山時代のものか軍事利用時代のものか、いまいち区別が付かない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:由良町誌編集委員会編「由良町誌通史編 上巻」P.1074より抜粋

 

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居住用隧道

海面から高さ25メートル地点に開口部がある。

 

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白崎は「日本のエーゲ海」と呼ばれる景勝地。

 

 

 

 

 

 

終わり

 

 

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