東北帝国大科学計測研究所の保管壕

(御嶽三吉神社内:宮城県仙台市青葉区北山3-6-18)

 

科学計測研究所は昭和18年1月に 「科学計測に関する学理およびその応用に関する綜合研究を行なう」目的で設立された。物理計測が主とする研究機関のようだ。昭和57年に片平地区に移転するまで、ここ北山の三条町地区にあった。

 

同研究所の保管壕は、研究所から近い嶽三吉神社の社殿の真下にある。社務所に見学の旨を伝えると快く応じていただけた。照明施設はないので懐中電燈などは携帯必須。手洗舎の横の石段を降りていく。

 

 

モリモリとした日本庭園崩れの奥に地下壕がある

 

地下壕の坑口の右脇に、日本庭園の造作「滝」があるくらいジメジメとした場所で苔むしている。実際、坑道からも湧き水がにじみ出ている。

 

 

坑口から15メートルくらいは、幅150センチくらい、高さ160センチくらいの導入部になっている。坑道は全て排水溝が敷設されていた。床の踏み石は寺が用意したもの。当時は角材を敷いていたようだ。

 

 

突然、天井が高くなる。推定240〜260センチ。

ここから壁面に蝋燭を立てる穴が続き、煤で汚れた部分もみられる。

 

 

部屋は2つ。

坑道の右に4.5畳ほどの部屋、坑道は約5メートルほどで行き止まる。

 

右に4.5畳ほどの部屋

 

 

 

奥に進んでみる

 

行き止まり

 

行き止まりだが、幅広めに掘り込んでいるため部屋っぽくみえる。

 

社殿で聴いたところ、この防空壕は近くにある(今もある)旧東北帝国大学の科学計測研究所の資料を保管するために造られた。だが坑内の湿度が高くて使われなかったそうだ(機材は置いていた、とのはなしもある)。

 

壕の掘り方、これは・・・

海軍壕だ!

 

物理学者による海軍の軍事研究参加は昭和16年末頃から始まったようだ。海軍が新兵器開発のために物理学者の協力を求めたきっかけは原子爆弾構想にあった、ともいわれている。他に電波兵器開発(防空用の マイクロ波レーダ開発など)も手がけている。こんな経緯もあって、海軍が壕を用意したのかもしれない。

 

戻りますか!

 

 

 

 

 

 

 

おしまい