桜島海軍基地の魚雷格納庫他

 

鹿児島県は桜島。桜島フェリーターミナルの大きな駐車場前に城山台地(袴腰台地)が聳える。台地の麓には桜島海軍基地(第5特攻戦隊)の地下壕群がある。

 

台地の上は、戦国時代には島津氏の三角城(長門城)が築かれ、戦時中は陸軍が高射砲陣地(6門)を置いている。

 

 

海軍特別攻撃隊実施部隊の佐世保鎮守府所属第5特攻戦隊には、蚊龍・海龍24隻、回天46隻、震洋725隻が所属していたとのこと(諸説あり)。

 

地下壕群から1キロほど海岸沿いに北上すると、県道沿いに魚雷格納壕が現れる。

 

 

 

 

今は桜島造船所の所有だが、お声がけをすると丁寧にご案内していただけた。

 

 

格納庫は元々50メートルほどあったが、裏の小学校がプールを造ることになり、格納壕の後ろ側半分を切断して壊したとのこと。

 

 

 

(切り取られた後ろ半分から、小学校の敷地がみえる)

 

格納庫の天井にある釣り鉄管はオリジナル!

 

 

 

 

 

 

魚雷格納庫から目の前の海岸まではレールが敷設されていた。このレールは造船所が船体陸揚げ用に今も使用中。

 

 

 

 

 

「こんなのがあるんだけど」

 

と見せていただいたのが、魚雷を乗せる台座が2台!

 

 

地中に埋められていたのを掘り起こしたとのこと。

すげぇ(・∀・)

 

 

 

 

(ありがとうございました!)

 

魚雷発射台は「方崎の鼻」に設置予定だったが、未完のまま終戦。

 

桜島海軍基地(第5特攻戦隊)の地下壕群に戻る。

 

 

「壕の高さ・幅はともに2~3m程で、手掘りによって作られたトンネルが網の目状に張り巡らされています。総延長は約650m。壕の中には魚雷保管室や動力室がありました」

 

壕口はコンクリート巻きだが、奥は素掘りのままらしい。第5特攻戦隊司令部壕も同居する一大地下空間だ。

 

 

駐車場からみえる壕口は4箇所。

 

 

駐車場からみえる壕口は案内板によれば、魚雷調整室と動力室に通じるもの。

 

いづれの壕もがっつり施錠され、扉の隙間から無理矢理みるしかない。

 

 

 

 

(奥は動力室)

 

 

(壕口をここまで厳密に封鎖しなくてもいいんじゃないか?)

 

 

(奥は魚雷調整室)

 

壕内の状態は良さそうだが、シラス台地の掘削なので細かい砂が堆積しているのかも。案内板の完成度が高いだけに封鎖は残念である。

 

 

魚雷格納庫(桜島造船所)

鹿児島県鹿児島市桜島赤生原町1−7