軍艦防波堤(響灘沈艦護岸)
駆逐艦柳
福岡県北九州市若松区響町1丁目
日本海軍の駆逐艦「柳」は桃型駆逐艦の4番艦で、大正5年(1916年)10月21日、佐世保海軍工廠で起工、大正6年年5月5日竣工した。
大正6〜8年は地中海の海上護衛に従事した(第一次世界大戦時)
昭和7年は第一次上海事変において揚子江水域の作戦に参加。
昭和15年4月1日、除籍。
除籍後は佐世保海兵団の練習船として使用されたが、戦後解体された。福岡県北九州市若松区若松港の防波堤の一部(長さ770mの防波堤のうち約400mは沈設した駆逐艦3隻分)として使用されることになった。沈設は昭和23年6月から7月にかけて行われた。船体内部には岩石や土砂が詰め込まれてコンクリートで固定された。
往時の駆逐艦「柳」
駆逐艦冬月と凉月は、昭和20年4月「沖縄特攻作戦」において戦艦大和の直衛艦として出撃し大破しながらも奇跡の生還を果した艦 (*'-'*)
昭和36年8月17日の空中写真
出典:国土地理院 1961/08/17(昭36) MKU613 C11 4
昭和36年9月の台風によって駆逐艦内部の土砂が大きく流失したため、翌年の復旧工事のさい、涼月と冬月はコンクリートで完全に埋設されたが、柳だけは船体上部の原形を約80mにわたり留めた。
昭和50年3月2日の空中写真
出典:国土地理院 1975/03/02(昭50) CKU747 C7 15
現存する船体は柳のみ
2022年の空中写真
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船首部分から
艦首(水押)
船梁もくっきり確認できる(・∀・)
柳の船体は劣化が進み、1999年(平成11年)には艦首部分が崩壊した。翌年、船体の周囲をコンクリートで補強する修復が行われた。
側面をみつつ船尾へ移動
舷外鋼板の腐食が著しい
船尾から船首をみる
これは上甲板ではなく、もっと下層の高さのもの
bollardかな。。
詳細不明のの鎖とシャックル
再び船首
軍艦防波堤について、下記のブログが詳しい
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軍艦防波堤
秋田港:未完成の駆逐艦「栃」、練習用駆逐艦「竹」、海防艦「伊唐」
竹野港:2代神風型駆逐艦「春風」
小名浜港:駆逐艦「澤風」、駆逐艦「汐風」
神湊港:未完成の駆逐艦「矢竹」
現在でも艦船と確認できるのは若松港(北九州港)の駆逐艦「柳」だけかもしれない。