水戸藩の安神車
水戸東照宮
水戸藩第9代藩主の徳川斉昭が自らが設計した(と伝えられる)、日本最古の「戦車」といわれる安神車が、水戸八幡宮(茨城県水戸市)の境内にある。安神車は2基が現存。
開国圧力が強まっていた幕末、水戸藩領土の太平洋沿岸にも外国船が頻繁に出没していた。そこで水戸藩主の斉昭は、海防を中心とした軍備増強策を進めていく。
軍制改革の中で、斉昭は自ら設計した武器の開発製造に携わり、その一つがこの安神車だった。たぶん陸戦用。
周囲を鉄板で覆った釣り鐘のような箱を台座に乗せ、鎧をまとった牛に曳かせる牛車スタイル。動力は牛!
安楽車の内部には兵士1人が入り、前後左右に設けられた四角い小窓から小銃を撃つことを想定している。
長期戦に備えて、安楽車の床には排泄用の蓋付きの穴があいている。
天井には円形の穴があいている。ここに方位計(ガラスに磁石をはめ込んだもの)を設置。おかげで内部の兵士は方向や動きはわかったようだ。
だが動力の牛は行動が制御できないため、歩兵隊が随行して行動を助けることが必要だった(*_*)
方位計をはめた穴
扉は葵のご紋入り(^o^)
この安神車は、結局実戦で用いられることはなかった。現在、水戸指定文化財に指定されている(・∀・)
水戸東照宮
茨城県水戸市宮町2-5-13