親の執着心で受験生は入試に受かるか?メンタル医学の結論は?
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今日のテーマは「親の執着心で受験生は入試に受かるか?メンタル医学の結論は?」です。
難関校に合格するには、現実的には、何としても合格したいという、ある種の執着心が受験生には必要です。
そして、受験生がそうした合格するための執着心を強く持てるかどうかは、親の影響が極めて大きいというのが現実です。
一方で、親の執着心が空回りしてしまって、その影響が受験生に波及し、それで入試に失敗することが多いのも事実です。
親の執着心で受験生は入試に受かるのか、それとも入試に落ちるのか、受験生を専門に診療している心療内科医の立場からお話ししたいと思います。
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執着心とメンタルの関係については、とても興味深い法則が見つかっています。
どのような執着心が志望校への合格率を高め、どのような執着心がメンタルを不安定化させるのでしょうか。
この差を決定づける大きな要因として、脳の扁桃体の性質が関与していることが明らかになっています。
何としても難関校に合格したいと自分の意志で強く感じている時、脳の扁桃体が暴走しない健全な執着心が形成されることが分かっています。
逆に、受け身の姿勢でこのような強い思いが生まれる場合、脳の前頭前野の思考や判断の能力が低下する傾向があるのです。
そうなんです!
執着心自体が入試にいいとか悪いとかというのではなく、その執着心が自分の意志で能動的に生み出されたものか、受け身の形で生み出されたものなのかで、受験への影響は、天と地ほどの差があるということです。
受験生の場合は、模擬テストの成績が悪いときに、両者のタイプの執着心が典型的に表れてきます。
自分の意志で志望校合格を勝ち取るという主体的な執着心を持っている場合は、悪い成績の原因を分析し、それを乗り越えるための努力をするといった前頭前野の活動が十分に行われます。
逆に、何かに追われるように受け身の姿勢で志望校合格に対して執着心を持っていると、脳内で扁桃体が暴走してしまい、成績を上げるための努力をする前頭前野の活動を抑制してしまいます。
だから、このタイプの執着心を持っている受験生は、「もう駄目だ」という言葉が出てくるわけです。
こうして落ち込んでしまって立ち直れなくなる受験生の執着心は、ほぼ100%、受け身のタイプです。
大事なのは、受験生がどちらのタイプの執着心を持つかは、親の影響が極めて強いということもわかっているということです。
中学受験の年代なら当然かもしれませんが、大学受験の年代でも親の影響は極めて大きいのです。
ぜひ、親自身が、「子ども自身の幸福のために難関校に合格させたい」という能動的な執着心を持てているのか、それとも「世間体で難関校に合格させないとカッコがつかない」といった受け身の執着心なのか、今一度、セルフチェックをしていただきたいです。
すでに受験生のメンタルに執着心の空回りが生じている場合は、「受験強迫性障害」と呼ばれる状態に陥ってしまっている可能性があります。
この場合は、メンタルや脳機能について、適切な対策を取らないと、いくら地頭がよくても難関校には合格が難しくなってしまいます。
詳しい情報や対策は私のクリニックのホームページ「受験の強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder)」で解説しています。
ぜひ、ご参照ください。
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