[陸軍153師団](神島)虎亀陣地②坑道式陣地

三重県鳥羽市神島町虎亀

 

虎亀陣地

陸軍の虎亀陣地は、山腹の平削地につくられた露天の機銃陣地①、北へ約20メートルほど登ったところの坑道式陣地②、頂の迷路のような塹壕(土坑)③、で構成されている。この山は急峻な上に崩れやすい地盤、特に①から②への直登りはなかなか大変(←登った)。

 

出典:三重県歴史教育者協議会「三重県の戦争遺跡 増補改訂版」P.158、抜粋・加筆

 

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坑道式陣地(②)

銃眼からの射界は広く取られている

 

 

 

銃眼部

高さ0.7m、壁厚0.6m

外壁面で幅1.9m、跳弾用の段々があり、内壁面では幅1.4m

 

銃眼の上部コンクリートをよくみると、偽装のための「砕石」が嵌め込まれていたようだ。

 

銃眼から射界をみる

 

背後にまわると幅1m×長さ10.5mの交通壕がある。

交通壕には杭木(支保工)の跡がくっきり!

 

この交通壕は砲室につながっている。露天掘りして杭木を鳥居型に組んだ通路をつくり、この上に擬装用の何かを被せたのではないか?なる説もある。

 

 

 

 

「三重県の戦争遺跡」によれば、"海軍の25粍機銃”を設置したと思われる、とのこと。同書によれば、「海軍の25粍機銃は陸軍の機関銃に比べて大きく、坑道式では入れにくいため、竪坑を掘り、底に木材を組んだ銃室をつくり・・(中略)・・機銃を砲室の上から下ろして設置したのではないか」と書いている。

 

うーーーーーーん

 

備砲は海軍の25粍機銃なんだろうか?

 

銃眼部が内壁面では「幅1.4m×高さ0.7m」

野砲では小さすぎる、か。

なぜ、海軍の機銃なんだろ?

 

 

つづく

 

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本土決戦に備えた防衛軍の隷下部隊として第13方面軍が編制された。4月から新編成の第1総軍隷下に移る。所属する第153師団は三重県伊勢〜伊良湖岬〜赤羽根海岸、第73師団が赤羽根海岸〜豊橋〜浜名湖の西にかけて、本土決戦用の水際陣地(と複廓陣地)を構築した。

 

出典:伊藤厚史「愛知・名古屋の戦争遺跡」、P.101より抜粋・加工

 

出典:陸軍省「第13方面軍」陸軍部隊(主として内地)調査票 昭和20年8月15日現在

 

 

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