津液とは何だろう? | 鍼灸師 Shuhei Higashi 鍼灸師のブログ

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〇津液とは

 津液とは、血を除き、身体のあらゆる種類の正常な液体の総称で、体液です。気、血に並び津液も身体を構成する基本要素となります。日本の環境は、湿気が多いので津液をより理解しておく必要があります。不定愁訴のような食欲不振、むくみ、頭痛、花粉症や鼻炎といった症状とも関連があります。

 

〇津と液

 津と液は本来は別々の物質です。津は気血とともに循環する液体で、さらさらとした性質で涙・汗・小便など体表面や体外に排出されるもののことです。液は反対に、内臓・関節などに蓄えられていて、ねっとりとした性質で生理機能を果たします。

 

〇はたらき

 津液の働きとしては、全身を滋潤し濡養する・陰陽平衡に関与する、の二つがあります。

 

全身を滋養し濡養する

 言い換えると栄養し、潤いを与える働きです。津液は皮膚表面を流れ、潤わせます。五竅(眼・舌・口・鼻・耳/二陰)ともかかわりが深く、潤わせかつ保護しています。血脈に津液が関わると、血を潤わせます。イメージでは血と津液が強調することでさらさらの血になります。

 

陰陽平衡に関わる

 気(陽)に対して陰であるので、陽気(火)と陰液(水)のバランスを保ちます。また、熱を冷ます作用もあります。夏は暑さで腠理(汗腺)を開き汗をかくことで内にこもった熱を排出し、熱を冷まします。しかし過度な発汗は陽偏盛(陰血不足)となり熱中症などになるとされます。

 

〇津液の生成と流れ

 水穀が胃に入り、水穀の精気が脾の昇清作用で肺に向かい、肺の宣発粛降作用と水道通調作用で膀胱まで向かう間に全身に行き渡ります。胃から小腸へ下る”濁”の部分は小腸で清濁泌別され精は脾へ、濁は膀胱と大腸へ向かいます。さらに大腸へ向かう”濁”の部分から津液がさらに吸収される。この一連の通路の中に三焦が大きな役割を果たす。腎の役割である「水を主る」作用と循環を主る心、全身をのびやかにする肝も間接的に関与します。