脳科学からみた祈り 読書メモ | 鍼灸師 Shuhei Higashi 鍼灸師のブログ

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祈りの違い

何かに対してネガティブな感情を持つとき人はストレス物質であるコルチゾールを分泌します。これは生体に必須な栄養素ですが過剰に分泌されると記憶の中心的な役割を担う海馬を萎縮させることがわかっています。つまりネガティブな祈りをするとき、自分自身にも悪影響を及ぼす行いとなり得ます。反対に、ポジティブな祈りを行うとき脳では脳内快感物質と呼ばれるベータエンドルフィン、ドーパミン、オキシトシンなどが分泌されます。これらは多幸感や快感をもたらす物質として知られています。しかし、ポジティブであっても攻撃的な祈りであるとき(ライバルを蹴落としたいなど)、体内ではアドレナリン、ノルアドレナリンを放出し血圧や血糖値を上昇させます。人は戦闘状態や緊張状態にあるときこれらを分泌しますが、長期間にわたるとこれらも生体にとって有害となります。ポジティブな祈りでも紙一重の僅かな差で体にとって悪影響になってしまうことを心にとめた上で、「この勝負と通して共に成長していこう」という相手をも思う気持ちが「良い祈り」となり自らの幸福へと繋がっていくのでは。

 

音韻分析から考える南無妙法蓮華経

 

音韻論とは音の構造やパターン、音の持つイメージを研究する分野です。題目の「南無妙法蓮華経」を考えてみると、「妙(ミョウ)の一文字目、マ行は人間が一番初めに発する音とされママ、メール(フランス語でママと海の意)など何かとても大きな存在をイメージさせます。次にHから始まる「法」は清音といい息吹や生命の清らかな面をイメージさせます。次の「蓮」Rの音は風のうなりのように「転じる」という意味をイメージさせます。最後に「華」「経」G,Kにはどちらも力強く切り開いて伸びていくというようなことをイメージさせます。音が持つイメージが題目や詩にも反映されていることが今後の研究で明らかになるかもしれません。

 

祈りの脳と免疫力

祈りが病気の改善・治癒の助けになることが科学者たちの間で見直されてきています。

新薬のテストをする時、本物の薬と偽物薬(プラセボ薬)を処方し新薬がプラセボ薬の効果を上回った時初めて薬効が認められることになります。この時3割程度に偽薬で新薬だと思い込んで飲むことにより効果の現れる群があります。実験科学の場においてプラセボは切り捨てるべき情報でありますが現実世界において病を治し、苦しみを取り除いていくことを考えると「3割の人はプラセボで改善していく」ということを考えてもよいのではないでしょうか?オキシトシンという物質には免疫力を高める効果があり、祈りによって天然の妙薬であるオキシトシンを活性化させることが出来るのではないでしょうか?

 

利己的な人はある程度までは効率よく成果をあげられるものの、総合的にみると幸福感が低い。逆に利他的な人は良い人間関係を持続的に築くため、周りからの協力を得られやすく総合的に幸福感が高い。

 

脳のことを考えれば逆境はあった方がよいが逆境で脳の神経回路を繋ぎ強くする一方で、それに負けてしまう人もいます。それらを分かつものは逆境に直面した時の心のありようであり、「よし、このピンチを乗り越えてやるぞ」と心のファイティングポーズが取れた時脳細胞が発火しシナプスやニューロンが繋がっていきます。