五行学説の相克関係 | 鍼灸師 Shuhei Higashi 鍼灸師のブログ

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 五行学説には相生関係と相克関係があります。今回は、相克関係についてまとめてみます。

 相克とはある行が2つ先の行を抑制したり、制約したりする働きをいいます。

 「克」という漢字には打ち勝つというような意味を持ちますが、ここでいう相克関係とは二つ先の行を抑制したり、制約したりしてあくまで手綱を握るようなイメージだとよく覚えていてください。相生で生み、相克で抑える。一概に抑えることが悪いというわけではなく、バランスを保つためにある程度の秩序が必要だということです。

 それでは、個々について解説していきます。

・木克土

木は地面に根を張り水を蓄えながら成長していきます。木が無くなるとそこはそこは砂漠のようになり土砂崩れが起こりやすくなります。木は土の中で土をコントロールしています。

・土克水

洪水が起きぬよう昔の人は土を積み上げ堤防を作りました。このように、水の流れをコントロールするのに土が必要です。

・水克火

火の燃える勢いは水の力でもって消火します。

・火克金

金属を加工するには高温の熱で溶かすことが必要です。堅い金属を剋するのに火の力が必要です。

・金剋木

金である金属で硬い木を切ることが出来ます。

 

 次に人間の生理現象として考えてみたいと思います。

・肝剋脾

肝臓と表裏である胆は胆汁を出します。これにより脾胃を中和し酸性に傾くのを防ぎます。

・脾剋腎

腎蔵は生まれながらに持つ先天の精を蓄え、脾胃は食べ物から作られる後天の精を蓄えます。後天の精は絶えず補充することが出来ますが、先天の精はそれができません。脾が腎を剋することで、命を長く保つと中医学では考えます。。

・腎剋心

心は心火ともいい、これにより体を温め、気持ちを明るくします。もしこの心火が抑制されないと火事になってしまいます。症状でいうとパニック障害のようなものです。腎の水で心の火をコントロールします。

・心剋肺

心はポンプの働き、肺は呼吸をつかさどり、呼吸で取り込んだ酸素は心の働きコントロールされながら全身に送られます。

・肺剋肝

肝臓は血を蓄えます、肺は循環をつかさどります。運動するとき、肝臓は栄養を分解しエネルギーに変え、肺は呼吸を早くしてエネルギーの燃料である酸素を多く取り入れます。

 

相生と相克は五行を説明する基本的な考え方になります。この二つの正常な働きが強すぎたり、弱すぎたりすると病へとなっていきます。