受験生の自殺は親子の食事で防げる?心療内科医が教える食事中の会話の秘訣!【受験専門の心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

受験生の自殺は親子の食事で防げる?心療内科医が教える食事中の会話の秘訣!【受験専門の心療内科】

 

 

受験生の脳医学

 

受験生の自殺を親子の食事で防ぐ方法とは?

 

 

 

 

受験生は、心身ともに厳しい環境のもとで勉強に取り組んでおり、もともと強いストレスを受けている人が多数派です。

つまり、受験生であること自体が自殺のリスク・ファクターだといえるわけです。

 

さらに、それまでの努力が実らず、入試に失敗してしまった場合は、メンタルが受けるダメージは極めて深刻な状態に達し、中には衝動的に自殺を図るケースもあります。

受験生が自殺を実行に移す前に、その気持ちに気づいて止めてあげられるのは、親御様だけです。

 

 

では、親は、どうやって、見極めればいいのか?

どういう兆候が危険なのか?

その見極めの鍵をにぎるのが、受験生の親子の食事です。

 

受験生を専門に診療している心療内科医として、お子様の命を守るために大事なポイントをご紹介したいと思います。

 

 

 

 

  親がいきなり問いただすと逆効果!

 

受験生が悩みを抱えている場合、原因は、入試の不安や成績の低下が圧倒的に多いのが現状です。
 
もちろん、悩みを解決させてあげるには、より具体的に、悩んでいる内容の詳細について、親が理解してあげる必要があります。
ただし、受験生から悩みの詳細を聞き出すには、注意点があります。
 
 
我が子が心配でならないというのは、尊い親心です。
ただ、それが空回りする形で、多くの親御様は、真っ先に、悩みについて子どもに問いただそうとするわけです。
中には、焦る気持ちが先走り、警察の取り調べのように問いただす親もいます。
 
 
たとえ、優しい口調で聞いたとしても、それで良いというわけではありません。
 
悩みを問いただされること自体が、受験生のメンタルを追い詰めることにもなりかねません。
親の意図とは裏腹に、精神的な苦しみを悪化させてしまうことも多いのです。
 
 

  思春期の脳は腹内側前頭前野が不安定に!

 

実際、親がいきなり問いただした場合は、それに対して、子どもが自殺したいという本当の気持ちを親に開示するというのは、現実には、ほとんどありえないことです。
 
「僕は模擬テストでこういう問題ができなくて、これではGマーチには合格できないから自殺したいんだ・・・」などといった具合に、誰もが親に対して率直にネガティブな心理状態であることを言葉で表現できるくらいだったら、この世に子どもの自殺なんて問題は起こりえないでしょう。
 
 
思春期の子どもが悩みだした場合、脳の腹内側前頭前野という部分の働きが不安定になっています。
 
その影響で、親がズケズケと問いただすと、子どもは逆に心理的に殻に閉じこもってしまい、落ち込む感情がより深くなってしまいうのです。
 
 

  まずは一緒に食事をとること!

 

子どもは、なんだか深い悩みを抱えていそうだ・・・。

 

ひょっとしたら、自殺を図るということも、絶対にないとは言い切れない・・・。

 

親がそう感じたら、親が真っ先に行うべきことは、受験生の子供と、一緒に食事を取るということです。

 

親が、ただ子供と一緒に食事をとるというだけでも、自殺に対して、一定の抑止効果が働きます。

 

 

  食事を一人で食べ始めたら自殺の黄色信号!

 

今どきの受験生は、自室にこもって一人で食事をとったり、ダイニングで食事をするにしても、家族と時間帯をはずして一人で食事をするというケースが少なくありません。

 

こうした孤独な生活習慣自体が、受験生のメンタル管理には大きな問題です。

 

 

ただし、特に注意していただきたいのが、それまで家族と食事をしていたのに、悩み始めたのと同じタイミングで、一人で食事をとるようになった場合です。

 

これは、自殺を図る黄色信号だと受け止め、ご家族は注意して見守ってあげる必要があります。

 

 

  食事中に悩みを聞き出す秘訣はデザート!

 

親子で食事を取りながら会話するのであれば、受験生は、直接、問いただすより、心に受ける負担は遥かに軽いものになります。

 

ただし、私たちのように日々、受験生のメンタルと向き合っているのならともかく、普通のお仕事をしている親御様が尋ねた場合、食事中であっても、悩みの根幹部分については、なかなか口に出してはくれないものです。

 

 

そのような場合に、殻に閉じこもるお子さんの心を開かせるのに、とっても役立つ秘訣があります。

 

それは、食後に甘いデザートを一緒に食べながら、悩みを聞いてあげることです。

 

この方法で、それまで、親子の間でほとんど会話がなかったというケースでも、悩みを聞き出すことができ、対処をしてあげることで、もちろん自殺も事前に防ぐということが、多くのご家庭でできています。

 

 

  血糖値の上昇が一時的に脳の扁桃体の暴走を止める!

 

食後のデザートを一緒に食べると悩みを話してくれるということには、脳医学的な理由があります。

 

血糖値の上昇と、舌で感じ取る甘いという感覚によって、脳の中で不安や不満といったネガティブな感情を生み出していた扁桃体という部分の暴走が止まるのです。

 

それによって、心を閉ざしていた受験生が、食後のデザートのときだけは、親に心をひらいてくれるわけです。

 

 

また、糖分と脂肪分を同時に取ると、脳内で快感ホルモンのドーパミンが出やすくなります。

 

この効果も、受験生の悩みを聞き出すのにプラスに作用するので、食後のデザートは、和菓子よりは、ケーキやパフェといった洋菓子のほうが、より悩みを率直に語ってくれるのに役立ちます。

 

 

  日常的なデザートは摂食障害に注意!

 

誤解してほしくないのですが、扁桃体の暴走を止める作用も、ドーパミンを分泌させる作用も、あくまでも、これらは一時的なものに過ぎません。

 

もちろん、デザートを食べ終わると、元の状態に戻ってしまいます。

 

 

だから、普段からストレス対策のために、受験生に大量のデザートを食べさせたらいい…という意味ではないので注意してください。

 

むしろ、そのようなことを日常的に続けると、ストレスがたまりやすい受験生の場合は、やがて摂食障害を起こすリスクがあります。

 

ただし、悩みを聞いてあげるために、1回や2回、デザートを食べすぎたところで、この程度では何ら問題はありません。

 

 

  親は安易に結論を出さない!押し付けない!

 

受験生から悩みを聞いた後の親の反応も重要です。

 

「だったら、こうすればいい!」と、解決策を安易に決めつけて押し付ける親御様もいますが、これは危険です。

 

受験生は、簡単に解決できない複雑な問題だから、深く悩んでいるのです。

 

簡単に結論が出た場合、それは子どもの悩みの本質が理解できていないだけという場合が圧倒的に多いのです。

 

 

また、「我が子には、こうなってほしい」という親の願望を一方的に押し付けている場合も少なくありません。

 

しかも、親はこのことを自覚していないことが多く、余計に受験生の精神を追い詰めてしまいます。

 

そうならないように、「安易に、結論を出さない!押し付けない!」ということは、肝に銘じてください。

 

 

  共感の言葉を伝え、一緒に悩んであげること!

 

安易に結論を出さないということであれば、親はどうすればいいのか?

 

まずは、悩んでいる子どもの心に共感していることを、しっかりと言葉にして伝えてあげることです。

 

これだけで、子どもの苦悩は、かなり軽減されます。

 

 

さらに、大事なのは、親も子供と一緒に悩んであげることです。

 

こうして悩みに対して親子で一体になることができれば、子供の孤立感は確実に減少します。

 

そうすれば、衝動的に自殺を図るということを強力に抑止する効果が働くわけです。

 

 

  うつ症状が出ていないか親がチェック!

 

受験生の自殺を防ぐために、親御様にもう一つ、絶対にやっていただきたいのが、お子さんに「うつ症状」が出ていないか、チェックしてあげることです。

 

自殺を図って命をとりとめたお子さんを後から診察したら、実は受験期のうつ症状である「受験うつ」だったということが、私の心療内科クリニックでもよくあることです。

 

その兆候に親が先に気づいてあげて、きちんと治療を受けてもらっていたら、自殺は回避できたはずだし、志望校にも合格できていた可能性が高く、後悔される親御様も少なくありません。

 

 

受験生のうつ症状で多いのは、


・学校や塾に行こうとすると、腹痛・頭痛・息苦しさ・めまい・吐き気がする。

 

・かすかな音も気になってイライラするようになった!

・朝、なかなか起きなくなり、親が起こそうとすると怒り出す!

 などです。

 

受験生の親御様に、簡単に我が子をセルフチェックできるよう、私のクリニックのホーページでは、「わが子の受験ストレス:親御様が簡単チェック、10項目で判定!」のページを設けています。

 

わが子の受験ストレス
親御様が簡単チェック、10項目で判定!

⇒ クリック

 

こちらで、まず、親御様にお子様のメンタル面をチェックしていただいています。

 

そのうえで、お子さんを連れていただくか、場合によっては、ご希望があれば、まず先に親御様のみでカウンセリングをさせていただくこともあります。

 

ページの一部を、以下、こちらのブログでもご紹介しておきます。

 

思い当たることがある方は、必ず、ホームページを見てください!

https://www.akamon-clinic.com/親が判定!わが子の受験ストレス/

 

 


 

 このページの要点は?   

 

  わが子の受験ストレス(Exam stress)を親御様に10項目のチェックポイントで判定していいただきます

 

  デューク大学(Duke University)の研究手法をもとに、クリニックでの症例と学習塾・予備校のデータをもとにリスト化したものです。

 

  親が声をかけると「うるさい!」「ほっといてくれ!」と怒鳴るようになるのも「受験うつ」の重大な兆候です。見逃してはいけません。

 

  子どものワガママなのか、メンタル面や脳機能の問題なのかを区別することが重要です。これを見極めるための指針を解説しています。

  

続きを読む ⇒ 本郷赤門前クリニックホームページ

https://www.akamon-clinic.com/親が判定!わが子の受験ストレス/