受験の心療内科
逆境でも勉強できる脳に育つ「3つのCの法則」とは?
今日のテーマは、子どもの脳が、逆境であっても、粘り強く勉強を頑張り続けることができるように育ってくれる「3つの脳の法則」のご紹介です。
それぞれのキーワードがすべてCから始まる単語なので、メンタル医学では、「3つのC」と呼ばれています。
今どきの子どもたちは、メンタルがとてもデリケートで、ガラス細工のように、ちょっとしたことで、簡単に壊れてしまいます。
ましてや、入試に失敗して浪人が決まるなど、大きな苦境に立たされると、落ち込んだ状態からなかなか立ち直ることができません。
実際、受験生を専門に診療している私の心療内科クリニックにも、受験に失敗したことをきっかけに受験うつや受験無気力症候群を発症した受験生が、数多く訪れています。
受験に勝つためにも、将来、社会に出てから幸せな人生をつかむためにも、逆境に強い脳を育てることはとても大事です。
その対策として、とっても役立つ心理法則がメンタル医学の研究で解明されています。
これは、日常生活の中で、3つのキーワードを意識しているだけで、逆境を乗り越えられるメンタルの強さやストレスに負けないタフな精神が育つというものです。
3つのキーワードは、すべてCから始まっているため、「3つのC」と呼ばれています。
この心理法則を実践するのは、とても簡単です。
ご自宅で、今すぐできます。
「3つのC」とは、具体的にはどのようなものなのか?
ご家庭では、どのように実践すればいいのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに、わかりやすく解説します。
受験うつ~どう克服し、合格をつかむか~ (光文社新書)(電子版)
ストレスが増える受験期に、突然うつ症状を発症する人が急増している。うつで人生を狂わさないために、受験生本人や家族ができることは何か。受験生専門外来のがストレス管理や効率の良い勉強法を解説する。
年収を決める脳の最大の要因は「粘り強さ」
人間の脳が持つ多様な能力の中で、入試に合格するのも、仕事で成功するのも、逆境に陥ったときに、粘り強く頑張り続けることができる力が極めて重要だということが、様々な研究で実証されています。
また、年収を決める最も大きな要因も、粘り強さだという研究結果も発表されています。
粘り強さを決める「3つのC」とは?
そんなとても大事な粘り強さを育てるには、どうしたらいいのか。
その答えとして見つかったのが「3つのC」なのです。
逆境に陥った人が、その後、脳と心をどう立て直していったのか、逆境への脳た心の適応力を分析するという、メンタル医学の研究によって解明されました。
冒頭の図をご覧ください。
「3つのC」とは、
① Control (自分がコントロールできることに集中)
② Commitment (自我関与度)
③ Challenge (チャレンジ精神)
これは、職場の環境に関して逆境に陥った人を調査し、逆境に負けて無気力になったり、うつになったりした人と、逆境を乗り越えて成長できた人の心理的傾向を比較する研究で見つかったものです。
格差が見つかった三つの因子が、たまたま、いずれもCから始まる単語だったので、「3つのC」と呼ばれています。
「3つのC」の筆頭、コントロールとは?
このうち、①のコントロールは、自分がコントロールできることに意識を集中することです。
例えば、入試を受けているときに、「合格すること」は、100%、自分だけでコントロールできることではありません。
だから、心理的に脆弱になり、入試にも落ちやすいし、こういうメンタルを続けていると、やがて、粘り強く頑張れない脳になっていくということが証明されているのです。
それに比べて、「目の前の問題に集中すること」は、自分の意思だけでコントロールできることです。
だから、そういうマインドだと入試にも合格しやすいのです。
さらに、日々、こういう考え方をしていると、ストレス耐性が高まり、うつにもなりにくく、粘り強く頑張れるから年収も高くなるわけです。
「3つのC」の2つ目、コミットメントとは?
次に、②のCommitmentは、メンタル医学では「自我関与度」という難しい言葉に訳されていますが、日常会話で使うコミットと、ほぼ同じ意味だと考えて間違いありません。
普段から何事にも積極的にコミットする習慣を身につけると、いざという時も脳が粘り強く頑張れるようになるという効果が、メンタル医学の研究で実証されています。
積極的にコミットする習慣とは、具体的には、
・授業中に積極的に手を上げて発言する・・・。
・友だちと遊ぶときも、「次は○○をやろう!」と自主的に提案する・・・。
普段から、こうしたライフスタイルを心がけましょう。
チャレンジ精神の効果もメンタル医学で実証
「3つのC」の最後の③のチャレンジについては、改めて説明する必要はないと思います。
チャレンジ精神を育てていくと粘り強く頑張れるというのは、どなたも想像がつくと思いますが、メンタル医学で分析しても、確かにそういう効果はあることが実証されたということです。
「3つのC」が低下しがちな現代っ子!
一方、近年、子どもたちの脳を取り巻く環境は、「3つのC」の正反対の状況になっていると指摘されています。
そのせいもあり、ストレスに対して脆弱になっているわけです。
また、レジリエンスと呼ばれる心の回復力も低下していて、「受験うつ」をはじめ、メンタル面のトラブルに苦しむ受験生は、私のクリニックにも跡を絶ちません。
中には、模擬テストで、一回、悪い点数を取っただけで、「受験うつ」など、受験ストレス性のメンタルトラブルに陥る受験生もいます。
これによって入試に落ちる受験生が急増しているので、放置してはいけません。
受験ストレスのセルフチェックが不可欠!
受験ストレスは実に多様です。
ご自分が抱える受験ストレスの症状をしっかりと向き合い、上手に対処して、脳の働きをベストの状態に保つのが、志望校合格への最短距離です。
そのためには、ご自分の受験ストレスの状態を把握しておく必要があります。
ぜひ、以下の受験ストレスのセルフチェックも、必ず一度は行ってください。
セルフチェック自体はは、3分くらいでできます。
✓ 受験生に急増している「悪性ストレス」を見落とすと、勉強するほど逆に成績は低下してしまうという危険な症状が現れます!
✓ このページに掲載している「受験ストレス・セルフチェック」で、現在の症状を分析しましょう!
✓ チェック項目の中で該当する項目の数により、重症度が判定できるようになっています!
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