一式双発高等練習機(一式双発高練/キ54)

立飛ホールディングス

 

プレスリリースより

一式双発高等練習機(キ54)の概要

昭和15年製作開始。累計機数1,342機。
陸軍から多目的双発練習機の試作指示があり、立川飛行機にとっては初めての双発、全金属製、引込脚の機体を製作した。(青森県立三沢航空科学館資料より抜粋)

 

国内に唯一現存するこの一式双発高等練習機は、昭和17年(1942年)に製造されたもので、製造番号は5541と判明している。

 

陸軍飛行第38戦隊所属機で昭和18年(1943年)9月27日、秋田県の陸軍能代(東雲)飛行場から青森県の陸軍八戸飛行場へ向かう途中、エンジントラブルによって十和田湖に不時着水。乗員4名のうち3名が死亡、1名が生還している。

 

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キ54の整備につかった脚立

 

 

 

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右翼

 

 

補助翼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運用時、主翼に塗られていた「敵味方識別標識」の黄色の塗装が鮮やかだ。

 

 

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燃料タンク

翼の付け根(主翼結合部)には燃料タンクが入る

 

 

主燃料タンク

主翼付け根前部に格納される内蔵タンクで、1つに約300リットルの燃料が入る。

 

燃料タンクが入るところ

 

 

 

 

主燃料タンクに付けられていた銘板

昭和17年9月15日製造

製造番号は「294左」

 

 

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水平尾翼

左右一体の一翼型のようだ。

 

 

 

 

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垂直尾翼

 

敵味方識別標識の黄色部分をよくみると

 

動翼部分は 帆布 でした!

 

飛行第三八戦隊の部隊標識も確認できる(三と八を組み合わせている)

 

垂直安定板の先端の黄色塗装の部分には、無線アンテナを張る為のリングも残る。

 

ついでに黄色の塗装も

 

 

 

水平尾翼および垂直尾翼が付いていた部分

 

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エンジン

 

エンジンは、東京瓦斯電気工業(日立航空機)が開発・製造した航空機用の空冷単列星型9気筒。キ54に乗せたエンジンは98式450馬力発動機で「日立ハ13甲」という。

 

 

同社は陸軍・海軍共に採用されており、陸海軍統合名称「ハ23」、陸軍(一式輸送機・二式高等練習機)では「ハ13」、海軍(赤とんぼ・白菊)では「天風」と呼び、「ハ13甲」との名前から陸海軍の中間・高等練習機で使用されたエンジンとわかる(そうだ)。

 

 

こちらは左翼エンジン部

リペアされていた。

 

製造元の立飛(立川飛行機株式会社)での展示は今回が最後。今後は立川市が保存、立川市として恒常的な施設ないし展示を実施する予定らしい。

 

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隣の建物も古い!