詫間海軍航空基地のスリップ(滑走台)

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1943年(昭和18年)5月、詫間海軍水上機基地が竣工。同年6月に詫間海軍航空隊が開隊、水上機実用機教程を開始する。

 

 

 

1944年(昭和19年)9月、沖縄攻防戦に備えて横浜海軍航空隊大艇隊の主力機(二式大艇;二式飛行艇)が詫間に移駐する。一時、鹿屋基地に移駐するも詫間基地に戻る。

 

(二式大艇:鹿屋基地前に展示されている詫間海軍基地所属の実機。後述)

 

スリップ(滑走台)は計4台。

 

水偵用幅スリップ

幅135メートル×長さ100メートル、1台

 

大艇用スリップ

幅50メートル×長さ100メートル、3台

 

下記は水偵用スリップ

 

水偵用幅スリップは幅135メートル×長さ100メートル

 

 

 

大艇用スリップは3台

水偵用スリップ側から掲載する

 

 

神島化学工業㈱の積出し桟橋に改造上面が平坦になるよう、コンクリートを盛っている(*_*)

 

次は

真ん中の大艇用スリップ

 

 

取水管?が上に敷設されているけど、ほぼオリジナル

 

 

最後の1台は、スリップの上に漁業関係者?が建てた構造物及び基礎があるが、概ね良好。

 

 

 

 

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終戦当時、詫間海軍航空隊基地には二式大艇164機のうち3機が残った。そのうち最も良好な1機をベースに2機から足りないパーツを補う形で修復。同機は経由地の根岸飛行場からアメリカに送られた。1979年(昭和54年)に東京の船の科学館を経て、2004年4月末から鹿屋基地(海上自衛隊鹿屋航空基地史料館)に野外展示されている。

 

基地庁舎や兵舎などの跡地は現在、香川高等専門学校詫間キャンパスと神島化学工業詫間工場になっており、当時の建屋は現存せず。現存するのは外周にあるスリップ、地下壕。キャンパス内にある軍艦旗掲揚台、防火池くらい。

 

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地下壕群は弾薬庫、戦闘指揮所などだが、現在は施錠されている。

 

 

 

 

 

 

1945年(昭和20年)3月21日、詫間海軍航空隊は沖縄戦の直前に、神風特別攻撃隊「水心隊」を編成。詫間空は実戦航空隊に改編され、沖縄周辺の哨戒と夜間攻撃を実施している。

 

 

詫間海軍航空隊基地のスリップ

神島化学工業詫間工場の防波堤

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※外周道路は工場敷地外なので立入可能。ただし防波堤につくられた門は常時閉鎖しているため、スリップへは降りられない。