[呉鎮守府]足摺特設見張所①電探①

高知県土佐清水市足摺岬

 

足摺岬にある四国88ヶ所霊場 第38番札所 金剛福寺の北側のなだらかな山塊。通称「天狗山に昭和16年11月頃に、呉鎮守府の足摺特設見張所がつくられた。特設見張所は「戊」になり、戦後、南側の敷地の一部が国土交通省大阪航空局航空識標(VOR)跡になっている以外、野ざらしのままになっている(・∀・)

 

足摺岬には陸軍の西部航空情報隊のいくつかの電波警戒所もある。

 

出典:国土地理院 1947/04/23(昭22) USA-M274-76、抜粋/加工

 

足摺特設見張所(戌)引渡目録

出典:アジア歴史センター(C08011045500)兵器需品現在額目録 1945年9月13日現在 引渡物件目録(高知県のみ)呉鎮12特別陸戦隊

 

電探は昭和20年2月時点で設置完備したものが、2式1号1型(1基)、2式1号2型改3(1基)、3式1号3型(1基)。同年同月で工事中が2式1号1型改3(1基)、3式1号3型(1基)となっている。

 

昭和20年9月13日付けの引渡目録では、電探は2式1号1型改1(1基)、2式1号2型改3(1基)、2式1号1型改3(1基)、仮称3式1号3型改1(4基)と書かれているので、鋭意工事中に敗戦を迎えたようだ。

 

私が確認した電探の基礎は2ヶ所。

 

 

「大カーブ」バス停の四差路から西(山側)に折れる林道足摺線を進む。舗装路だが痛みが目立つし道幅は狭い。航空識標(VOR)跡までは舗装道。ここから先は四駆でないと厳しいが、実は航空識標(VOR)跡門が探索の基点(上の地図のG)になるので、車はここに(端に寄せて)駐車した。

 

まず、南の電探基礎から歩く

 

VOR施設跡に隣接する丘には海軍標石がある。

 

VOR施設跡との境にも。

 

 

この丘の頂上部に電探基礎①がある。

電探①

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2式1号2型の電探の基礎

下部正八角形で一辺が約140センチ

中央の円形部の直径は下部が約2メートル/上部約1.6メートル

円形部にが6本のアンカーボルトが現存。

円形部には幅約12センチの溝が3本ある。

出典:日本陸海軍レーダー 総覧

 

「2式1号2型は、1号1型を軽量化して移動できるように、波長を半分の1.5mにしてアンテナを小型化した」とのこと。アンテナは4メートル×3メートルだったようだ。

 

アンテナを固定するフック?

(用途不明だけど)

金属が無くなってしまった礎石のようなもの、他にも散見する。いずれも正八角形の基礎を取り囲むようにある。

 

 

 

周囲を歩いてみた。

 

VOR施設跡との境

 

 

行政様?の掃除が入った後らしく、下草は刈られて、大変見易かった。

 

 

つづく

 

 

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