入試に失敗して家庭内暴力!受験生の脳の変調を心療内科医が解説【受験専門の心療内科】
実は受験生に激増している家庭内暴力!
受験生の家庭内暴力が激増しているというのは、世間ではほとんど知られていません。
だから、意外に感じる方が大半だと思います。
世間では知られていない理由は、受験生自身はもちろん、親も近隣の方に知られたくないので、口を閉ざすことになるからです。
私自身も、受験生のメンタルを専門に扱う今のクリニックを始めるまでは、まったく知りませんでした。
でも、現在では、こうした受験生親子が、大勢、私のクリニックを訪れます。
暴力を振るう受験生の人間像とは?
家庭内暴力は、教育水準の低い家庭で育った粗暴な子どもがやることだ・・・。
そういうイメージが一般的だと思います。
でも実態は、かなりかけ離れているのです。
私のクリニックにいらっしゃる家庭内暴力を振るう受験生の平均的な人間像はというと…、
・お嬢様学校、または有名進学校に通うエリートの受験生
・家庭から一歩、外に出ると、礼儀正しく、敬語がしっかり話せる常識人
・心はとてもデリケートで、ちょっとしたことでも傷つきやすい性格
・とてもプライドが高い
・東大や医学部など偏差値の高い大学を目指している
などです。
だから、家族以外の人が見たら、家庭内暴力なんてまったく想像もつかないような受験生が大半なのです。
家庭内暴力に潜む「受験うつ」
受験を専門に診療している心療内科医として、ぜひ、皆さんに知っていただきたいのは、このような場合、家庭内暴力をしてしまう原因として、実は「受験うつ」が潜んでいるケースがとても多いということです。
家庭内暴力の原因は、子どもの根本的な性格に問題があるからではありません。
脳が「受験うつ」に陥っているために、病気が暴力を振るわせているだけだ…というケースが、圧倒的に多いのです。
それが証拠に、磁気刺激治療などで「受験うつ」を治すと、志望校への合格率が一気に上がるだけでなく、家庭内暴力もピタッと消えて消えてしまうということが起こるのです。
入試が終わるまで暴力をやり過ごすのは逆効果!
家庭内暴力は高校1年生やや2年生の段階で始まることも少なくありませんが、多くの親御様が、受験の合格が大事だと、入試が終わるまで、家庭内暴力を我慢して、なんとか、やり過ごそうとします。
これは最悪の対処だといえます。
私のクリニックでは、親御様に対するカウンセリングも行っています。
事情を伺うと、「暴力を振るうことで、子どものストレスが少しは解消すると思うので、入試が終わるまで我慢します・・・」とお話になるお母様が多数、いらっしゃいます。
わが子のために暴力さえも我慢する親御様の愛情の深さには心打たれる一方、脳医学的に言うと、これは、まったくの逆効果と言わざるをえません。
なぜなら、家庭内暴力によって、受験生の脳内では、ストレスがより強くなるからです。
暴力で受験ストレスはどう変化するのか?
世間では、嫌なことがあったりイライラしたりしたときに、暴力を振るうとスッキリして、ストレスが解消される効果があると信じている人が多数派でしょう。
果たしてこれは、脳医学的に真実だといえるのでしょうか。
そこで、暴力を振るった結果、脳内のストレスはどう変化するのかを実験で検証した研究があります。
実験データを詳しく分析すると、暴力でストレスが解消できるのは、その暴力によって本人に具体的な利益が得られた場合に限られる…ということが明らかになりました。
ストレスが軽くなる場合 vs 重くなる場合
実験結果を見ると、暴力が自分自身に対して生産的な結果をもたらしたと自分の脳が認識している場合は、世間の常識と同じでストレスが軽くなります。
たとえば、自分の所有物が盗まれた場合に暴力を振って取り返したり、悪を懲らしめるために暴力をふるったときは、脳はスッキリしてストレスが消えていきます。
ところが、暴力を振るった結果、自分の利益を損なった場合は、逆にストレスは増加するという結果が出ています。
しかも、ストレスがちょっと増えるというだけにとどまらず、激増してしまうのです。
理由は、暴力を振るうことでノルエピネフリンという脳内情報伝達物質が増加して、ネガティブな感情を増幅させるからです。
本当は違う受験生の心の奥底とは?
では、受験生の家庭内暴力の場合は、ストレスが軽減するのか、それとも増加するのか、どちらでしょうか?
受験生が家庭内暴力を行った場合、口では「親が悪いから殴るんだ・・・」などといいますが、内心ではそんな思いはなく、親を甘えの対象にしているだけだということは本人もわかっています。
だから、スッキリするどころか、ストレスは家庭内暴力によって、余計に高まります。
実際、私がカウンセリングを行った大半の家庭では、家庭内暴力によって、受験生のメンタルはさらに悪化しています。
つまり、家庭内暴力を先送りしたら、ますます合格できなくなるということなのです。
家庭内暴力は、脳のSOSサイン!
さらに、暴力という形ではあっても、それは脳が発するSOSサインなので、それを無視して先送りするということ自体が、合格を勝ち取る上でも、妥当な判断だとは言えません。
まず、暴力に駆り立てた脳の異変を正しく検査であぶり出し、そこを治すことが、受験で合格をつかむためには欠くことのできない条件なのです。
まずは、私のクリニックのホームページのうち、「家庭内暴力(受験生)」のページをご参照ください。
冒頭だけ、以下、こちらのブログでもご紹介しておきますが、心当たりのある方は、必ずホームページを見てください!
https://www.akamon-clinic.com/家庭内暴力(受験生)/
このページの要点は?
✓ 若い世代を中心にメンタル面が脆弱になった影響で、受験生の家庭内暴力は急速に拡大しています。
✓ もともとは性格的に優しく、考え方も理知的であった子どもに多い傾向があり、従来の一般的な家庭内暴力とは正反対の特徴を持っています。
✓ 根本的な性格(気質)は遺伝でかなりが決定されており、受験生が親に対し暴力を振るうようになった場合、それは性格が変わったためではなく、脳機能に異常が生じた可能性が高いと捉えるべきです!
✓ 「受験うつ」を中心に、受験ストレスは気合や精神力で対処できるものだといった誤解と古い偏見が、家庭内暴力を招く元凶となっています!
✓ 受験に特化した光トポグラフィー検査を受診し、受験生の脳にどのような問題が起こっているのかを解き明かすことが、家庭内暴力の解消と志望校への合格を勝ち取る上で最良の方法です。
ポイント!
「優しかった我が子が、受験のストレスで暴力を振るうようになってしまった・・・」
「朝、起こそうとしたら、突然、息子に殴られてしまった・・・」
世間では、あまり知られていないようですが、受験生による家庭内暴力は決して少なくありません。
当院を受診する受験生のご家庭のうち、3割程度は、何らかの形で家庭内暴力の悩みを抱えています。
「家庭内暴力(受験生)」https://www.akamon-clinic.com/家庭内暴力(受験生)/
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