血とは何だろう? | 鍼灸師 Shuhei Higashi 鍼灸師のブログ

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西洋医学の血

 西洋医学において血液とは、細胞が生きていくのに必要不可欠な物質であり、量や質は恒常性が保たれるように働く。ヒトの血液量は体重の約1/3(男性8%、女性7%)である。成分としては、血球成分(赤血球96%、白血球3%、血小板1%)と血漿成分からなる。骨髄で造血され(誕生後)、脾臓で分解、破壊される。

 

主な役割は以下である

 ・酸素や二酸化炭素の運搬

 ・栄養・ホルモンなどの運搬

 ・血を固めたり、免疫作用

 ・体温調整

 ・老廃物の排出

 ・phの調整   など

 

中医学の血

 

 中医学には黄帝内経の時代から血の概念があり、夜寝る時に肝臓に帰るとあります。1628年に血液循環説が唱えられるはるか前、2400年前の書物にはすでに血液が循環され、病気を引き起こす原因になるという考え方が存在していました。

 

 血とは血管内を通って循環する赤い液体で、身体を滋養し滋潤しています。飲食物が脾胃の運化作用で水穀の精微となり、営気と津液があわさり温煦作用を受けて赤く変化するとされます。血の生成には脾胃・腎・心が深く関わります。気一元の考え方からすると血もまた気からなります。

 

 また、髪は血の余りとも言い、年齢を重ねて血が少なくなると髪の毛薄くなったり細くなったりします。血が十分に脈中を流れ、機能を十分に果たせば、臓腑だけでなく、筋肉などが栄養され四肢に力が十分に入り、目も健やかで、皮膚も色つや良く弾力を保てるようになります。まさに血気盛んな状態です。血が満ち足りると指の先端などは感覚が鋭くなります。反対に血が少なるとしびれの症状が出ることがあります。また、感情にも血は関与しており、精神活動の安定には血脈の調和が重要です。産後や手術などで血を失うと精神的に不安定になりやすくなります。血は脈内を循行することで正常な滋潤作用を発揮できます。脈外に出てしまうと「離経の血」と呼ばれ、本来の機能を果たせないどころか瘀血という病理産物を形成してしまいます。