[陸軍第153師団](本土決戦)一色機銃陣地

愛知県田原市和地前畑

 

日本陸軍は昭和19年7月、第3師団を再編成して第73師団(怒師団)を編成。浜名湖〜渥美半島地域の防衛を目的とし、本土決戦用の防御陣地の構築を行っている。

 

出典:伊藤厚史「愛知・名古屋の戦争遺跡」p.101

 

第73師団は昭和20年2月に新設された第13方面軍に編入(師団司令部は名古屋から豊橋に移転)し、その防衛担当区域を浜名湖〜豊橋南方区域に縮小した。最終的な複廓陣地(主抵抗地帯)を豊橋市大岩町の北山の山腹(と岩屋緑地、および新城方面)に定めて担当している。

 

第153師団は昭和20年1月20日、本土決戦に備えるべく急造が決定した師団。2月28日に臨時編成された沿岸配備師団になる(沿岸配備師団数は16)。この第153師団(護京)が伊良湖地区に進駐。三重県伊勢〜伊良湖岬〜堀切海岸にかけて、水際陣地を構築した。

 

出典:陸軍省「第13方面軍」陸軍部隊(主として内地)調査票 昭和20年8月15日現在

 

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岩礁地帯と砂浜が混じった海岸線に岩を擬装してつくられた機銃陣地がある。

 

 

ほお・・

 

 

こちらは「弾薬庫」

待避壕も兼ねていたかもしれない。

 

コンクリートの上、目立つ側面に岩を置いて擬装している

 

 

 

 

 

 

岩礁を大きく削り、その後、天井と出入口をコンクリートで成型して、出入口付近のコンクリート部分に岩を置いて擬装している。

 

 

奥行き5.9メートル、高さ1メートル。

内部の床面は海岸の砂で覆われてしまった。

内部はコンクリート等の補強はない(天井のみコンクリートで蓋をしている感じ)。

 

天井に換気口あり

これはコンクリートで綺麗に成型されていた。

 

 

 

退室(・ω・)ノ

 

 

では、上にでて登ってみよう

 

出入口部分を上から見下ろす

 

赤い丸は擬装のために積んだ岩というか石

 

 

銃座は「弾薬庫」から西隣の岩礁にある

L字に掘削しただけのもの

 

銃座の向きは西側。

 

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銃座

弾薬庫から45メートル西(伊良湖岬方面)の小規模な岩礁にある。銃座は畳1枚分をテラス上に削ったもの。当時は何らかの擬装を架けていたのかもしれない。

 

 

 

 

当時の海岸線はもっと沖合にあったそうだ。